いぬファン

作詞などをします

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最近の記事

帯状疱疹と七色の入り江

帯状疱疹に罹った。肋骨に沿った神経痛は最初どこかの筋を痛めたかと思っていたが、虫刺されのような腫れが点在し、痛みとリンクしているらしいと気づき、調べた結果からほとんど確信に近い状態で病院に駆け込んだ。 発症3日目での診療となり、そこからちょうど1週間強い痛みがあり、ようやくピークを超えたかというところまで和らいできた。 無理をした日もあるが休めるかぎりで仕事を休み、結果的にゴールデンウィークはほとんど寝て過ごした。 30代後半に入ってからみごとに不調が続発している。あまり丈夫

    • 百田夏菜子さん、結婚おめでとう

      百田夏菜子さんが結婚した。かつて重度の百田夏菜子推しだった身として、心から祝福したい。その報せに「らしさ」を感じると同時に、いろんなことを思い出した。 もう10年以上も前になるが、大学を出てある場所で働き始めた。もともとは教授の紹介で在学中にインターン経由のアルバイトとして働かせてもらっていて、卒業後の4月からフルタイムで働くことになった。フルタイムとは聞いていたがサービス残業が240時間あり毎日殴られると思っていなかったのでびっくりした。実はあまりにも労働環境がブラック過

      • そういえば昭和が終わった日じゃん

        年始からハイペースに濃厚トピックが雪崩れ込んで驚く。こういうときは当事者ならずとも情報量だけでじわりと心労がたまるものなので能動的にリラックスのポーズをしたほうがよい。正月から毎日メイド喫茶でコーヒーを飲んでいるおれのように。 この2、3年で暦通りの働き方にうつり、8連休は初めての経験かもしれない。といっても休暇なんてものは仕事から切り離されている度合いやプライベートの穏やかさやイベント濃度により、日数自体は3日を超えたあたりからそれほど大きなファクターでも無いような気もす

        • 時ははやくすぎる 光る星は消える

          学校で酒を飲んで怒られる夢をみた。高校生だった。幼少期の夢はほとんどみた記憶がないが、いまだに大学を出て就職できずに別の大学に入り直す夢を繰り返しみる。大学院にいけよ、と目が覚めるたびにつっこむ。 夢をみる機序についてどんな研究があるのかは知らないが、なんとなく、体験や記憶のまばらな情報を脳みそがデフラグしているんだろうなとは思う。酒を飲んだときの感情や風景や相手といった情報から、過去に類似の事案が無いかとかをディープにラーニングしている最中のNGおもしろ映像集だという気が

        帯状疱疹と七色の入り江

          われても末に あはむとぞ思ふ

          年の瀬である。瀬というからには流れの早いという意味合いがあるので、「師走」と同じく12月は昔からみなソシャゲのクリスマスイベントやコミケで時間に追われていたことがわかる。 クリスマスから正月までの一週間は洋風エモから和風エモへグラデートする期間といえる。一段と冷え込み、街や人波の流れが変わり、イベント事のはざまで感傷がひたひたになる。 といってクリスマスを誰かと過ごすでもなく、一人であれば正月から初詣に行くこともない。無宗教どころか儀礼にも縁起にも頓着せず暮らしているのだ

          われても末に あはむとぞ思ふ

          焼却炉行き赤ん坊と府民共済

          2日間にわたって部屋の大掃除と模様替えを敢行したら腰が悲鳴を上げている。本が多いのだ。おそらく1000冊程度だと思う。毎年結構な量を処分しているつもりなのに一向に減らない。同じくらい買っているんだろう。疲れ果てて天を仰ぎながら、電子書籍の割り合いを増やそうと思うのであった。 30代に突入してからというもの、どの本を読んでも面白い。最初は単に当たりを引き続けているものと思っていたが、どうやら経験を栄養とする「面白がり力」がアップしているようだ。いくらかの再読で気がついた。多く

          焼却炉行き赤ん坊と府民共済

          ブランキー・ジェット・シティを聴きながら

          凄惨なニュースが飛び込むたびに落ち込むが、目を背けるわけにもいかない。解決ができないものかと考えるのをやめたら、なんとなく人間に生まれた意味もなくなってしまうようで。 たとえば、他国の子どもを殺さなければ日本を追われ日本語での生活や文化文物を奪われ家族と離されてしまうとしたら、その子どもを殺すか。その問いに即答できる人っているんだろうか。 残酷な映像とともに突きつけられているのは、そういう問題だろうな。 殺しませんよと即答するためには、異国の言葉や文化で生き、それでも自分

          ブランキー・ジェット・シティを聴きながら

          ロイヤルホス狂の詩

          ファミレスで昼休憩をとった。ドリンクバーで2台あるコーヒーメーカーのうち右側の1台でホットコーヒーのボタンを押すと、同時に左側のもう1台がメンテナンスの「すすぎ」を始めて、湯を排出しはじめた。「押し間違えた!?」みたいな間抜けな顔でキョロキョロしてしまったのだが、もしおれの熱狂的ファンがいたとしたら、垂涎のお茶目シーンだったことだろう。残念だ。ファンがいなくて。 冬休みだろうか、高校生くらいの男の子とその父親とおぼしき男性が隣の席に座っていた。ふたりは少なくとも1時間ほど、

