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ハードウェアの知識(CPUの世代とグレード)

おはようございます。またはこんにちは。もしくはこんばんわ。マゲっちSCと申します。ブログを書いている時間帯は5月25日の午前9時過ぎです。早いもので先日GWが終わったかと思ったのですがもう月末ですね。明日26日はスーパームーン。且つ皆既月食という天体イベントがありますね。スーパームーンと皆既月食の組み合わせはなんと5年ぶりだそうです。5年前は日本では観測ができませんでした。食の始まりは18時45分頃。地域によっては太陽が沈み切る前から徐々に月が欠け始めます。皆既食の始まりは20時9分頃の予定とのことで、皆既月食を楽しめるまでに夕食やお風呂なども終わらせることができるのではないでしょうか?なお今回のタイミングを見失うと次回日本で見られるのは12年後の2033年となります。

さて、今回のブログはCPUの世代とグレードについてお話させていただきます。前回Corei7やRyzen7などのCPU名・コア数・スレッド数・クロック数・最大クロック数について簡単に触れました。ご理解はいただけたでしょうか?ざっくりとしたイメージがつかめていらっしゃるならそれで問題ありません。なお、前回お話しなかったのですが、コア数とスレッド数はまとめて表現することが多いです。具体的には4コア8スレッドや10コア20スレッドのように表記します。前回の知識で話をすると4コア8スレッドの意味はCPUには物理的なコアが4つ存在していて、分身の術を使って8コアのCPUと同じ動きをします。という意味になります。10コア20スレッドも同じですね。コア数を2倍した数がスレッド数になります。厳密にはいろいろありますがざっくりした感じで覚えていただいて大丈夫です。なお、CPUは今回は私もよく使用するintel社のCPUを例として使わせていただきますが、APUでも若干読み方が違うだけで大体の意味は一緒なので覚えておいて損はありません。

では続いて、前回の最後に「Corei7 3700 4.2GHz」と「Corei7 8750 3.0GHz」ではどちらが優秀なのかという架空のCPUでクイズを出させていただいたわけですが、どちらだと思いますか?前回の知識をもとに答えるなら「Corei7 3700 4.2GHz」のほうが優秀であると答える方が多いかと思います。なぜなら、前回クロック数が大きいほうが優秀であるということを学習されたからです。しかしながら答えとしては間違いです。え?なぜ?クロック数が大きいのは「Corei7 3700」でしょう?と思われたかと思います。前回の私の知識はウソだったのか?と思われた方も多いでしょう。

クロック数の大きいほうが優秀なCPUになるのはウソではありません。もう一度CPUを比較してみましょう。「Corei7 3700 4.2GHz」と「Corei7 8750 3.0GHz」。さてまたクイズです。CPU名はどれでしょうか?CPUの名称はこの例の場合で言えば「Corei7」です。ではその隣りにある3700とか8750というのは何でしょう?厳密に言えばこれもCPU名になります。Corei7というCPUは発売からすでに13年が経っています。しかし名称としてはずっとcorei7という名前が使われています。では隣りにある数字「3700」の意味ですが、この千の位の値、つまり「3」ですね。この数字は何かというと、これが世代に当たります。つまりCorei7の3700というのはCorei7の第3世代目のCPUということです。

Corei7の「7」ですが、これが今回のねたになるCPUのグレードです。このCPUのグレードの数値が大きいほど高性能なCPUであるという意味になります。現在intel社のCPUシリーズに付いている数値は「3」「5」「7」「9」の4種類です。それぞれ「Corei3」「Corei5」「Corei7]「Corei9」というCPU名とグレードの組み合わせになっています。「3」が一番性能が低く、「9」が一番性能が高いです。ちなみに「3」よりも性能が低いCPUもありますが、店頭で見かけることは現在ほぼありません。たまに「Celeron」というCPUを搭載したモデルもありますが、見かけることはほとんどないと思います。価格は安いのですがビジネス系のソフトでもおそらく動作が重たいなと感じるようなレベルであると思います。PCをもし買われる場合は現在は最低でも「Corei3」のCPUを選ぶようにした方がいいかと思います。それ以下のグレードでは不満が出るはずです。

