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全11シャツブランド比較!本当に良いシャツとは?

皆様こんにちは。
今回は現在筆者が所有している、または過去に所有していたシャツブランドを比較しました。
前回のスーツに引き続いてのシャツ編。
こちらの記事も今後新しいシャツをレビューするたびに更新していきたいと考えております。

前回のスーツ編と同様、今回も価格がバラバラです。
3,000円のシャツから50,000円のシャツまであり、単純に比較してしまうと高額なシャツの方が良いということになってしまいます。
前回同様「コストパフォーマンス」という項目を設けておりますので参考にしてください。

今回はシャツブランドごとに以下の項目で比較していきたいと思います。
着心地:そのまま、もっとも大切な項目
仕立て:縫製やボタンの良し悪し
独自性:ブランドのスタイルがあるか
コスパ:コストパフォーマンス

評価は◎〇△×の4つ。
これを着心地~コスパまでの各項目に振っていきます。
◎が並べば良いシャツ、×が多ければダメなシャツということです。

比較対象ブランド

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以下の11ブランドを比較します。
日本、イタリア、そしてアメリカ。有名なブランドもあればそうでないブランドもありますが、本当に良いブランドはどこなのでしょうか。

・AkamineRoyalLine (パターンオーダー)
・RING JACKET Napoli (既成・パターンオーダー)
・Brooks Brothers (既成)
・伊勢丹 (パターンオーダー)
・軽井沢シャツ (パターンオーダー)
・鎌倉シャツ (既成)
・KEI (パターンオーダー)
・UNIQLO (既成)
・Maria Santangelo (既成)
・SOLVE (パターンオーダー)
・南シャツ (ビスポーク)

比較にあたっての前提。

筆者はシャツについてはスーツほど重要視していません。
例えば前回のスーツ編で×と◎では雲泥の差がありましたが、シャツではそこまで大きな差はないと感じています。
極論を言ってしまえば、首回りと肩が合えばあとは生地の良し悪しでだいたいの着心地が決まってくるのかなと。
手縫いだから良い、マシンメイドだからダメということはないと思っています。実際に手縫いのシャツも所有していますが、手縫いだから着心地がいいと感じたことはありません。

手縫いだから高いシャツということはありますが、マシンメイドだから安いシャツということはありません。手縫いかマシンメイドかというのはシャツの雰囲気の部分だと思っています。

以上を前提としてご覧ください。

AkamineRoyalLine(アカミネロイヤルライン)

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着心地:◎
仕立て:〇
独自性:◎
コスパ:△

恩師である赤峰幸生氏のブランドであるアカミネロイヤルライン。
スーツだけでなく、シャツのクオリティも非常に高いです。
マシンメイドですが縫製はとても丁寧で、ボタンも当然貝ボタンです。
ここまでは他のブランドでも良くあるのですが、ここのシャツの肝はシルエットです。

袖のボタンを留めたときに出来るパフジング。
裾をトラウザーズに入れたときに出来るブラウジング。
そして襟の長さ。
赤峰幸生氏の「シャツとはこうあるべき」というこだわりが詰め込まれています。

価格は生地によりますが筆者はSpence Bryson(スペンス・ブライソン)のアイリッシュリネンで33,000円でした。
近年オーダーシャツも価格が下がっていることから、コスパが良いとはいえないものの、着心地やクオリティは素晴らしく、また他にはないシャツを仕立てられるのでその価値は十二分にあると考えています。

RING JACKET Napoli(リングヂャケット)

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着心地:◎(オーダー・既成ともに)
仕立て:◎(オーダー・既成ともに)
独自性:◎(オーダー・既成ともに)
コスパ:×(既成のセールなら△or〇)

日本が世界に誇るスーツブランドであるリングヂャケット。
そのリングヂャケットの日本企画・ナポリ製造がリングヂャケットナポリとなっております。
リングヂャケットナポリの特徴はなんといっても「手縫い」へのこだわり。
既成のシャツで9工程、オーダーしたときは12工程がハンドメイドでした。

着心地は素晴らしいですが、既成でもオーダーでも違いはわかりませんでした。
とにかくこだわって仕立てられていますが、ナポリならではの「適当さ加減」も感じられます。ハンドの割合が大きいのでブレ幅があり、そこを味と取れるかは大きなポイントですね。
もちろんリングヂャケットで検品をしているので、そこまで大きなブレはありませんが。
また海外ブランドのシャツと比べて日本人向けに作られているので、そこの安心感は大きいと感じました。

