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ムサビ通信で学ぶ美術と芸術

こんにちは。初めまして。
前川結佳と申します。私は現在武蔵野美術大学通信教育課程に在籍しております。今年(2023年度)に卒業予定です。

さて、今回はムサビ通信では実際にどのような『美術』や『芸術』を学ぶことができるのか?というトピックを扱っていきたいと思います!

以前までの記事では、ムサビ通信にはそもそもどうやって入学するの?とかテストの形式や単位ってどうやって取るの?などハウツー的な内容をまとめてきました。興味がある方はそちらもぜひご一読くださいませ。


では前置きはここまでにして、さっそく本題に入っていきます。
※そもそも『美術』や『芸術』ってなんぞや??
ってことについては今回は掘り下げず、別記事に個人的考えをまとめてみたいと思っております。
あくまで辞書的な意味の『美術/芸術』をムサビ通信ではどう学べるのかについてのまとめです。


辞書で『美術』を引くと、「美の視覚的・空間的な表現を目指す芸術。絵画、彫刻、建築、工芸など。」とでてきました。では『芸術』については、「文芸、絵画、彫刻、音楽、演劇など、独特の表現様式によって美を創作・表現する活動。また、その作品。」と表されています。
この意味に則って考えると、ムサビ通信で学べるのは確かに『美術』と『芸術』です。
それはなぜかと言うと、それらについて学べるカリキュラムが用意されているからです。

残念ながら彫刻科はありませんからそれは通学生になるしかないんですが、ムサビ通信では絵画やデザインについて学ぶことができます。
現在ムサビ通信に入学してから選ぶことができるのは「油絵学科(絵画表現/日本画表現コース)」と「デザイン情報学科(デザイン総合コース)」そして「芸術文化学科(芸術研究コース)」の3学科4コースです。私は油絵学科の日本画コースに所属しているので、その視点から語ってまいります。

どの学科、コースを選択することにしても、どんな科目を履修するかは個人の自由なので、油絵を選んだからデザインを一切勉強できないなんてことはありません。自分が油絵や日本画の作品を制作する上でデザインの要素が必要であると感じれば選択すれはいいし、それは要らないと感じのではあればデザイン科目を履修しなければいいだけです。何を履修しようが基本の学費は変わりませんから。


冒頭でも紹介しているように、現在私はムサビ通信の日本画コースに在籍中です。参考までに私が1年からどんな科目を履修してきたのかザックリお伝えすると、日本画はもちろん美術史やデザイン、デッサン、その他社会学や著作権についてを履修してきました。油画や工芸については特に履修してきませんでした。

通信では独学かつ自分1人で制作していく時間が圧倒的に多いです。他の学生や教授と一緒に同じ空間、時間を共有して作業することはたくさんスクーリングを受講すれば増えますが、それでもトータルしてせいぜい1ヶ月分の日数くらいだと思います。どの学校の美術の通学生も制作は1人で行っているとは思いますが、通信生は直ぐに直接作品を見てもらってリアクションをもらうことが彼らより難しいです。

スクーリング中はそれができるんですが、普段は実技課題の添削をしてもらってもらえる添削シートに書かれた教授からの講評しか他人からの評価を得られません。

ただ、通信の教授陣は全体的に『表現は自由だ!!思いつくままやっちまえ!』という姿勢だと感じています。言い方を変えると、『あなたのやりたい表現や技法を遠慮なくやってみなさい』って感じです。今まで『僕の好きな雰囲気の作品に誘導してやろう』みたいな態度は見たことがありません。まぁ、相手にしている通信生は年齢がバラバラで、教授自身より20年も30年も長く生きている方がいたりしますし、通学生の年齢(20代)の方が少ないです。だからバックグラウンドの複雑さが通学生よりあると思います。それも相まって通信生は教授から美術や芸術を教えられるというよりも、相談し合えると言った方が正しいかもしれません。

スクーリングでよく見かけるのは、『そんな常識はずれな色の組み合わせすんの?!』みたいな反応をしている教授です笑
たぶん、高校卒業してからそのまま美大にきて勉強していたら身につく知識とか、常識的なものが無い(少ない)が故に、意外な組み合わせを思いつく通信生が多く、それをみている教授たちも楽しんでいる。って感じです。


さてさて、そろそろまとめに入ります。
ムサビ通信で学べる美術や芸術とは『自由さ』であると私は感じています。
ムサビ通信に入る時には、一般的な日本の美大受験のようなデッサンなどがありません。なので構図のとりかたとか描き方とか、どれをとっても学生のレベルが様々で知識量も様々です。年齢層もバラッバラです。だからどんな知識をどんなふうに使って作品をつくるのかも、もちろんバラッバラになります。これはどんな環境で作品をつくるときも同じことなんでしょうけれど、ムサビ通信は特にそれを許容する度合いが広いように思います。

『のびのびと芸術をやる/美術をやる』それがムサビ通信かなぁというのが、私がムサビ通信に通って感じていることです。

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