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住み慣れた町を離れる決意

前回の記事で高級住宅地とは名ばかりの、ロンドンのおんぼろ住宅事情を吐露したのですが、ある日突然、お風呂場のシャワーが壊れてしまい、水もお湯も出なくなってしまいました。

これまでの幾度となく続く故障の度に、日系不動産屋さんを介して、修理業者を手配していただいていたのですが、すぐには修理に来てもらえなかったり(一週間後になったり、約束の日時に来なかったり、、、)、ネジをちょっと締めるだけの作業に出張代と称して数100ポンド(数万円)取られたり、と全く信用ができません。仕方なく自分で修理を試みていたのですが、治しても治してもまた同じところが壊れるので、諦めてバスタブにお湯をためる蛇口でキッチンからボウルを持ってきて修行僧のように髪の毛を洗っている自分の姿に、何とも言えない虚しさを感じ、2か月以内に引っ越しをすると決意しました。


効率的な物件探し

前回の学びとして、日系の不動産屋さんはあまり良い物件を保有していないのではないかと仮説を立て、日系不動産屋さんのサイトを利用しつつも、別のルートでの物件探しを並行して開始しました。

その際、私が使ったツールはZooplaという物件探しサービスです。Find your dream home with Zoopla!(ズープラで理想の家をさがそう!)という広告をたまたま地下鉄構内で見たのがきっかけでしたが、大正解で理想の部屋を低予算で手に入れることができました。

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200件以上の物件を見て気付いた不都合な事実


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Zooplaを使ってよかったことは、様々な不動産仲介業者が保有する物件を横断検索ができるため、圧倒的に物件数が多いことでした。当時住んでいた、St. John's Wood界隈だけでも200件以上の空き物件があり、その全てをソファーで寝ころびながら比較・検討することができました。PCで使えるWebサイトとiOS/Android両方で使えるモバイルアプリも用意されています。

ある日、Zooplaを眺めているとどこかで見た事のある物件を発見しました。独特のタイル張りのキッチンの写真を比較してみたら、日系の不動産屋さんのWebサイトでみた物件と同じ物件をZoopla上で現地系の別不動産屋さんが取り扱っているという確信を持ちました。しかも、なんと日系の不動産屋さんで掲載されているより260ポンド(約39,000円)ほど安い価格で全く同じ物件が掲載されているという不都合な事実を発見してしまったのです。

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大家さんが複数の不動産会社に仲介を依頼しているのは間違いないようですが、さらに日系の不動産屋さんでは駐在員の住宅補助の金額に合わせた値付けがされたのです。なんと不都合な事実なのでしょう。。

住み慣れた町を離れる決意

こどもが通いなれた学校と仲良くなったおともだちがいるという理由で、2週間ほど時間をかけて、St. John's Wood界隈の200物件をすべて見たのですが、私たちが希望する物件は残念ながらありませんでした。

せっかく苦労して学校にも慣れ、毎日おともだちと楽しく暮らしているのに、ほんの6か月だったけど、住み慣れた町を離れるのにはかなりの覚悟が必要でしたが、それでも自分たちの理想とする生活を手に入れるため別のエリアで住居を探すことにしました。

その時の私の頭の中の優先順位は

1.こどもをバイリンガルにする素養を作る。

私は田舎育ちで英語環境とは程遠く、初めての英語との出会いは先生が持ってきたどでかいカセットデッキから流れる無機質なHello. My name is Ken. Nice to meet you.でした。運よく新卒から10年ほど外資系のIT企業で働いていたのですが、語学力が就職とその後のパフォーマンスやキャリアアップに大きく影響をすることを痛いほど感じていました。

当時、こどもが通っていた学校は日本人のご子息ご令嬢が多く通う現地校で、クラスの3分の1が日本人でした。全く英語が話せない中で学校になじむにはもってこいの場所でしたが、どうしても、おともだちとは日本語で話してしまうため限られた駐在期間中にバイリンガルになるには不向きだと判断しました。

2.築浅の物件で、できればプールがついていて、おしゃれなカフェやお店が隣接していて、、、とにかく、おしゃれな暮らしがしたいんだ!

実は奥様会のネットワークで、セントラルロンドンにも新しくタワーマンションがいくつか建っているという情報を得ていました。また、新しく赴任をした会社の方がBattersea Parkというエリアに住んでいるという話を聞いていたので、自分たちの予算内でも住めるのでは?と思い、Battersea Parkと隣接するNine Elmesエリアで検索をしてみることにしました。

すると、そこには真新しいピカピカの建物におしゃれなモダンな家具が取り揃えられ、手入れがされた美しい共有の庭と住人たちが使えるジム、プール、シネマ、会議室、スタディルーム、パーティルームといった至れり尽くせりの共用施設を保有する物件が手に入る予算内の低価格で掲載されていたのです。イメージとしては六本木ヒルズのレジデンスとかミッドタウンのレジデンスとかそういった印象です。

唯一の難点としては、日本人がほとんど住んでいないエリアで治安とおともだちとの交際が心配でしたが、住み始めて3か月もする頃には慣れていました。

私が理想の暮らしを手に入れるために捨てた100の事、

その2 日本人が多く住む、住み慣れた町

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