ではかなり遠回りをしましたが「Corei7 3700 4.2GHz」と「Corei7 8750 3.0GHz」ではどちらが優秀かというお話に戻します。前回までの知識であれば明らかに優秀なのは「Corei7 3700 4.2GHz」というお話になりそうですが、今回の世代とグレードを加味して改めて考えます。「Corei7 3700」というのはCorei7の3世代目という意味でした。では、「Corei7 8750」はいかがでしょう?もう意味はわかると思います。Corei7の8世代目のCPUですね。同じCorei7ですが世代は3世代目と8世代目。当然あとの世代の方が最新の技術が使われているため、同じCorei7でも能力は明らかに8世代目のほうが上です。どういうふうに能力が違うのかということですが、文字だけではつかみづらいと思いますので、こう考えてみてください。これはあくまでも概念的なものですが「3世代目は最大3ケタの計算を行うことができる」そして「8世代目は最大8ケタの計算を行うことができる」。このように考えてみてください。3ケタまでしか計算できないCPUと8ケタまで計算できるCPUでは明らかに処理能力に差があります。

つまり世代があとになればなるほどCPUは最新の技術が使用されるためクロック数が低くても後の世代の方が優秀ということになります。ではなぜクロック数を落としているのか?という疑問が湧くと思います。お答えさせていただくと、CPUという部品は計算するときに非常に熱を発する装置です。現在のコンピュータの計算する内容を簡単に挙げると、OSの計算、OS上で動くソフト(ワープロや表計算ソフト、ゲームなど)の計算、マウスカーソルの座標情報、キーボードからの入力信号に応じた文字記号・数字・特殊記号の表示、ウィルス対策ソフトの計算、インターネット上から得られる情報の計算などです。CPUは電源が入っている間はずっと何らかの計算をし続けています。ゲーム機の場合も現在はネットワークに対応していたり、ゲームソフトもHDDやSSDなどに記録したり、コントローラーはもちろんキーボードやマウスも使用する場合があるため、ゲーム機がそれらを認識するためのシステムソフト(OS)が入っています。PCと比較すると計算量は少ないものの現在の家庭用ゲーム機は一昔前のものと比較するとその計算量は膨大です。

そんな状況でクロック数や最大クロック数を維持もしくは上昇させてしまうと、ただでさえ計算量が増えているのにも関わらず計算スピードを挙げることになり、結果として発熱量がとんでもないことになります。これが例えばデスクトップ型のPCであれば、筐体も大きいものを用意すれば熱対策はなんとかなるかも知れませんが、スリムタイプ(細身のデスクトップ型PC)はもちろん、ノートPCにそんなCPUを搭載すればあっという間にPCそのものが熱くなり、他の部品にも悪影響を与えます。結果としてPCそのものの寿命を縮めることにつながるため。CPUメーカーは世代を上げると基本的にクロック数と最大クロック数を引き下げて、発熱量を抑えるわけです。ちなみにどのくらいの発熱量かと言うと、冬の暖房をしないマンションの一室程度なら弱い暖房を入れているくらいの感覚になるくらいには気温が上昇します。

発熱量もCPUのグレードが上がるとその分上昇しやすくなります。「Corei3」と「Corei9」であればクロック数や最大クロック数の数値を比較するまでもなく「Corei9」のほうが優秀なので熱くなりやすい傾向にあります。では各グレードで何ができるのか簡単に説明します。

「3」のグレードはエントリーモデルと呼ばれており、いわゆるPC初心者向けのグレードになります。クロック周波数・クロック周波数・世代の数値によってはビジネス目的でも使用はできますが、基本的にはコンピュータ学習用やインターネットでのウェブサイト閲覧・メール・SNS利用・動画の視聴などが主な目的になります。

「5」のグレードになると上記の内容にプラスしてビジネス目的でもストレスなく作業できるものになります。ワープロやプレゼンテーション資料作成などはもちろんのこと、表計算ソフトによるグラフ(平面・立体両方とも)の作成はもちろんのこと少しならアニメーションでグラフを動かす(例えば なにもないグラフエリアに棒グラフが下からニョキニョキと生えるような演出の)ようなことをしても、ストレスなく動くと予想されます。予想されるというのは、コンピュータを形成する部品はCPU以外にもいろいろなものがあり、それらとの兼ね合いがあるためです。現在はCPUをメインにお話しているので他の部品は度外視しています。また、クロック数、最大クロック数、世代によっては3DのCGを使ったゲームも遊べる可能性があります。

