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いりえ営業の記録(オープン、2日目)

10日間もnoteの更新をさぼってしまいました。営業日誌的なこととか、本の紹介とか、書けることはたくさんあるのに…。気楽に書き始めればいいものを、つい力んでしまっていたような気がします。

負い目から、note自体もそんなに開かず…。それなのにこの期間、過去の投稿を読んでリアクションくださる方もちょこちょこいらして。ありがとうございました。

つべこべ言わず、書くことにします! 実はしばらく前に購入して手つかずだったポメラ(書くことに特化したデバイス)もあって、やっとそれを引っ張り出してきたのでした。この文章もお店で、お客さんを待つあいだに書いたものです。

ポメラ

まずはオープンから今までの出来事について、数回に分けて振り返っていきたいと思います。その日なにがあったか、メモはとっていたので。

2月1日(木)晴れ

これはTwitter(X)でも書いたのですが、来店者・第0号は母でした。私の実家は北海道。わが子の奮闘をはるばるチェックしにきた…のではなく、母の親戚に不幸があったのでお葬式に参加するため上京してきたついでに顔を出してくれたのでした。

一緒にお弁当を食べてお喋りしたあと、まだ時間があったので「少し読書でもしていったら」と勧めたのは『ツユクサナツコの一生』。母が来ると聞いてから、なんとなくこの本を読んでほしいなと思っていたんですよね。

コロナ禍を過ごす主人公ナツコの日常を描いた漫画。ナツコ自身もドーナツ店でバイトしながら漫画を描いています。その日その日あった出来事を反映しつつも現実では思い至らなかったこと、消化できなかったことを、漫画に描き起こして初めて発見・言語化する。

その繰り返しを追う中でだんだんと周囲の人との素朴な関係性も見えてきて、基本は軽くて穏やかなトーンなのに、不意にぐっと涙が出てくる瞬間があります。それをなぜ母に読んで欲しかったか。

これまでずっと目の前の仕事に忙殺され、その中でさまざまな喪失や寂しさや悲しみを経験してきた母、でもそれを癒やしたり向き合う時間と心のゆとりがなかった母に、いろんな本を読むことで、間接的に悲しみを癒したり、見つめることができるんだよということを伝えたかったのではないかな自分は。

私の言葉だけではそれをうまく伝えることができず、でも母を励ましたいという気持ちはこの数年間ずっとあって、やっと少し自分の時間ができた母に、改めてそれを伝えたかった。その媒体として、『ツユクサナツコの一生』はなんだかとてもしっくりきたのです。

さっぱりしているけれど、大切な言葉はしっかりと質量と実感を込めて書かれている。母の過去に直接アプローチするものではなくても、遠回りしていつか何かの瞬間に重なるのではないかと思って。

合間合間にあははと笑い声を立てながら、楽しそうに、でもじっくりと読んでいる姿を見て、押しつけにはならなかったよなと安心したのでした。

***

さて、母以外にも来店がありました。「本屋の本を売る本屋」というユニークな活動をされているごーすと書房さん。書房つながりの機械書房さんきっかけでご縁ができました。

値段は税込です。背表紙に表示しており明朗!

そしてこちらの2冊をご購入。右側の本、副題は「リベラルアーツで未来をひらく」。リベラルアーツとは「自由に生きるための知性」「教養」「総合知」のこと(本書より)。

障害、人種や属性による差別、SNSのつながり、ジェンダー、政治…。答えのない問いやモヤモヤに「『知性』を通して形を与えるてがかりを提供」してくれる1冊です。

2月2日(金)曇り

オープンから2日目。あまりこういうことを書くのは良くないのかな?と思いつつ…この日はさっそく(?)お客さんがゼロでした。お店がビルの3階にあり路面店ではないので、今のところ集客手段は知り合いに来てもらうかSNSしかありません。まだまだ認知度が低い。

ということで、Twitterでお店のことをこまめに発信。過去のnoteで書いたマトリョーシカ作りも進めようと、そちらの作業に全振りしていました。

下書きはすべて完成!

…オープン初日と2日目の振り返りだけでまあまあな長さになってしまったので続きはまた明日。日にちが追いつくまではコンスタントに更新していけそうです。

間借りで本屋をやることになった経緯について、未読の方は以下のnoteを。

神保町駅から徒歩約5分、ビルの3階にあるハリ書房さんの店舗内で間借りしています。どうぞお気軽にお越しください!

営業時間:12:00~18:30
定休日:木・日
説明:古本と新刊のお店です
コンセプト:ひと休み/交じり合う/外へ
住所神田神保町3−10-31 宝栄ビル 302号室 ハリ書房内

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