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ムサビ通信日本画卒業制作日記【卒展そして卒業】

こんにちは。初めまして。前川結佳と申します。
2023年度卒業の武蔵野美術大学通信教育課程の学生です。

さて、今回の記事ではムサビ通信を卒業する私がムサビ通信卒業展示に自ら参加するにあたり感じたことをまとめていきます。



まず、ムサビ通信の卒展は3月初旬に計4日間行われます。2023年度の展示は3月9日から12日の4日間で、午前10時から午後16時で開かれました。
曜日は土曜日から火曜日開催で、この開催期間中の土曜日と日曜日はアートフェア東京と被っていました。アート好きな方がどっちに興味を惹かれるのか…恐らくアートフェアの方でしょう。立地の点からも、アートフェア東京は有楽町、ムサビ通信は鷹の台キャンパスで交通の利便性で圧倒的な差があります。ですが、殆どのムサビ通信学生はそこが気になるなんてことはないと、私個人は勝手に思っています。

個人的な『ムサビ通信の扱われ方』を言わせていただくと、『注目されていない』です。先程、交通の便が良いのは…なんて話をしましたが、ムサビの通学生の卒展はめちゃくちゃ盛り上がっていました。全ての展示を味わうためには1日無いと無理!という量感で、学内全体を使って、パフォーマンスもありのちょっとしたお祭りでした。これに対してムサビ通信卒展は開催日数は変わらないものの、デザインコース・芸術研究コース・油絵学科の版画、油絵、日本画コースそれぞれ各1スペースのみに集約され、非常にコンパクトです。デザインコースは個人のスペースが比較的広めに確保されていましたが、専攻している学生の多さによるものなのか、油絵学科のどのコースの作品も部屋いっぱいにぎゅうぎゅうに飾られていてゆったり見ることができる環境では無いなと感じました。混み合っている様子はなかったのでゆったりは見れないものの、ゆっくりみることはできます。

また、このムサビ通信卒展の開催期間中は学部が春休み期間なので、学内のセブンイレブンと世界堂(画材店)しか開いておらず、かつキャンパス内の設備のメンテナンス業者をあちこちに見かけ、その点でもゆったり過ごすことができないと思います。

私が何に『注目されていない』と感じたのか、それは展示スペースの広さ、開催期間が学部の春休み期間であることの2点です。
もしも学部の休み期間よりも前に展示機会があったとしたら、少なくとも学部生との交流がより積極的に行われたんじゃないか?と思います。


長い時間をかけた方が必ずしも良い作品が生まれるわけではないと思っていますが、ムサビ通信生の多くは社会人や主婦/主夫です。働きながら勉強をして単位を取り、作品を制作するのはなかなか骨が折れることだと思います。そこに家事や育児という仕事も加わると尚更難易度が上がるはずです。日本画コースの話をすると、そんな中で80号以上の大きな作品を4ヶ月程度で完成させるのはすごく体力も気力も必要でしょう。
私は母と2人暮らしで、生活環境は母が整えてくれたおかげで自分の卒制のみに集中できました。それにアトリエを別に構えているので制作場所を確保していたから、今回の卒制のほぼ最大サイズである100号を描くことができましたが、自宅しか制作場所がない生徒は家族の協力なくしては成り立ちません。スペースの確保が難しく、どうしても小さなサイズにしなければならなかった方もいらっしゃいました。


さて、ここからは『ムサビ通信卒業』についてお話ししていきます。卒業制作展を終え、最終講評も受けて参りました。卒制を描き上げた当初は『やったー!終わったー!』って感じがすごくて、開放感しか感じていませんでした。ですが、卒展会場で改めて自分の作品と対峙した時に、『ここのバランスが悪いなぁ』『左右の余白をもっと考えてつくるべきだったなぁ』とかさまざまな反省点が見えました。最終講評はAチームとBチームに分かれて先生がそれぞれ2人付いて行われる形式でした。なので、全員の先生から講評を受けられるわけではありませんでした。当日はとてもサクサク講評が終わったので、4人全員のコメントが聞けたんじゃないか…?と思わなくもなかったです。
他の作品の表現についての講評も聞けて、作者が何を意図して描いたのか?しかしそれは上手くいっているのか否かが(あくまで先生それぞれの個人の意見ですが)炙り出され、『他者にはそんなふうに見えるのか』と参考になりました。私自身の作品についてもコメントをいただきましたが、自分自身で感じた反省点と殆ど一致していたので、私は自分の作品を客観的に見ることができているんだと感じ、それが少し自信に繋がりました。それは卒業後に作家業を続けて行く身として必要なスキルだと思うからです。


今回は長い文章になってしまいました。ここまで読んでくださった皆さまありがとうございます!
次回の記事ではムサビ通信卒業後、春から作家として活動を続けていく私、前川結佳の自己紹介を改めてお届けしようかなと思います。地方を拠点に通信制美大出身で作家をする私のこれからを今後もどうぞ応援してください!

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