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インドネシア料理 麺 ミー【Mie】のご紹介

しばらくお休みしていたインドネシア料理のご紹介です。
日本人に2番目に有名なインドネシア料理はミーゴレン(Mie Goreng)です。
麺+炒めるで焼きそばという意味になります。1番有名なインドネシア料理はナシゴレン(Nasi Goreng)で、ごはん+炒める=チャーハンです。
3番目に有名なのはサテで、これはすでにご紹介済みです。

インドネシア人は麺が大好きで、様々な種類の麺を楽しみます。ミーゴレンもメジャーな麺料理の一つですが、麺料理は他にもたくさんありますのでご紹介します。

このミーですが、MieのときとMiのときがあります。バソがBaksoとBasoの両方あるのと同じ現象です。
インドネシアはMieを使うケースが多いので、今回は基本Mieで統一させていただきます。


1.ミーゴレン(Mie Goreng)

日本でいうところの焼きそばです。
どんな田舎に行ってもたいていある料理で、田舎の飯屋(ワルン)では、インスタント麺を茹でてミーゴレンとして供することも多いです。
炒めていないので本当はおかしいんですが、あまり気にしていないようです。
ペヤングソース焼きそばといいながら、焼いていないのと同じ現象です。

ミーゴレンは店によっていくつか種類があります。
一番よくあるのはスペシャルといって、目玉焼きがつくパターン。
肉の種類によって名前が変わるパターンもあります。ソーセージを使うSosis、鶏肉を使うAyamです。高級な場合シーフード(エビとイカ入り)のときもあります。
Mie Goreng SosisとかMie Goreng Ayam, Mie Goreng Seafoodになります。

わたしは昼ごはんを自炊するとき、面倒な日はインスタント麺の焼きそばで済ませることがあります。

あまり目にすることはないと思いますが、ミークア(Mie kuah)で頼むと、スープの麺になります。

2.ミーアヤム(Mie Ayam)

Mie=麺、アヤム=鶏肉で、「鶏そば」になります。

野沢菜みたいな茹で野菜と、大き目の鳥そぼろがトッピングされ、麺とスープが別々に供されます。

レンゲかスプーンがつきますので、スープを麺に適宜かけながら食べることが多いです。

この料理はとにかく安く、たいてい一杯1万ルピア(100円)です。
次に紹介するバクミーと同じ料理に見えるため、どこが違うのかクラスメイトに聞いたことがあります。

すると、バクミーは中国から来た料理で、ミーアヤムはそれをローカライズさせた料理だという答えでした。ミーアヤムの味は、香辛料を含めインドネシア風味らしいです。
あと、バクミーに比べるとさっぱりしていると言っていました。

3.バクミー(Bakmi)

Bakmi pangsit (ワンタン肉そば) 2.5万ルピア(250円)

バクミーのバクはバクソのバクと同じで肉という意味になります。
訳すと「肉そば」です。
バクソのご紹介のときに解説しましたが、福建語でBakは肉、Soは蘇、肉そぼろみたいな料理がバクソです。実際はミートボールですが。

ちなみにバクミーのバクは何の意味か?とクラスメイトに聞くと、ほとんどが答えられません。

バクミーで一番有名な店はBakmi GMというチェーンです。

クラスメイト達は「Bakmi GM?ルマヤン(普通)」と言ってきます。
若干下に見ている感じです。わざわざBakmi GMを食べるために出かけたりはしないというレベルの味です。
日本のラーメンで比較すると、「幸楽苑」とか「日高屋」みたいなイメージかもしれません。

大学の門を出たところにバクミー屋があり、人気です。

バクミーにしては安めで一番ベーシックなメニューは20,000ルピア(200円)しかしません。他の店だともう少しする感じです。
場所が2階で不便なためか、すいていることが多く、ゆっくり落ち着きたいときに行く店です。

この店のバクミーは高い。45,000ルピア(450円)

なぜミーアヤムとあまり変わらない見た目と味なのに、こんなに価格が違うのかはよく分かりません。
バクミーの方が味が濃く、脂っこく、しっかりした料理を食べた感じがするのかもしれません。

わたしの個人的な感覚では、インドネシア人は日本人がラーメンを食べに行くような感じでバクミー屋に行っている気がします。

今日はバクミーを食べたい気分がするという感じでしょうか。

4.ヤミン(Yamin)

ヤミンはバソ屋のメニューの一つです。
バソを頼むときミーバソにしてバソスープに麺を入れてもらうパターンと、ヤミンにして麺とスープを別にしてもらうパターンがあります。
このヤミンパターンでバソを頼むと、バクミーバソとそっくりな麺とバソスープがセットになった料理になります。

ヤミン  バソチンチャン 2万ルピア(200円)

バクミーというのは、麺とスープが別々に出てくる麺料理というのはすでに述べた通りですが、スープのオプションで、パンシット(ワンタン)とかバソがあり、スープに具が入ります。

バクミーバソにすると、バクミーの麺に、バソスープがついてくるのです。
すると、見た目はヤミンとそっくりな料理ができあがるという寸法です。

ただし、味は結構違います。

ヤミンもバクミーも、麺の味付けを2種類(シンプルな塩味と、ケチャップマニス味)から選べ、麺の色や風味が大きく変わるのですが、バクミーは具が多い印象です。
ヤミンはほぼ麺だけです。

さらに、スープはバソスープは明らかにバソスープの味で、ミーアヤムやバクミーのスープと全くことなります。

見た目でも、ヤミンはあくまでもバソがメインディッシュで麺はおまけなので、バソの器が大きく、バクミーは麺がメインディッシュでスープがおまけになるため麺の器が大きいことが多いです。

以上をざっくりまとめると、インドネシアには汁なし麺+スープという組み合わせの料理が3種類があり、ミーアヤム、バクミー、ヤミンと覚えておいてください。

5.ミーコチョック(Mie Kocok)

