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誰かに聞いてほしい、なんだかやるせない気持ち

昨日まで大学時代の友人たちと、旅行に行っていた。連休がとりづらい職場にいる僕にとって、なにより久々の連休だったし、人と遠出するなんて久しぶりで、嬉しくて、楽しかった。でも同時に寂しかった。

大学を卒業してから2年。早々に転職をした僕だけど、友人たちも今の環境にそれぞれ不満があるみたいで、既に転職先を決めた子、資格の勉強を始めた子もいて、自分のことを棚に上げて僕は驚いた。会ってない期間に、みんないろんなことで悩んで、動こうと思ったんだなぁって。

夜、旅館で飲みながらのおしゃべり。当然、恋愛トークになる。一気に僕は、自分の心のシャッターが降りたのを感じた。初めてできた彼女に浮かれているヤツや、遠距離をずっと続けてるヤツの話を聞きながら、僕は彼女もいないし、いい人もいない、マッチングアプリもわざわざめんどくさくてやる気になれない、というヤツの話に同調したふりをして、その場をやり過ごした。

僕が男にしか興味がなくて、マッチングアプリで寂しさと性欲を埋めるための出会いばかり探している話をしたら、どんな顔するだろうなぁなんて思った。なんなら明日の夜、みんなと解散したその足で、男いこうとしてるんだよ。そんな俺のこと引かない?正直に言っても友達でいてくれる?

大学時代に、自分がゲイであることを気づかなくて、本当に良かったと思う。あの頃、色々将来のこととか人生のこととか悩みながらも楽しかったのは、周りにいる同期たちと、同じような道を歩いていくという安心感があったからだと思う。彼らは、思い描いた未来とは少し違っていても、乗るべき人生のレールというのが見えていて、全員がその列車に乗って進んでいることをまったく疑っていないようにみえた。隣に、どこに行き着くか分からない列車に乗り換えた人間がいるとも知らずに。

帰り際、また会おうと手を振った。今度は別の友人たちも含めて、会う計画だってある。だけど、僕はこのまま、自分がゲイであることを隠したままみんなと会っていると、どんどん自分の進むべき道が分からなくなる気がして、怖い。みんなのことは大好きだ。僕も、みんなとずっと同じ目線で、将来や人生を考えて、悩みながらも笑ってたかったな。

結局、みんなと解散したその足で、僕は男と会ってヤった。ていうか、なんなら旅行の帰り道は、そのことしか頭になかった。自分が恥ずかしかった。会った男の人はかなり年上で、でもすごく優しくて、しっかりエロかった。かなり真面目な方みたいで、ちょっと僕が自分のゲイとしての生き方に悩んでることを漏らしたことに対して、自分の場合はどうで、みたいな話をしてくれた。疲れてるときとか、嫌なときは、絶対無理して会ったりヤったりしない方がいいみたいな話もされて、やることやった後に何言ってんだみたいな気持ちにもなったけど、この人に今度ちゃんと話を聞いてほしいななんて思った。

こんな取り留めのない話、だらだらと書いてしまったけど、今のこの感情を書きとめておかない訳にはいかなかった。感情が迷子だ。僕がゲイじゃなかったら、こんなことで悩まず済んだのにってのが、正直なところ。なんだかやるせない。




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