「7」になると上記の学習・ビジネス目的にプラスしてゲームにも完全対応になります。リアルな3DのCGを使ったゲームでも難なく動かすことができ、今流行りのオンラインゲームも問題なく動くレベルのPCに搭載されています。「5」のグレードでも一応大丈夫なのですが、このグレードなると音声も5.1chサラウンドが普通に再現できるレベルになるため、スピーカーを5.1chのものに変えるとゲームが対応していればより臨場感のあるゲーム体験が可能になります。

「9」のグレードになるともう何でもできると言っても過言ではないレベルになります。例えばビジネスで表計算を使ってグラフを複数作りつつ、インターネットに接続して動画サイトにアクセスし、動画をBGM代わりに流してもこのグレードのコンピュータにはほぼ負荷にならないため、ストレスのない動作が期待できます。ゲームに関してもどのジャンルのゲームに対してもストレスなく動作し、満足の行くコンピュータライフを送ることが可能になります。

まとめると世代が後の世代でありつつ「Corei9」グレードのCPUでクロック数、最大クロック数が高いものほど、使っていてストレスを感じることなく使用できることになりますが、それでは経済的に金額がとんでもなく高価になってしまいます。どなたも貯金額には限度があるはずで、金は捨てるほどあるという方以外はそうそう簡単に高性能なコンピュータを入手することはできません。加えて世代とグレードとクロック数、最大クロック数をすべて考慮して考えるとなるど、すべてのCPUの情報を予めどこかで入手しておく必要がありますが、たとえすべてのCPUの性能に関する情報を入手できたとしても、比較することは困難を極めます。私もコンピュータに関する知識はある方ですが、CPU同士を比較する際にすべての情報を考慮して選ぶのは事実上不可能です。CPUの種類はintel社だけでも相当な数があり、それに競合しているAMD社のものも含めるととても記憶可能な量ではありません。

ではどう比較すればいいのかと言うことになりますが、今はネット上に非常に便利なサイトがあります。intel社製でもAMD社製でも関係なく、CPUの総合力を数値として出してくれるサイトがあるのです。今の時代ほとんどの方の手元にはPCなりゲーム機なりスマホなり、インターネットにつなげられるデバイス(装置)があるはずです。そレラを使って適当な検索サイトに接続し、検索ワードとして「Corei7 7700K passmark」と入力して検索すると、検索上位にpassmark(パスマーク。英語でもカタカナでも大丈夫です)というサイト内で「Corei7 7700K」に関する情報へのリンクが出てきます。そこのサイトへアクセスし、画面右側に表示されるスコアを確認してください。ちなみに「Corei7 7700K」は私が使っているPCに搭載されているCPUです。私の使っているCPUの平均スコアは「9704」ポイントです。passmarkには架空のCPU名ではなく実在するCPU名を入力しないと結果が出てきません。

では、比較対象として「Corei5 10400」という第10世代ではありますが1つ下のグレードにあたるCPUの平均スコアをpassmarkで検索してみます。すると「12426」ポイントでした。ちなみに「Corei7 7700K」のクロック数(クロック速度)は4.2GHzです。「Corei5 10400」のクロック数は2.90GHzです。クロック数だけで見れば明らかに私の使っているCPUの方が上なのですが、比較対象にした「Corei5 10400」は第10世代のCPUです。グレードの差はあれども、7ケタまでしか計算できないCPUと10ケタも計算できるCPUではクロック数、最大クロック数が下でも能力は上になります。そうです。今のCPUは様々な種類が出回っているのでこうして客観的に比較するのはコンピュータの達人でも不可能です。もし皆さんが今PCを持っているとしたら、CPU名とグレードを入力してpassmarkのサイトを見てみてください。そして買い替え対象のPCがあるなら、広告やカタログのCPU名とグレードを入力してpassmarkのサイトを見てみてください。もし今使ってるPCのCPUよりも圧倒的に平均スコアが高ければ買い替えの決定もしやすくなると思います。

CPUに関しては今回で終わりになります。ただ、先程申し上げたとおりコンピュータはCPUのみで構成されているわけではありません。その他の部品との組み合わせによってはCPUの性能をすべて引き出すことができない場合があります。次回はCPUと非常に関係が深い「メモリ」についてお話させていただこうと思っています。それではご興味がありましたらまたお立ち寄りください。失礼いたします。

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