          ロイヤルホス狂の詩

          サブカル女子フォーエバー

          お笑いはM-1くらいしか見ないし、特にお笑い好きというわけではない。昨日もワールドカップではしゃぐサッカーファンのようなつやつやした面構えで観戦していた。 笑いとは何かみたいな話も読みたいけど、個人的な実感からいえば、かなり聴覚に依った楽しみ方をしているように思う。そしてこれは音楽好きのお笑い好きが多いことと無縁ではないんだろうと思っている。自分なら録音したデータを切ったり貼ったり高さや速さをいじったりしながらおもろさを求めて練習するんじゃないだろうか。実際の芸人さんの練習

          サブカル女子フォーエバー

          カメラマンとババアと生チョコ

          今年は胃をやりましたよ。 具体的には、1週間ほど胃痛が続いて怖くなったので胃カメラをやってもらったところ逆流性食道炎との診断で、2ヶ月以上のおくすり生活を続けている。治りが遅いのか、「もしくは精神的なストレスとか」と半笑いで言われたのでカメラマン(胃カメラを撮る男)を殴りそうになった。 「胃カメラやったわ〜」とドヤついて回っているのだが、実態としては麻酔で意識が無い状態で撮影会をするタイプだったので、何も覚えていないし、カメラマン(胃カメラを撮るから)にシバかれていても分か

          カメラマンとババアと生チョコ

          クリスマスはロクヨンがほしかった

          冬の寒さがしみる。 ドラクエに「いてつく波動」という補助的な技があった気がするけど、これダメージ通るだろと思いながらファミマの袋を握りしめる力が強くなる。 クリスマスが間近にせまり、仕事でおとずれたホテルや商業施設には気合いの入った大型のツリーが設られていた。クリスマスソングと赤と緑と金とプレゼントボックスと靴下が並べられているのを見れば意図せず自動的にわくわくするのと同時に、ニンテンドー64ではなく謎の釣りのおもちゃを貰った時の遣る瀬無い気持ちがしみでてくる。微笑ましさや

          クリスマスはロクヨンがほしかった

           飼い犬が死ぬ瞬間の記憶が、人生で最も明瞭な輪郭をもっている。といっても、あの瞬間の強烈な悲しみがそのまま持続しているというより、あの夜に芽生えた感触が徐々に層を重ねてぶあつく位置取ってきたというほうが正しい。言葉にすれば陳腐なので憚られるが、今思えば命や愛についての問題をはじめて突きつけられた経験だったのだと思う。その時には既に20年以上生きて、親族の死のいくつかも経験していたのに。それでも、本当にはじめてだったのだろう。いまだにとけない、愛の問題とひんやりとした悲しみが記

          無題

          2021年の仕事を納めて、部屋の掃除を済ませ、実家に帰ろうとしている。年単位の振り返りを試みようとも、去年や一昨年のことが判別できないので、あまり前向きになれない。なんとか自分の年齢はわかる。なんと34歳。 言葉に残すと後悔するであろうことも織り込み済みの体感として、「なんか思ってるより齢とったな」と言いたくなる。そのわりに人生イベントの展開が遅いよねという感覚もあるが、これまでの時間をもう一周してもまだ現役で人間をやっている可能性が高いことを考えると、想定しきれない楽しみ

          趣味の作詞術(2)-構成編-

           第1回は、作詞にあたる第一歩として書きたいテーマや使いたい言葉を列挙すること、楽曲の中心テーマを定めることについて概説しましたが、それを今度は構成していこう、という段階になります。何をどこにおくのか、どうおくのか。基本的なJ-POPの構成と、パターンを探ってみましょう。それをいかに把握し、自分がどんなバランスを選び取るのか。それが考慮されているだけで、歌詞はぐっと聴き応えが良くなると思います。歌詞を聴き、読み返す楽しみもまた豊かな時間になることでしょう。  まず、歌詞とい

          趣味の作詞術(2)-構成編-

          趣味の作詞術(1)-はじめの一歩編-

           歌詞を書き続けてきました。思い返せば中学生の頃ノートに好きな歌詞を書き写すことから始まり、ギターを覚えてなんとなくオリジナルの曲を作ってみて、バンドを組んでやってみて、気づけば小さなアイドルグループの運営に携わり、楽曲に詞をつけて。  これといった実績や代表作などがあるわけでもなく、収入を得たことはあれど、今では知人とのつながりで詞の提供をするくらい。趣味、と呼んで差し支えない規模の活動です。趣味で書くとはいえ聴き手を意識しないわけにはいかず、ある程度作り方というのはあり

          趣味の作詞術(1)-はじめの一歩編-