シルエットは特に袖に特徴があります。
台形のカフになっていて手首でピタッと止まるようになっています。パフジングが綺麗に出るのが特徴です。
また上で申し上げた通り、手縫いならではの柔らかい雰囲気を前面に出したシャツとなっています。

ただ残念ながらコスパが良いとは言えず、既成で4万円弱、オーダーで5万円程度となります。
ただし既成のシャツをセールで購入する場合はかなりお得感があると思われます。

Brooks Brothers(ブルックスブラザーズ)

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着心地:〇
仕立て:〇
独自性:◎
コスパ:△(セールなら◎)

筆者が所有しているシャツで最も多いのがブルックスブラザーズ。
着心地も良く、コットン100%でノンアイロン、耐久性も高く5年は優に着られます。
ただ残念ながら近年はコットン100%ではなく、ストレッチ生地になってしまいました。
筆者はストレッチ生地には否定的なため、ストレッチ生地になって以降は購入していません。
そのため今回の評価はコットン100%の生地に限定したものと思ってください。

まず着心地がとても良いです。シルエットやサイズが細かく分かれているので、自分に合うサイズを探しやすいのがいいですね。
仕立てはマシンメイドですが、オックスフォードを中心に耐久性の高い生地が多く、実用性がとても高いシャツとなっております。
独自性という意味ではボタンダウンの生みの親と言われ、厚みのあるオックスフォードシャツはブルックスブラザーズならでは。
コスパは通常価格だと良いとはいえませんが、セールになると60%オフで買えることがあり、その場合はユニクロを超える究極のコスパシャツとなります。

ちなみにオーダーもありますが、そちらは全くおすすめしません。
オーダーとは名ばかりで実態は既成のシャツの生地やディティールを選べるだけというもの。
ただし欲しいシャツのイメージは固まっているけど売ってない、というときに作るのはありです。

伊勢丹

着心地:〇
仕立て:〇
独自性:〇(襟型がとにかく豊富)
コスパ:×(セールなら△)

伊勢丹のパターンオーダーシャツ。
過去に5枚ほどオーダーしたことがありますが、残念ながら現在は所有していません。
生地も豊富ですが特に襟型が豊富で、ここまで襟型を選べるのは珍しいと思います。
オプションも組み合わせるとディティールがとても豊富で、オーダーの楽しみは十分に味わえます。

かなりタイトなフィッティングだったので、そこはお好みですが注意した方が良いかもしれません。
仕立てはマシンメイドですがかなりクオリティは高かったと記憶しています。
シルエットに独自性はありませんが、とにかく襟型が豊富なのが特徴です。細かくこだわると自分好みの一着を仕立てられます。

ただ残念ながら筆者が近年オーダーしないのはコスパが悪いからです。
ポリエステル混紡の生地で10,000円程度、セールならもっと安くなりますがそれでも高いですよね。
良い生地を選ぶとさらに値段が上がりますし、オプションも付けていくとかなり高額になります。そのため近年ではオーダーシャツが手軽になったこともあって足が遠のきました。

軽井沢シャツ

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着心地:〇
仕立て:〇
独自性:△
コスパ:△

インターネットでオーダー出来るパターンオーダーシャツ。
ある程度自分のシャツのサイズを知っていることが前提ですが、十分な着心地が得られるシャツです。
ただ襟型や生地の選択肢は伊勢丹より少なく、特に襟型はかなり少ないです。
仕立てはマシンメイドですが、長野の自社工場で仕立てているようで縫製はしっかりとしています。

おまかせオーダー(5,500円~)、おこのみオーダー(6,500円~)の2種類がありますが、おまかせオーダーだと胸ポケットがデフォルトで付いてしまいます。ドレスシャツとしては気になるとことです。

おこのみオーダーの方が襟型を含むディティールの幅が広いので、ドレスシャツを仕立てたい場合はおこのみオーダーがおすすめ。
コスパは上記の価格+生地代となっていて、合計金額にするとやや高い感がありますがクーポン等を利用するとお得にオーダー出来ます。

