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読書記録『あかるい花束』

岡本 真帆

明るく可愛らしい装丁に目を惹かれて手に取った。歌集。

なんだか最近歌集が好きだ。ちょっと疲れている時に丁度良い気がしている。
本は私に寄り添ってくれたり、元気をくれたり、まだ見ぬ世界を教えてくれる。でも、あんまり長い文章を読む気力や時間がない時もある。短編でも乗り気がしない時がある。でもなんかは読みたいんだよな。そんなことがあれば一度歌集を手に取ってみてほしい。全部を頭から読まなくても、ぺらぺらとめくったページにお気に入りが見つかるかもしれない。
歌の良いところをもうひとつ。気に入った歌を丸ごとメモしておける。手帳にも頭の中にも。お守りのように覚えておくことができる。たまに思い出すとちょっと良い気分になれる。

こちらの歌集について。まず装丁がとても好き。少し小ぶりで手に馴染むサイズ。カバーはかわいらしいコーラルだが、見返しや栞は爽やかな色。まさに春の陽気のような明るさである。気分も自然と上向くようだ。
内容もあたたかなものが多かった印象。同時に別れの歌も多くあり、少し感傷的な気分にもなった。恋人の仕草と重なるところがあると特に。

幸福な沈黙そして幸福な頷きあいの真ん中にパフェ

恋人は美味しいものを食べるときらきらした目でこちらを見て頷く。そんな可愛らしい人をいつまでも眺め続けたいものだ。

好きな歌はいろいろあるのだが選べないのでこれひとつだけにしておく。他にも花や犬など日常を切り取った描写が眩しく秀逸だなと思うものがたくさんある。また読み返したい。また、こちらは2作目らしいので1作目も読みたいところ。

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