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学校での合理的配慮は発達障害のわがままじゃない!

登校拒否をきっかけに息子の発達障害が発覚。
ASD(自閉症スペクトラム)子育て中のマエリンです。

先日、悲しいツイートを見かけました。

合理的配慮を受けいれてもらえず、字を書くのを嫌いになった子の話。
ただただ悲しくて、「特別扱いじゃないよ、配慮だよ!」って思いました。

合理的配慮ってなに?
どんな配慮があるの?

合理的配慮についてまとめたあと、字を書くのが苦手な息子の話をご紹介します。



学校での合理的配慮は発達障害のわがままじゃない

足の不自由な人に「マラソン大会で時間内に走りきれ」って言いませんよね。
目の悪い人に「メガネを外して裸眼で見ろ」とかも言いませんよね。

想像しやすい困難や目に見える障害の場合は、合理的配慮をしてもらいやすいです。

だけど、目に見えない発達障害の場合は、わがままだと勘違いされてしまうことがあります。

学校生活の中には他の人にとっては平気なことでも、発達障害の息子にとっては取り組むのが難しかったり、取り組むことはできるけれどつらいと感じることがあるんです。


障害者の権利に関する条約でも、みんなが平等に教育を受けられるように合理的配慮しようねって決められているのに、「特別扱いはできません」って残念過ぎる。


合理的配慮とは

障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう。

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1297380.htm


学校の合理的配慮の具体例

内閣府が提示している合理的配慮の具体例をご紹介します。

・聴覚過敏の児童生徒のために机・いすの脚に緩衝材をつけて雑音を軽減する
・視覚情報の処理が苦手な児童生徒のために黒板周りの掲示物の情報量を減らす
・支援員等の教室への入室や授業・試験でのパソコン入力支援、移動支援、待合室での待機を許可する
・意思疎通のために絵や写真カード、ICT機器(タブレット端末等)を活用する
・入学試験において、別室受験、時間延長、読み上げ機能等の使用を許可する

https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/jirei/index_kyouiku.html


息子が受けている合理的配慮

現在、小学3年生の息子はASD(自閉症スペクトラム)と診断されていて、学校側にいくつか配慮をお願いしています。

・書字障害による板書の免除
・宿題の免除、もしくは調整
・嗅覚味覚過敏による給食の調整
・聴覚過敏によるイヤマフの使用 など

この中の書字障害について深堀りします。


息子の書字障害

文字を書くことがつらい息子のようなケースを書字障害と呼びます。
文字を読むことはできるのですが、黒板の字を書き写したり、作文を書いたりするのが困難です。

作文の構成は自分で考えることができるので、私が代筆をすれば取り組むことができます。
パソコン入力も練習中です。

自分で書くことをやめたら「作文きらい」と言わなくなりました。


配慮してもらう前

私は「出された宿題は全部やるのが当たり前」という考えでした。
みんなができるなら息子もやらなきゃって。

だから、いくら時間がかかってもいいから息子が自分でやるように促しました。

息子は書いては消し、書いては消しを繰り返しました。
納得のいく字が書けるまで何度も。

うまく書けないもどかしさから、何枚プリントを破ったか分かりません。

当時のノートを見ると、消しゴムで消したあとやグシャグシャになったページを伸ばした形跡があります。

宿題を終えた息子は「ハァハァ」と、まるで全力疾走してきたかのように息切れし、疲れてそのまま寝てしまうこともありました。


配慮してもらった後

発達障害の診断をもらい、宿題が免除してもらえるようになったことで私はホッとしました。

歯を食いしばりながら、息子が苦しそうに字を書く姿を見なくてすむと思ったからです。

私が「宿題するのはやめよう」と勝手に決めることもできますが、第三者に言ってもらえる「宿題しなくていいよ」は安心感が全然違ったものでした。

息子は神経をすり減らす原因がなくなったので、癇癪を起こすこともなくなりました。


宿題しない罪悪感

宿題するのがつらいから免除ってずるくない?と思われるかもしれませんが、宿題が免除になった後もしばらくの間、息子は泣きながら宿題プリントに取り組みました。

私が「出された宿題は全部やるのが当たり前」と考えていたように、もしくは私がそう考えていたせいで、息子も「宿題は何が何でもやらなきゃいけない」と頭にインプットされていたのです。

私「先生はやらなくていいって言ってたよ」
息子「そう言ってても、やらなきゃ絶対怒られるんだ」

何度私が説明しても息子が納得しなかったので、先生から直接息子に話をしてもらいました。

先生「宿題のことを考えて涙が出たり、胸がギューってなる時はしなくていいんだよ」
息子「分かった」

息子は「宿題なくてラッキー」なんて1ミリもなりませんでした。
やっと宿題をやらなきゃ!という呪縛から開放された感じです。


まとめ

法律で合理的配慮が認められているにも関わらず、最初にご紹介したツイートの子のように「特別扱いできません」と拒まれることもあるんだと知ってショックでした。

平等に教育を受けることよりも、足並みをそろえることを重視される現実。

みんなと同じことを同じ方法で同じスピードでするのが当たり前って、ほぼ無理ですよね。

支援というと「配慮してやってるんだから」感がまだまだ強い気がします。

だから「困ってます」「助けて」が言いにくい。

「困ってるんだから助けるのは当たり前」とさらりと言ってくれる人で溢れる世の中になってほしいものです。


最後まで読んでいただきありがとうございました。
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