まがり書房

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連載「プルーストを読む生活」を読む生活⑦

”Seems the wisdom of man hasn't get much wiser Than the very beginning of the time" Stevie Wonder "Feeding Off the Love of the Land"  2017年に亡くなったナット・ヘントフの2004年の著作「消えゆく自由」("The War on the Bill of

    • 子どもはわかってくれない(んだったら、大人もわかってあげない)。

       最初に断っておくと、今から述べることは楽曲そのものに対する意見ではありません。これはあくまで「楽曲についての考察」に対する意見ですので、くれぐれも誤解の無いよう。 「うっせぇわ」を聞いた30代以上が犯している、致命的な「勘違い」を読んだ。文章の読みにくさについてはさておく。私はこのコラムにある違和感を感じた。(全文は以下のリンク参照のこと) 「ちっちゃな頃から優等生」。Aメロはこう始まる。そのあとには「ナイフの様な思考回路」とある。そう、ご明察の通り。1983年リリース

      • 連載「プルーストを読む生活」を読む生活⑥

        2021.3.4  先日、旦那に刺身をパックのまま出す妻と、お刺身はパックからちゃんとお皿に移してほしい旦那についてのネットニュースをみた。  そのことで真っ先に思い出した小説と映画がある。  結婚とは文化であります。  先日サッカーを見ていたら、アフリカの選手がゴールを決めた時変な踊りをしました。  あの踊りは我々にはよくわからいが彼らには重要な意味がある。  文化とはそういう風に国や民族に生じる固有のものですが、もっと言えば都道府県や町、地域ごとに文化は生じます。  

        • 連載「プルーストを読む生活」を読む生活⑤

          2021.2.28  note が今日は「自由にお書きください」と言ってきた。  なんだ今日は何だか他人行儀じゃないか。  日記というものは大体その日に起こったことが書かれるし、その日に起こったことというのは、その日を含む何日か、何週間か、あるいは何か月間か以内に起こったことの影響を受ける。  だからこそある事柄について考える場合も、時事的な視点に引っ張られてしまう。引っ張られもいいけど、引っ張られているときは引っ張られている自覚を持ちながら考えるようにしたい。  新しい

        連載「プルーストを読む生活」を読む生活⑦

          連載「プルーストを読む生活」を読む生活④

          2021.02.27  こないだのやつに、日付を入れるのを忘れた。  「馬馬虎虎」(まーまーふーふー)。  だいぶ前に開高健の本かなにかでこの言葉に出会ったな。  馬のようにも見えるし、虎のようにも見える。意味は確か「なんだかよくわからない」だったような気がする。出典も意味も、間違ってたらすみません。  うちにくるお客さんと、「文系は何だか虐げられてますよねー」という話題にたまになる。  大学では文系の研究に予算がなかなかつかなかったり、割り当てられるコマがだんだん少なくな

          連載「プルーストを読む生活」を読む生活④

          連載「プルーストを読む生活」を読む生活③

           日曜はママだって休みたい。大昔のマクドナルドのCM。水曜日はまがりだって休みたい。定休日だから。  明けて木曜。  こんにちは。午後も頑張りましょう、と note に活を入れられるが、生憎頑張るつもりは毛頭ない。  『『百年の孤独』を代わりに読む』という本があったのか。  『『百年の孤独』を代わりに読む』も、『百年の孤独』も読んだことがない。豊崎由美の『百年の誤読』ってのもあったな。「誤読」つながりでは斎藤美奈子の『誤読日記』について誰かが「その手があったのか!」と感心し

          連載「プルーストを読む生活」を読む生活③

          連載「プルーストを読む生活」を読む生活②

           2021.2.23  あったあった。『バーナード嬢曰く。』  例の『ジョン・ディクスン・カーを読んだ男』の下りについて確認してみたら、実は『「ジョン・ディクスン・カーを読んだ男」を読んだ男』という作品が存在していて、登場人物の男の子はそれを読みたかったのだけど、ある理由でそれを読むのを全力で止められる。  するとその男の子は「『ジョン・ディクスン・カーを読んだ男を読んだ男』を読んでない男って話書こうかな。」と答える、っていうのが正確な引用なのだけど、人の記憶って曖昧なも

          連載「プルーストを読む生活」を読む生活②

          連載「プルーストを読む生活」を読む生活①

          2021.2.22.  「読んだ本の感想を書いてみませんか?」と note がそそのかすので、書いてみようと思う。  というのはウソで、たぶん感想は書かない。  ただ、本についての話だったり、話じゃなかったり。  連載タイトルはウイリアム・ブリテンの推理小説『ジョン・ディクスン・カーを読んだ男』にちなんでつけた。  いや、正確にはその本が登場するマンガ『バーナード嬢曰く。』にちなんだというべきだ。  『バーナード嬢曰く。』はミーハーな気持ちで読書と向き合う主人公の女子高生と、

          連載「プルーストを読む生活」を読む生活①

          「かっけえ」くない。

          「なんらかの事情」も、「気になる部分」も読んでました。 「ちくま」は、図書館に新しいのが届くたびに読んでた。 出典は忘れたけど、「どうしたら翻訳家になれますか?」との読者からの質問に対して、「それはどうやったら銀行強盗にあえるか」という質問と同じくらい難しい、と岸本氏が答えたのを読んだ時、その言葉の使い方のセンスをかっこいいと思った。 でもね。 例の重鎮の発言が擁護のしようのないものであるのは、もう疑いようがない。 でも、世の中から「アノ人」的なものをなくし、男女平等という

          「かっけえ」くない。

          犬よ犬主とあれよ冬の空

           先日、私の娘が道で迷っている犬を保護し、交番に引き渡すまでの顛末をnoteに記した。(「迷い犬追えば逃げるよ冬の月」)  その後、犬を引き渡した交番に問い合わせをしたところ、犬は無事飼い主のもとに帰ったそうだ。このことはツイッターでもつぶやいて、犬を愛する多くの人々からの「いいね」をいただいた。  今回は、この度の出来事について、私自身が特別に思うところを記してみたいと思う。  私はこれまでに2匹の犬を飼ってきた。  2匹ともクリーム色、オスのフレンチブルドッグだ。  1匹

          犬よ犬主とあれよ冬の空

          迷い犬追えば逃げるよ寒の月

           夕飯も済み、お風呂にも入った。  塾に行った娘が帰ってくる時間だと思い、冷えた夕飯を温めていたところへスマホが鳴った。  娘からだ。  リードをつけていない犬と一緒にいるけど、どうしたら良いか、と聞いてきたので、近くの交番にいくように伝えた。日本の法律で犬は「物」なので、道で拾った犬は拾得物だ。落し物は交番に届けるよう親に言われて育った私が今、同じように自分の子どもに教えている。感慨深い。  娘は意外としっかりしている。この程度の状況なら自分で処理できるだろうと思っていたが

          迷い犬追えば逃げるよ寒の月