3万ルピア(300円)

キキルという牛の足のゼラチン質が入っている麺です。
豚足と似たようなものです。
わたしの行く店は、本場の豚骨ラーメンのようなくさいニオイが漂う屋台で、まあまあ美味いです。

酢をちょっとかけて食べるのがオススメの食べ方です。

ちなみにバンドン名物らしいです。あちこちで屋台を見ます。

6.クイティヤオ(Kuityao)

わたしの好物です。
クイティヤオとは、見た目はキシメンのような平べったい麺で、米でできた麺のため真っ白い色をしているのが特徴です。
小麦の麺にくらべつるつる感もあります。

わたしが最初に食べたのは今から20年前、ジャカルタの北にあるクラパカディンという街にある名店で食べました。華僑のローカルスタッフに華人の店に連れて行ってもらいました。
本当においしくて驚きました。焼きそばや焼きビーフンよりはるかにうまく、食べ応えもあるのに同じ値段なのです。

クイティヤオは野菜や肉と炒めるクイティヤオゴレンがありますが、汁クイティヤオにすることもでき、クイティヤオ・クア(Kuah)といいます。
すでに説明した通り、Mie Kuahというと、ミーゴレンの汁版になります。

胃がむかむかして油っこい料理を受け付けないとき、わたしはKuahにします。

7.ビーフン(Bihun)

ケンミンの焼きビーフンが日本でも有名なので、お分かりの方もいらっしゃると思います。
まったく同じです。
クイティヤオがキシメンとすれば、これは素麺をさらに細くした感じで、材料は同じく米になります。

わたしはクイティヤオやミーゴレンよりは頻度は落ちるものの、たまに食べています。
自炊するときにビーフンを使うことも多いです。
乾麺で保存が効くのと、インスタントラーメンより若干安いのです。
ただし、時間をかけて水で戻す必要があり、面倒は増えます。

ビーフンはクイティヤオと同じく、炒めるビーフン・ゴレンと汁のビーフン・クア(Kuah)があります。
個人的な感覚だと、クイティヤオの方がスープに合っていると思います。ゴレンを食べておくのが無難かと。

8.ラーメン

日本のラーメンが完全に市民権を得ています。
ラーメン専門店のチェーンもあり、日本資本だけでなくローカル資本のラーメンチェーンもたくさんあります。
(1)日本資本
一風堂、麺屋武蔵(ジャカルタのみ)
博多一幸舎、ラーメン38
(2)ローカル資本
Ramen-Ya!、Gokana Ramen、Ichiyo Ramen

Ramen YA!

ラーメン専門店でなくてもラーメンを出す店があり、Hokben(ほかほか弁当)が代表格です。

さらには、インスタントラーメンでも日本風のラーメンが商品化されています。

そうはいってもイスラムの国ですから、豚肉は使えません。日本資本のラーメン店を除き、通常は鶏のラーメンが提供されています。

代表的なラーメンの味は、鶏白湯、鶏味噌、しょうゆです。

正直申し上げると、おいしいとは言えません。
さらに量が少なく価格も高いため、わたしはあまり食べません。

例外的に、寮の近くのラーメン屋台は2万ルピア(200円)と安いので、味に目をつむって週1くらいで食べにいきます。
「博多ラーメン」を頼みますが、博多ラーメンとは何一つ共通点がないラーメンです。
スープは鶏、麺は普通の縮れ麺、ネギは入っておらず、紅ショウガも高菜もありません。代わりにナルトととノリとゆで卵がトッピングされます。
チャーシューは鶏肉です。ゆで卵は半熟の味玉ではなく、完全に茹でられ白身は真っ白な普通のゆで卵を半分に切ったものです。

わたしは美味いラーメンを探しすぎて、ピザハットの看板を天下一品の看板と見間違えるほどでした。

そんなこともあり、もうラーメン屋探しは止めました。

9.うどん

ラーメンまで来たらうどんまで行っておきましょう。
かなり普及してきているイメージです。

最近ではコンビニやスーパーで袋のうどんを見るようになりました。

思い出うどん17000ルピア(170円)

でも結構高いので、わたしは失敗するだろうと見ています。
完全に価格設定が間違っています。

丸亀うどんが高い価格設定で成功しているからといって、全く関係ない会社が安易におこぼれにあずかろうとしても同じように行きません。

10.パスタ

うどん以上に普及していますので載せておきます。
ただし、パスタ専門店であってもちょっとどうかなというレベルの店が大半です。
- まず麺をゆですぎている。これは昔の日本と同じ現象です。
- クリーム系が弱い。生クリームを使っていないため濃厚さが出ない。
- ほとんどの店でオリーブオイルを使っていないような気がする。
- ベーコンやソーセージが豚でなく、カリカリ感も出せていない。

インドネシアをバカにすることはできません。
日本だってイタ飯ブームが起きる1980年代後半までは、アルデンテなんて言葉は知られていなかったし、スパゲティーといえばナポリタンとミートソース以外なかった時代です。。
わたしが生まれて初めてイタリア料理屋に行ったのは大学1年のときで、ズッキーニが何かわからないまま注文し、出てきた料理を見て驚いた記憶があります。
ただの太いキュウリなのに、こんなに高いのか!という驚きです。価格的にわたしは活きのいい魚を使った料理と思っていました。

ついでに麺ではないですが、イタリアンつながりでいえば、バンドンのような地方都市ではピザを焼く石窯などはまずありません。
ピザも全くおいしくありません。

デザートは店によってはかなりいけます。
イタ飯ブームのときに日本でブームになったティラミスは、インドネシアでも食べられます。

すべて網羅しようとしたら長文になってしまい失礼しました。

おわり

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