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初めてのメール

翌日のお昼。

彼から初めてメールが来た。


・・・・

昨日はごめん。

情けないけど、記憶が曖昧な部分もあって。

でも、ひどいことしたんだろうなっていうのはわかってる。

泣いてるれいちゃんの顔を鮮明に思い出す。

本当にごめん。

電話してもきっと出てくれないと思うから。

もう、れいちゃんと会う前にお酒飲まないから。

会いたいです。

・・・


メールを読んでしばらく、考えた。

なぜ、あきとさんが、あんな行動に出たのか。

なぜ、泣いていたのか。


酔っていたことなんて、どうでもよかった。

でも、何かを抱えている気がして、それを話してくれないのが辛かった。


そして、夜。

メールが苦手な彼のために、電話をした。


「もしもし」

「れいちゃん・・・メール、読んでくれた?」

「うん、読んだよ。」

「ごめんね。」

「ううん、今、大丈夫?」

「10分くらいなら。まだ仕事中で。ごめん。」

「そっか。忙しいのに、こっちこそごめんね。メールにしようか?」

「いや、それより直接謝りたい。明日の夕方、空いてる?」

「うん。空いてる。あきとさんのお家行ってもいい?」

「いいけど・・、なんで?」

「なんか誰かに聞かれたりしたら嫌だし。誰もいない場所の方が良いかなって。」

「そうだね。じゃあ、明日○○駅で16:00頃待ち合わせしよう」

「うん。お仕事、頑張ってね。」


なんとなく、私は、「明日」帰れない気がした。

本当に直感で。帰れない気がした。

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