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Ⅻ 「スクリーン・マジック」というジャンル
マジックは大きく、4つのスケールに分けられます。
イリュージョン、ステージ*、サロン、そしてクロースアップ(テーブル)マジック。
* 100人〜300人程度の環境で、音楽に合わせて、無声で演じる、カードマニピュレーションやダブ・プロダクションのことです。
ところが、令和(元年)前後からは、
「スクリーン・マジック」というジャンルも出現した。
というのが僕のアイディアです。
その名の通り、スマートフォンで見られる、SNS・オンライン = 画面上 screen のパフォーマンスのことです。
リアルのステージ・劇場内でも、スクリーンを使うことがありますが、今回はそれは省略します。
スクリーン・マジックの特徴は次のようになります。
⠀
基本的に1アングル。
死角を自在に作り、カメラ(アングル)トリックが可能。
観客との接触なし(そこに観客を登場させることもできる)。
視聴者が、逆再生・ズームインなど自由にできてしまう。
オンラインに残る、コピーされる。
SNSの場合、無料。
スクリーン上のみで可能なトリックがある。
ギミックを使っても、それがギミックでないことを証明しなくていい。
(観客に突っ込まれない、触らせられないので。例えばインビジブル・デックやシェルコイン。)
録画の場合、いくらでも撮り直せる・修正も可能。
動画がすごくても、リアル(対面で)はショボいということもあり得る。
一度動画をアップしてしまったら、同じ手順をもう演じる必要がなくなって(演じにくくなって)しまう。
など。
令和という時代には、イリュージョン、ステージ、サロン、クロースアップ、そして、スクリーン。
という全く別の、「新たなジャンル」としてとらえることで、適切な戦略で、マジックを楽しみ、マジシャンとしての活動ができると思います。
つまり、ステージもサロンもクロースアップも、動画化(スクリーン化)できてしまうわけですが、これまでの “ 延長上として ” スクリーン・マジックをとらえると、発想に制限がかかったり、パフォーマンス・効果を最大化できなかったりします。
若い世代の方は抵抗がないと思うのですが、僕らより上の世代は、オンラインの映像を活用したいのなら — 現場での実力に自負があるほど — 、「スクリーン・マジック」という “ 全く新しいトリックを身に付ける ” 感覚、覚悟で、臨むべきだと思いました。
もちろん、だからこそ戦略的に、「SNSをあえてやらない(動画ではパフォーマンスしない)」というのも価値あるマーケティング戦略になるということです。
Matty
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