鎌倉シャツ

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着心地:〇
仕立て:〇
独自性:〇
コスパ:〇

店舗数も多く、とても有名なシャツブランドですよね。
コスパも含めてとてもバランスが良い印象です。
国内縫製のシャツや、イタリア製の手縫いシャツもかなり価格を抑えて販売しています。
日本人向けに仕立てられているので着心地も良いですし、仕立てもしっかりしたシャツです。

ただ残念なのは店員さんのフィッティング技術といいますか、ワンサイズ小さいものを進めてくることが多い印象です。
店員さんそれぞれの違いや趣味もあると思いますが、試着して肩回りや首回りに違和感が少しでもあるようなら違うサイズにした方がいいと思います。

襟型やシルエットに独自性はあまり感じませんが、イタリア製があったり日本の染色技術を使ったシャツがあったりととにかく種類が豊富です。
クオリティに対してコストも抑えられており、万人におすすめしやすいシャツだと思います。

KEI(ケイ)

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着心地:△
仕立て:〇
独自性:△
コスパ:〇

お仕事の依頼をいただいてシャツをオーダーしました。
オート採寸という「身長・体重・生年」を入れると自動で採寸されるという面白いオーダーの仕方がありますが、これがなかなか良い結果となりました。
採寸結果を自分で調整することも出来るので一度試して見るのも面白いと思います。

着心地は△となっていますが、これは肩回りに僅かに違和感があるといった感じです。筆者がいかり肩なのでそのせいかと思われます。
仕立てはベトナム製ですが、日本製と比較してレベルが低いことはあまり感じません。ミシンの縫い目を本当に細かく見ると違いはあるのでが、気になるほどではありません。

コスパはとても良く、4,980円からオーダー出来るのは凄いと思います。ただ残念ながら生地のバリエーションが少ない。そこが本当に残念なところ。

UNIQLO

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着心地:△
仕立て:〇
独自性:△
コスパ:◎

みんな大好きユニクロですがシャツも秀逸です。
コットン100%でノンアイロンという機能性とアンダー3,000円という価格。
シルエットは筆者の好みではありませんが、着心地も十分だしデイリーユースで使えるシャツとしてはとても良いと思います。

あとレギュラーカラーのシャツが常にあるのも地味にポイントが高い。
近年ではノータイが定着したこともあって、シャツ屋でもレギュラーカラーを置いていないなんてことがあります。

服にあまり興味がないという方はユニクロ。これはシャツも同じですね。
このクオリティのシャツをこの価格で販売出来るのはユニクロだけでしょう。

Maria Santangelo(マリアサンタンジェロ)

着心地:×
仕立て:◎
独自性:〇
コスパ:×

イタリアへの憧れが強いころにドレスシャツ1枚、カジュアルシャツ1枚の計2枚購入しました。
今調べるとどちらも極一部が手縫いのモデルだったようで、柔らかい雰囲気のシャツでした。
当時は手縫いかどうかは気にせずにブランドで購入しました。某YouTubeチャンネルで紹介されていたので。

ただ残念ながら着心地は期待していたほどではなく、特に肩回りに違和感があるものでした。
これは筆者がいかり肩だからということが主な原因だと思います。

仕立てはとても良かったと記憶しています。ミシンも美しかったしどこか柔らかい雰囲気があって好きでした。
ただ残念ながらコスパが悪いですね。セールでも2万円台半ばだったような記憶があります。

筆者はこのシャツで懲りてイタリアブランドのシャツを買わなくなりましたが、やっぱりカッコいいと思わせられる何かがあるんですよね。
その結果、日本企画のリングヂャケットナポリを購入するようになったわけですが。

SOLVE(ソルブ)

着心地:〇
仕立て:〇
独自性:〇
コスパ:◎

お仕事の依頼で出会ったシャツ。これまでに2着オーダーしました。
コットン100%のノンアイロンシャツがあり、これがとても良いと感じました。ブルックスブラザーズがほとんどストレッチ生地になってしまったことを考えると、今一番おすすめのノンアイロンシャツです。

とにかく全てにおいてバランスがいい。
着心地も文句ないし、仕立てが悪いということもありません。選べる襟型も多く、カスタマイズ性も高い。
ご時世柄、最近値上がりして8,500円~となっておりますが、それでもコスパは◎です。値上がりと同時に、安い生地のシャツでも白蝶貝等のボタンが無料で選べるようになりました。(昔はオプションでも選べなかった)

