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魔法の法螺貝|Speculative Future

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未来の光景を一口に言い表すのは難しい。けれど過去から今に至る系譜や今想うことを集めれば、ピースはいずれ絡み合い未来絵図になるだろう。法螺貝の音は合図だ。それは集合の誘いか、出航の…
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記事一覧

子どもは失敗して、仮説を立てて学ぶ

なに、この「英語を学ぶにはまず文法から」みたいな記事。英語に親しむには、文法忘れてともかく話すことから。時計も同じ。この記事読んだ親御さん、難しく考えすぎて、かえってお子さんが時計を苦手に思うんじゃないかな。記事書いてる人、リクツに走りすぎのように思う。 https://toyokeizai.net/articles/-/539777?page=4 我が家には針時計しかなくて、親が「いま、4時12分か」とか言ってるうちに、子どもたちのほうがだんだん見当つけて、時間を読めるよ

普遍的再現性と個別的再現性

体質によって効果が違う漢方なんか科学的ではない、という人がいたので、そのことについて考えてみたい。 漢方は、全部ではないのだけれど、腸内細菌による分解を経ることで初めて薬効成分に変わる「プロドラッグ」のものがあると分かり、体質によって効いたり効かなかったりすることは述べた。 ある人にはその性質が現れるけれど、別の人には現れない、という「科学」は、実際にはたくさんある。たとえば、白いご飯を食べると酔っぱらうという体質の人がまれにいる。腸内細菌の中にアルコール発酵する微生物がい

ゴミ処理場に暮らす人々

こんにちは。 随分と慣れましたが刺激的な日々を送っています。 しかし、遡ってみても、ソロモンに来て1番衝撃を受けたのは、“DAMP SITE”を見学したときでした。 皆さん、今回のタイトルを言葉通り理解することが出来ますか? 「驚くと思います。DAMP SITE、普通に人が住んでますからね〜」 とボランティア調整員の方に言われた時に、私はその言葉を言葉通りに受け取ることはできませんでした。 ゴミ処理場に人が住んでいる・・・? その状況を想像できないまま、現地に向かいました。

大学で一番力をいれるべきなのは「勉強」である

大学は勉強をする場所である。当たり前すぎるほど当たり前のことだが、私は一に遊び二にバイト、単位なにそれおいしいの?いう調子で大学生活を送った元気な不良大学生であった。そもそも田舎の高校生だった私は受験の時点で「学位」の概念を持ち合わせておらず、偏差値と照らし合わせて入学できるかどうかで大学を選んだと言っても過言ではない。 大学で勉強する意味もよく理解していなかったし、大卒の資格を得ることによって就職の幅が広がることと4年間の自由な時間が買えるくらいにしか思っていなかった。大学

文学フリマへの批判と提言

 2024年5月19日に、『アラザル』の新刊となる16号を発行します。「政治」を特集した13号(2020年発売)に続き、2度目の特集号として「経済」をテーマに制作しました。昨今の物価高や円安、税制改正によって、お金の問題が生活の中で大きくなっているこのタイミングで、同人それぞれがお金について考えたエッセーを掲載しています。 https://x.com/arazaru/status/1790958151883424005  さて、「インディペンデント批評誌」として発行してい

Beyond Robotic Biology - あらゆるものが循環する世界 -

これは今から10年、20年ほどの間に、世の中はこのようになるだろうという至極勝手な個人的見通しの一端である。「書く」ことが実現に至る重要なファクターとなる時代、ある程度言語化できるくらいに輪郭を持ち始めた未来予想図をここに置いておく。様々な情報や技術により世界の複雑さが可視化され、VUCAな時代と称される現代において、これをニーズと取るか、シーズとするか、企業戦略や研究課題創出の一助となれば嬉しく思う。 Introductionこれまでの20年ほどの間、世の中の移り変わりや

流水花葬 - Future Textbook -

この夏、梅花藻を見に行った。 とんだ思いつきで福島県の猪苗代湖を自転車で一周して、その道中に梅花藻を眺める時間を設けた。 星の数ほどあるやりたいことが一つ、それをきっかけに言語化以上・具象化未満となったので此処に書き出しておく。 そうすれば実現への道が生ずることもあるかも知れない。 猪苗代湖とその界隈日本で4番目に大きな湖(面積:約103平方 km、深さ:約93 m) 水質:弱酸性の貧栄養湖(透明度が高い) 生態系:国指定天然記念物ミズスギゴケの群落、白鳥の飛来地

ハルシネーションの源泉

ハルシネーションという言葉に遭遇してその意味を知った時、AIに表出する人間らしさに感動した。まさしく『人工知能』、この上ない完成度。 けれど人間社会にとっては都合が悪く、到底受け入れられるものではないらしい。そんな人類もまた、実に人間臭くて愛おしい。 エンジニア的リスク観リスクを想定し、回避したり軽減したりする対策は大事だ。 例えば2024年1月2日に羽田空港で起きた衝突事故は、まだ記憶に新しい。海上保安庁の航空機の乗組員6人の内5人が死亡し、残る1人も重症を負った。前