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第54回全日本大学駅伝関東地区予選「超激戦」

ということで、あと2週間後に迫る全日本大学駅伝の関東予選について書いていきたい。
「日本一」を決める大会という形にはなっているが、どうしても箱根駅伝で勝ち上がる大学に分があるのが実情だ。

それだけに、全日本大学駅伝はどうしても一見すると軽視されがちだ。しかし、箱根駅伝を前にチーム状況を確認するのにはもってこいだし、6月半ばに行われる予選会もまたチーム状況を推し量る上では決して欠かせないチームにとっても重要な物差しとなる。

また、関東地区の予選会は毎年ハイレベルなものとなる。
特にシード校を抜いて7校のみ出場という狭き門は予選会へと臨む大学にとっても試金石的な位置づけになるだけに、決して気の抜けない予選会と言える。
今年は特に各大学にとって難しい予選会となることは想像が付くのである。それはなぜか。あの鉄紺軍団が予選会に回ったからだ。

シード校常連・東洋大学が予選会に回る

2015年には日本一を達成するなど、鉄紺軍団を作り上げてきた東洋大学が昨年、まさかのシード落ちという屈辱を味わうことになった。だが、それは決して実力がないわけではない。むしろ昨年は春シーズンからチーム状態も良いとは言えず、その影響が形となって出てしまっただけのこと。
今年の関東インカレでは各選手ともに素晴らしい成績を残しているし、箱根駅伝でも3位の駒澤大学に肉薄する4位と大健闘だった。額面通りの実力を発揮すれば、問題なく予選会を突破できるだろう。

また、前回箱根では最終10区でまさかの失速があった東海大学もエースの石原翔太郎くんの復帰を始めとして明るい話題も少なくない。中間層がより厚くなってくれば、東海大学も決して侮ってはならない大学だろう。

波に乗っているのは法政大学だ。関東インカレの5000メートルで三浦龍司に対して先に仕掛けた松永くんはもちろんだが、チームとしても鎌田選手の後釜がしっかりと育っており、彼らもまた戦えるチームになりつつある。恐らくだが、法政大学もまた順当に予選突破をしてくるに違いない。

そうすると、残りの枠は3枠となる。その中から、どの大学が勝ち上がるのか。こちらも考察していこう。

勢い急上昇の神大・新監督に変わった大東文化大

真っ先に今挙がるのは神奈川大学だろうか。
春シーズンでは主力選手たちの自己ベスト更新が相次いだ一方で、1500メートルでの3位入賞などチームとしての状態も良い。当然、大後さんは箱根駅伝に主眼を置くだろうが、その過程の中で全日本大学駅伝予選会は一つ重要なテストともなる気がしている。

未知数な部分もあるが、期待したいのは大東文化大学。
新監督として仙台育英の駅伝部監督だった真名子圭さんを招聘した大東文化大学は、前年の箱根駅伝予選敗退の悔しさをバネに発奮した選手たちが自己ベストを相次いで更新している。この勢いはここ数年感じることが出来なかったもの。予選会でも大いに期待したいところだ。

この2校も予選会を通過する可能性を秘めているが、当日のコンディションやトラックの状況なども鑑みるとまだまだ何とも言えない部分もある。下手をすればエースの藤本くんに絶対的な自信を持つ日本体育大学や留学生を起用している専修・上武・城西大学といった大学にも大きな可能性があることを否定してはいけない。駿河台大学もまた、前回惜しくも落選した悔しさを胸に挑戦してくる可能性はある。

今名前を挙げた大学だけでも10校。いかに関東地区が激戦区なのかが分かるはずだ。
また、神奈川大学の紹介の際にも書いたが、この予選会は夏合宿の強化プランを明確にする事も可能となるし、秋の予選会や箱根駅伝へと向けた明確な課題ともなる。

現時点ではまだまだ不透明な部分も多いが、出場校含め2週間後の予選会についても書いていければと思います。

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