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震災から13年。2024年の能登半島地震現地報告から「備える」覚悟を改める。


東日本大地震から13年。

元旦には能登半島地震もあり、改めて震災を振り返る時期かと思い、先日豊田市福祉センターで行われた「能登半島地震現地報告会」に参加しました。




今回はここでの学びを共有し、これからどう備えるかの話をしていきます📕

【講演会の概要】

[地震について]


・地震にはプレートが沈んで跳ねる「海溝型」と、プレートが割れて隆起する「断層型」があり、能登半島地震は断層型だった。

・被害の少ない地域と大きい地域での差が激しく、約4mほど土地が隆起する地域もあった。

・今も地震が続いており、まだ動いていない活断層もある

[志賀原発]



・志賀原発付近で放射線濃度を調べたところ、0.054μSvと極少だった。

・付近の建物も倒壊した様子はなく、瓦が落ちる程度のものだった。

・また崖が高く、津波が上がったきた様子も見られなかったことからも、断層が動いて放射線が漏れた可能性は低いと考えられる。

[罹災証明]



・罹災証明に関して、半壊か全壊かで補償も変わる為、地震直後に無理をして保全をするより避難を優先した方が良い

・地震が多い地域の「危険度判断ステッカー」は、前の地震で貼られたステッカーの可能性もあり、地域によってはほぼ壊滅的な所もあった。

[火の広がり]



・火の広がりに関しては

①人がいなかった
②木造住宅が多く、密集していた。またプロパンガスを使用する家庭が多かった
③水が出なかった
④広い道路へ広がっていった
⑤耐震化がなされていなかった

といった要因が重なり、出火から消火までに時間が掛かり、広がっていった。

・防火水槽は、子どもの水没事故が相次いでいたこともあり、埋め立てする地域が多い。

[災害ボランティア]



・災害経験者が増えてきたことでボランティアに動ける人は多い。

・しかしボランティアをしたい人は多いが、マッチング(分配)が大変で、「来たものの何も出来ずに帰らざるを得なくなった」ケースも見られる。


・現状では、自己完結型で様々な専門的支援を実施している。


設備、環境が整っていないと、ボランティアに見せかけた詐欺や窃盗、宗教勧誘などが横行する事態となってしまう。

・例えば宿泊施設がなくテントで寝泊まりするボランティアの団体が、見た目から宗教勧誘と誤解されて必要とする支援が提供できなかった事例もある。


・そのため災害ボランティアセンターで動きを調節しており、現在では114団体が現地で復興支援ボランティアをしている。

炊き出しから介護系に加え、最近ではマッサージ、セラピーなど「ケア系」も増えている

[ボランティアの受け入れ]



・ボランティアの受け入れは社会福祉協議会、市と連携して行われており、

ニーズ調査
現地調査
マッチング ←ここが一番難しい
受け入れ

といった手順で行われている。


震災から2〜3ヶ月後を目処に「自立」に向かっての支援に切り替わっている

[ボランティア・支援の心構え]



・ボランティア・支援を考えているならば

現地ニーズの把握
被災者の「顔」が見える活動
計画的な活動
④現地活動団体に参加。ボランティアセンターの募集が始まってから行く
⑤物資はあふれているので「相手先が求めているもの」以外は送らない

というポイントを押さえることが重要。


・被災した時も、きちんとした「線引き」をする。無計画にボランティアをしようとすればかえって現場が混乱する。

・対応が雑な人もおり、その支援が資源を損なうケースもある為、コミュニケーションを密にし、被災地の方々の信頼が得られてから支援を行う


・混乱に乗じて犯罪を行うケースも多々報告されており、ボランティアへ行く際には計画をもって信頼関係を結んでから行うように


一番有効な支援は「お金」である。

[水と連絡手段の課題]



・『』に関して、「飲み水」は支援物資として届きやすいが、「生活用水」が必要となる。

・また衛生環境の悪化から感染症が発生しやすくなり、水を適切に分配・使用することが重要


・特に震災のショックから人々の統制が取れなくなることが多く、衛生環境が乱れやすいため、トレーラー型の移動トイレや下着の補充などが求められる。

・また2ヶ月以降、精神面の安定からマッサージ系や化粧品なども求められるようになった。



・『連絡手段』に関して、行政からの手段が弱い。

・HPなどで情報発信しているが、被災地では機能しにくい。高齢者などにも情報が届くよう紙媒体が望ましい

・加えて常時から緊急連絡網を作成し、安否確認ができるようあらかじめ手配しておくと良い。


・通信障害が発生しやすく、スターリンクが役立つ場面があった。



・ただし、通信状況が良くなれば良くなったで、SNSなどで誤情報やデマなどを流して不安をあおる人も出てきた

その情報が「本当かどうか」より、その情報自体が現地の人々に追い打ちをかけている


[地方自治法改正]



・2024年3月1日に地方自治法改正案が決定され、感染症や大規模災害に際して国が地方自治体に対して権限を持ち、「法的な義務」が発生して国の独裁が可能になる状態へと変わろうとしている。



・この「感染症」や「大規模災害」に明確な定義はなく、最悪「国がそう認めたから」で地方自治権が機能しなくなる事態が発生しようとしている。

・これは国民主権にそぐわない憲法違反とも取れる。

【まとめ】これからどう備えるか



講演会の最後で「(日本における)公助が最早機能しない状況に陥っている」(※)と危惧されていました😨


「国が助けてくれるだろう🥺」

と期待して待つよりも、

「自分の身は自分で助ける💪🏻」
「助け合うコミュニティを作る🤝🏻」

といった『自助・共助』をベースに考え、対策を取ることが望ましいとお話しされ、


明日は我が身 正しく恐れよう」


というフレーズで講演会は終了しました。

※「公助が機能しない」とは、「公助が不要」という意味ではなく、国民が行政を監視して公助が機能するよう日々活動することが望ましいという意味。

「誰かが何とかしてくれる」と国民主権(自立)を手放した先にあるのは強制力をもった『統制』であることを受け入れ、「自助・共助」がそれぞれの地域で成立するような活動を調べて参加する、あるいは自身が生み出すことが重要。




僕は2015年に東日本大地震の被災地視察に参加したことがあります。

その時に学んだことの一例として、以下のものがあります。


「自然は時に人間から奪うが、恵みを返すこともある。しかし人間は自然から奪ってばかりで返そうとしない」

「私たちはテレビやラジオなどで『知ったような気』になっているけれど、実際に見て、感じてみないことには本当のことは何もわからない



「津波でんでんこ」という言葉があり、「津波の時は自分の命は自分で助けよう」という意味である。

そうして自分で自分を助けられるようになれば、人を助ける余裕も出てくる



つながりのある人が困れば皆で助け、また人に助けられて、別の人を助けていく。

しかし「食が足りるようになると、人間は自分のことばかり考えるようになってしまう」ため、


「自分の五感を使い、少しでも相手の立場に近づき、相手の意図を汲み取とうとすることで「ほだし」になりかけている人とのつながりを「きずな」へと変えていく


ことが求められている。



これらの学びは、あれから約10年経った今でも色褪せないどころか今だからこそ僕たちの心に刺さる教えではないでしょうか


僕たちは、これからどう生きるつもりなのか。


震災13年を機に、改めて見つめ直す時なのだと思います。



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