不動産の出口、考えていますか?

「築15年から20年の物件を買った後、
 築50年前後で売却するのが
 ベストのように感じているのですが、
 どう思いますか?」


先日相談の中で聞かれた質問です。


あなたは、どう思いますか?
共感できますか?できませんか?


正解がある訳ではないので、
あなたが
どう判断するかというのが、
私なりの答えと言えば答えです。


とは言え、
これでは元も子もないので、
私なりに
考えていることをお伝えします。


私の考えとしては、


「賃料収入を継続的に得ることが
 目的なので、原則は売らずに
 持ち続けるスタンス」


「築年数で区切って
 手放す判断はしない」


「建て替え、取り壊しの話題が
 上がってきた時、
 組合の話し合い状況や
 自分の手持ち資金、物件の立地などを
 考えて、保有継続でも問題ない
 と考えれば、建て替え期間中の
 賃料収入はなくなるけれど、
 賛成の意向を示す。


 賃料収入が途絶える建て替え期間を
 過ごしてまで、組合とのやりとりを
 したいと思わないなど、
 ネガティブな想いが強い物件の場合は、
 早目に売却判断するか、
 敷地売却を通して、
 手放すことを考える」


少し、長めの文面に
なってしまいましたが、
上記のように考えています。


冒頭で伝えたご質問をされた方の
想いを伺うと、


「取り壊しや建て替えの話し合いが
 まとまらない可能性に備えたい
 という意味で、築50年くらいでの
 売却がちょうど良いのではないか、
 と思うから」


ということでした。


区分マンションのデメリットは、
まさにここにあると私も考えています。


自分の部屋の中は、
自分の想いでなんとでもできるけれども、
建物全体は、自分の想いだけでは
どうすることもできないという点です。


その点で言えば、
一棟アパートや戸建てなど、
建物があなただけの
所有であれば、


取り壊して建て替えるのか?


基礎、躯体を残して、
リノベーションなどを施すのか?


など、自分の意向、判断で、
保守、メンテナンスが行えます。


一方で、区分マンションのメリットだと
私が感じているのは、
適時に適切な建物管理ができていれば、
一棟アパートや戸建よりも、
長く住まいとしての価値を失わずに
いられるという点です。


一例として、税法上の耐用年数をあげます。
木造の場合22年ですが、
区分マンションに多い
鉄骨鉄筋コンクリート造の場合は47年です。


もちろん、税法上の耐用年数を
過ぎた時点で、利用価値や資産価値が
なくなる訳ではありませんが、
一般論としても、区分マンションの方が
強固で頑丈で長持ちだということの
現われではないか、と私は考えています。


だからこそ、
築40年とか築50年という古めの
マンションであっても、
売買取引が成立しているのです。


実際に私自身も、
築30年超の物件でも、立地と管理状態が
良ければ、購入した経験もありますし、
現時点で耐用年数である築47年を
超えたマンションの部屋も保有しています。


私が不動産投資、大家業を始めた
2007年に購入した、来年、築50年になる
東京都中央区の物件の部屋があります。


古さを感じる部分があることは
否めないですが、
給排水管などのインフラ設備に
不具合が生じることもなく、
購入当初より、今の方が賃料をあげた状態で
貸し続けることができています。


今でも、不動産会社さんから
「物件売りませんか?」の
電話やDMが届くくらいです。


なので、築50年前後でも住まいとしての
役割は充分に果たせるので、
建て替えなどでの合意形成が図れそうにない
可能性を踏まえて、築50年前後で売却して
手放すというのも、選択肢のひとつとしては、
ありだと思います。


ただ一方で、
売却して手放す=賃料収入も失うことになる、
という点にもつながるので、
どちらを選ぶのが良いか、天秤にかけて
判断することが、何よりも大切だと感じます。


実際の所、
鉄骨鉄筋造のマンションであれば、
少なくても60年、今の技術などを
もってすれば、80年とか100年など、
耐用年数を超えても、
住まいとしての価値を失うことは
ないと、私は考えています。


取り壊し、建て替えをせずとも、
適時適切に修繕を行っていけば、
売却という選択肢をとらずとも、
安心して保有継続ができる、
という意味合いです。


マイホームにせよ、賃貸用にせよ、
区分マンションを所有する
ということは、
そのマンションの他の部屋の
所有者さんとの運命共同体的な
枠組みに入ることを意味しています。


だからこそ、購入する前に、
できる範囲で、建物の状態、
管理状態などを見て、


「この物件なら安心して
 保有継続ができそうだ!」


と確認を行うことが、
築50年になった時でも、
売却する、保有継続するなど、
あなたの選択余地のある、
失敗しない物件選びにつながる
と私は考えていますが、
あなたはどう思いますか?

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