運動を習慣化して頂く為に
アスリートが運動指導者として活躍する為に必要な学びを提供しているメディアです。
アスリート経験がある人なら、一度はこう思ったことがあるはずです。
「何故この人は運動が続かないのだろうか?」と。
指導対象者の運動が続かないことは、指導者としては大きく分けて二つの点で穏やかではありません。
第一に「反復性の原則」というものがありますから、運動は継続的に実施してナンボだということ。
そして第二に、頻度に差こそあれ、ある程度続けて頂かないと仕事にならない場合があるということです。
つまり指導者にとっても指導対象者にとっても、運動が続かないということは全くいいことではないのです。
そこで今回は運動を習慣化して頂く為に重要な考え方をご紹介します。
無理なことはするな!
人間の身体(或いは頭)と言うのは、急激な変化を嫌います。
これはどんなことに置き換えても言えることだと思います。
余程現状が嫌か明確な目標がなければ、今のままのらりくらり過ごしていたいと思うものです。
これは生理学で言うところのホメオスタシス(生体恒常性)に当てはめても明らかです。
急激な刺激には急激な反応が起こります。
劇的な筋肉痛や、倦怠感、運動への興味の後退などがその例です。
アスリート経験のある人はトレーニングを積んできた期間が長く、しかもトレーニングレベルが高い状態にある可能性が高いわけですが、一般の人はそうではありません。
アスリート経験があるとその一般論を無視しがちで、「これぐらい行けるでしょ?」と悪気なく強度の高いプログラムを提供しがちなのです。
人間は変化を嫌うということを頭に置いておきましょう。
今日も動きたいと思って頂こう
急激な変化を嫌うのが人間の本質であると同時に、「これはなかなか面白いぞ」とか「これはいいじゃないか」と思ったことは続けたいと思うのもまた人間の本質です。
これは現場での経験を積んでいかないとなかなか適切な落としどころを見つけるのは難しいですが、「これはなかなか面白いぞ」とか「これはいいじゃないか」と思って頂ける範囲で終わっておくことが大切なのです。
筋肉痛や疲労感が気持ちいいと感じることもありますが、運動経験が少ない人は「やった感」はあったとしても「痛くてキツイ」とか「しんどい」という感情が優先されるはずです。
そうなると「今日はやめておこう」となって、もしかするとそれが数日続いてしまって、気付いた時には1週間以上なにも運動していないという状況にもなりかねません。
毎日「今日も動きたい」という気持ち、そしてそれが可能な身体の状態を維持することが大切なのです。
現状はどうか?
筋肉痛が来るまでやってナンボ。
追い込んでナンボ。
弱音を吐かずにやり切れ。
これは実に勉強不足な指導者の物言いです。
そうではないのだと言うのが指導者の責務です。
アスリートにしても一般の方にしても、トレーニングは継続出来てナンボです。
ひどい筋肉痛が来るほど追い込んだり、その日のトレーニングをやり切ることを目的としてしまっては、何の為に何をしているのか分かったものではありません。
指導者として運動を習慣化して頂く為にどんなスタンスをとるべきか、今一度考えてみましょう。
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