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あの子の言葉は世界を変える

ある日、生徒と一緒にカナダにいた。

生徒は1週間のホームスティ体験。

私はホテル滞在。

日中はみんなで一緒に観光したりして過ごしてた。

その中にいた、全く言葉を発さないあの子。

海外や異文化は感じるものだから、必ずしも英語を話す時間にする必要はないって思う。

だから「話してみなよ」とか言わなかった。

最終日、カナダ人の先生が私に聞いた。

「あの子はなぜ話さないの?」「なぜいつもみんなの後ろをついていくの?」と。

たどたどしい英語で私は返した。

「もちろん話す勇気を持ってほしいけど、話すことが苦手な子は多いし、空気を読んでみんなに合わせるってことが日本の美徳になるときもあるんだよー」と。

するとカナダ人。

「そんなの間違ってる!!」

え、そんな怒る!!?

カナダ人続ける。

「だってあの子の意見が世界を変えるかもしれないんだぜ!!」

・・・。

大切なことを忘れていた。

意見を言ったり話し合うことは勝ち負けじゃなく、よりよい何かを生み出すためにあるんだってこと。

そして自分はここにいるよっていうサインだったのに。

あの子は声を出せないんじゃない。

出せる空気にできなかったんだ。

あの子が何かを言ったとき。

"世界は変わるかもしれない"

そしてカナダ人先生はあの子のもとへ。

そして何かを必死に伝えていた。

最終日、あの子は笑うようになっていた。

「どうだった?カナダ生活」とあの子に聞いた。

すると一言。

"ここは空気が軽いですね"

私はあなたの周りに浮かぶ軽い空気になりたいです。と切に思った。

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