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ひとりぼっちのヒヨドリ その32


《 小さくなってしまったひよちゃん 》

   

     前のお話 ➡ ひとりぼっちのヒヨドリ その31



連日 朝からどんどん気温が上昇し
夏のような暑さになったかと思うと
夕方から急激に気温が下がって、
寝る頃には まるで早春のような肌寒さ。
こんな春って今まで無かったように思う。

なんだか
近い将来  ”とんでもない猛暑日”  が続く長~い夏が
当たり前になりそうなイヤな予感 ((+_+))


ここ3~4日、ひよちゃんは姿を見せない。
代わりに、例のカップル と思しき2羽のヒヨドリが
毎日私がひよちゃんの為に用意しておく餌を
仲良くついばんでは2羽で連れ立って飛び去って行くのだ。

    "(-""-)"


客観的に考えれば
彼らだって "普通のヒヨドリ”。

ひよちゃんが居なかったら
私にとって
「可愛いヒヨドリのカップル」
だったのに違いない。


  だけど、
  私はひよちゃんが大切なんだ!
  ひとり草むらに取り残されて鳴いていたひよちゃんに
  お肉食べさせてあげたんだから!
  そして半年後に「なんかちょうだい」って来たんだから!
  可愛かったんだから!!   (; ・`д・´)

      👇
     
その9

      

もうエサは入れないでおこうかなあ  
と考えているところに

  

 あっ、ひよちゃんだ!

久しぶりに見るひよちゃんは
明らかに体が小さくなって、
なんだか尻尾も短くなったみたいな・・・・

   どうしちゃったのーお ( ;∀;)

   あいつらにテリトリー奪われて
   よそでエサを探し回ってたの?



胸が締め付けられる思い。

   そうだ、先にあいつらに食べられちゃわないように
   軒下の縁台に置いたらいいかも!

冷凍の粒コーンをチンして、
グミの木の枝に備えた籠ではなく瀬戸物の小皿に入れ、
縁台に置いた。


そして、
 
   ヒ ヨ!

と呼んでみたらすぐにやって来て  
縁台のコーンをみつけ、
用心深くあちこちキョロキョロしてから
私の方を向いてコーンを食べた。

  カワイソーーー 
  アイツラが来なくなるこんな時間まで待ってたの? 
    

    😢

   

ひよちゃんは落ち着かない様子で
3粒だけ食べていつもの方角に飛び去ってしまった。


この日以後
毎日夕方になってから
私が廊下のガラス戸を開けて

  ヒ ヨ!  

と呼べばどこやらから飛んで来て
軒下の縁台にとまり、
あちこち見まわしてからエサを食べるようになった。

しかしその3日後には、私がひよちゃんを呼ぶと
もう薄暗いというのに
ナント!
ひよちゃんより先に例のカップルが先に来て、
縁台の餌を先に食べようとするのだ!

かれらが食べて飛び去るのを待ってたら
もう暗くなってしまうかもしれないから、
ガラス戸を “ ドン!” と叩いて追い払う。


そしてやっとひよちゃんが来る。


随分体が小さくなって、
尾羽も一層短くなったように見えるヒヨの為に
「栄養価の高いものを」と考えて、
粒コーンのほかにレーズンを水でふやかして半分に刻んだり
カステラをちぎって豆粒程に丸めたりしてお皿に入れてある。

(これでひよちゃんのの栄養食として良かったのかどうか・・?)

だけどひよちゃんは
何をあげてもいつも3粒しか食べずに
せわしく飛び去ってしまうのだ。
      😢

暗くならないうちに
ねぐらに帰らなくてはならないからだろうか?


ヒヨドリというのはテリトリー意識が強くて気が強く、
自分のテリトリーによそ者が入るのを許さないという。

一度、
ひよちゃんが自分のテリトリーを侵害するアイツラを
勇ましく襲撃するのを目撃したことがあった。

でも、小柄なひよちゃんにとって
勝てる相手では無い。
一回オスの背中を鋭く一撃したら、
かえって2羽のヒヨドリに
追い回されることになってしまったいきさつを
私は見ているしかなかった。
     ( ;∀;)


もともとここはひよちゃんの領分なのに
アイツラに横取りされたストレスは
相当なものだったのに違いない。 
その所為で体が衰えて
食が細くなってしまったのかもしれない。

野性のヒヨドリの寿命は5~8年という。
ひよちゃんは
数えてみればまだ4歳。

あんなに体が小さくなってしまう年齢じゃないのだ。   

     "(-""-)"


  つ づ く

       👇

     ひとりぼっちのヒヨドリ 最終話




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