強いていえばレギュラーカラーは2種類(ショート、ミドル)がありますが、ロングポイントがありません。これだけは少し残念。
他は本当に文句がない。シャツとして必要十分なものだと思います。

南シャツ

着心地:◎
仕立て:〇 or ◎
独自性:◎
コスパ:◎

人生初のビスポークシャツ。
南シャツではマシンメイド、ハンドメイド、フルハンドが選べますが、マシンメイドでお願いしました。フルハンドは南さんが全行程を手縫いでやるので20万とかになるようです。

南さんが「ビスポークは憧れにしてはいけない」という考えからか、マシンメイドのビスポークが2万円台で出来ます。筆者は選んだ「DAVID & JOHN ANDERSON」の生地が高額だったため、3万8千円くらいでしたが、それでも生地を考えればだいぶ安いでしょう。
ビスポークシャツとしてのコスパは破格です。

着心地は生地の良さもあってか最高に良い。肩回りが一番楽なシャツです。仕立てはマシンメイドではありますが、同じマシンメイドのシャツと比べると頭一つ抜けて良いと思います。

独自性についてもギャザー、ダーツを駆使して体型を美しく見せてくれるシャツだと思います。もちろんビスポークシャツなのでギャザー、ダーツなしも可能。筆者はお任せしたところそうなりました。ここは考え方ですね。AkamineRoyalLineのようにドレスシャツにそれはありえない、という考えももちろん正しい。

筆者も今度はギャザー、ダーツなしでオーダーしようと考えています。

最後に。

本記事はいかがだったでしょうか。

今回は全11ブランドを実名で評価してみました。
前回のスーツ編と同様、全て正直ベースで書いていますがこれはあくまで筆者の感覚です。
筆者が着心地×であっても、体型が違う読者の方には◎かもしれません。
日本人でもなで肩、いかり肩で全然違いますからね。

また前回のスーツと比較すると評価の差は小さいと思ってください。
◎と〇で大きな差があるということはなく、その差はかなり小さいです。〇と△も同様です。
個人的にシャツはジャケットと比べて着心地の差が小さいと感じています。
もちろんシャツのパターンが合う合わないはありますが、肩がガチガチに固められるようなことはなく、もしあるとするならサイズがあっていないと思われます。
今回着心地に×が付いたマリアサンタンジェロにしろ、違和感があっても意識しなければあまり気にならない程度です。
またジャケットと違い、シャツは直接肌に触れるため生地の良し悪しで着心地が変わってきます。
コットン100%のような天然繊維のシャツを極力選ぶことをおすすめします。

今回ご紹介したシャツでどこが一番おすすめなのか?
個人的に一押しなのは「南シャツ」と「SOLVE」になります。
「南シャツ」はビスポークシャツとしてのクオリティとコスパのバランスが良いこと、「SOLVE」はシャツとして価格も含めてバランスが良い。
良いシャツが欲しいなら「南シャツ」、そこそこ良いシャツが欲しいなら「SOLVE」。

「RING JACKET Napoli」「AkamineRoyalLine」もそれぞれスタイルがあって良いシャツですが、どちらもコスパが高いとはちょっと言い難い。
「鎌倉シャツ」はコスパも含めてバランスが良いのですが、どちらか1つと言われたら「SOLVE」がおすすめ。
コスパの一点だけ見るなら「UNIQLO」だって捨てたもんじゃありません。

最終的にはやはり予算によるのかなと。
ビスポークシャツを経験したいなら「南シャツ」。
予算があってそのスタイルのあるシャツが欲しいなら「RING JACKET Napoli」や「AkamineRoyalLine」。
コスパが優れたシャツを複数枚欲しいなら「SOLVE」。次点で「鎌倉シャツ」や「UNIQLO」。
あとはアメトラなシャツなら「Brooks Brothers」ですね。セールだとたまに破格なお値段になるのでセールで狙うのもおすすめ。

本記事は2023/1末現在での評価です。
今後新しいブランドのシャツを手にしたらまた更新していきます。
いずれは評価の高い「LES LESTON(レスレストン)」や海外ブランドだと「Charvet(シャルベ)」にもチャレンジしてみたいと思います。
果たしてどこまで違いがあるのか。興味が尽きません。

本記事がシャツ選びの参考になれば幸いです。

今回は以上です。ありがとうございました。

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