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インドネシアの島めぐり23日目 スラウェシ島のマカッサルに入る

島めぐりの旅は、次の旅程「北マルク州と南マルク州の島々をめぐる旅」に入る。

右上の丸が北マルク州、下の丸が南マルク州
青線は本日に移動経路

スラウェシ島、モルッカ諸島は、香辛料貿易の覇権をめぐり、地元勢力、スペイン、ポルトガル、オランダ、イギリスが同盟や裏切りを繰り返しながら争った地域になる。
わたしはこの旅の最中に、研究者のノートを読みながら想像を膨らませてきたのだが、知れば知るほど深みにはまり、疑問も湧いてくる。特に地元勢の動きだ。
列強諸国は、これまでわたしが日本の歴史や関連情報で得てきた行動パターンと同じで、ある種の徹底ぶりに感心するくらい。

香辛料の覇権をめぐる争いまとめ
スパイスといってもいろいろあるが、ここではクローブ(丁子)が鍵を握る。テルナテ島とティドレ島という、ハルマヘラ島の横にちょっこっとある小さい火山島が主役の物語だ。
当時はこの2つの島でしかクローブは取れなかったので、2つの島の王が資源の独占により経済力を持ち、周辺を支配していった。こんな小さな島で人口も少ないはずなのに、どうやって100倍以上あるエリアを統治できたのか不思議だ。
日本で例えるならば、隠岐島が日本の西半分と朝鮮半島を勢力下に置いているようなものだ。

テルナテは西に支配を広げて、スラウェシのマカッサル人、ブギス人と争うようになる。
ティドレは東と南に支配を広げていく。そしてこの似た者同士の王国は仲がとても悪かった。
そういうところを列強諸国につけ込まれていったというわけだ。そして資源の独占により富を産み出そうというベクトルは列強諸国と同じだったので、彼らとくっつきやすい。
最後はオランダ東インド会社がポルトガル、スペイン、イギリスを追い出し覇権を確立し、仕上げはテルナテとティドレ島に生えているクローブの木を全て伐採し、アンボンだけで生産できるようにし、2つの島の王国の経済力を奪い没落させた。

一方マカッサルのゴワ王国は、自由貿易の信奉者で、列強諸国、テルナテ、ティドレとは真逆のベクトル。「海は全ての人類のものだ」といってオランダの独占に反対したというから、海洋民族マカッサル人の面目躍如といったところで、わたしは心の中でゴワ王国がんばれと思いながら文献を読み進んだ。

資源の独占を阻止すべく最後までオランダと戦い、最後はブギス人がオランダ側につきやぶれて滅んだ。
16代ゴワ王国スルタンで「東に雄鶏あり」とオランダから怖れられたハサヌディンが活躍した時代だ。

ワイカブバックからタンボラカ空港
西の中心地ワイカブバックの最寄り空港は、北に40キロ離れたタンボラカ空港という。
わたしはワイカブバックまで連れてきてもらった、久保田利伸似の運転手に空港までの送迎を頼んだ。250,000ルピア。

町中で彼はよく止まるので、止まるたびに誰か乗せるのかと思うと、ただ友達に声をかけているだけだった。
そして計3名から、「おーマコトー」と声をかけられ握手を求められた。会ったことないなと思っていたら、久保田利伸は、「この前撮った動画を友達に送ったらすごく面白いって言われて」ととても嬉しそうだ。「その友達が動画サイトに投稿したらコメントが30件もついた」と言っていた。
再び仲間達の高評価を得ようと、彼は第2の自撮り動画を撮り始めた。「こちらはトラベルブルー、そしてミスターマコト。今から空港に行くところだ。ミスターはバリへ帰る。」何回言ってもバリで働いている日本人だと勘違いしている。
「バリのあとマカッサルね。」「そうマカッサルだ。」
それからスンバ語でしゃべり続けていたので内容はわからない。
また投稿されそうだ。

お調子もので、とてもいいやつだった。最初の子供がまもなく生まれてくるので頑張っている。

バリを経由しマカッサルへ
バリまではCitylinkというガルーダ航空の子会社。ガルーダは青なのにこっちは緑。ちゃんとした印象だが、ウイングスエアに乗りすぎて感覚がおかしくなっている可能性はある。

マカッサルへはライオンエアに乗る。
ライオンエアは2時間ほど出発が遅れた。遅延で有名な航空会社なので、またかと思っていたが、バリの空港が混み合い離陸待ちの行列ができていたのもある。

後ろに続々と飛行機が並ぶ

デンパサール空港のトランジットで久しぶりに人混みを見た。さすがはバリ。外国人も多い。
飛行機は満席で外国人は1組しか見なかった。マカッサルから年末年始の観光に来た人が多いらしく、お土産をいっぱい買っているようだ。ヒジャブ(イスラム女性のかぶりもの)率もグッと高まりインドネシアにいるという感じがする。

飛行機の窓からアグン山が見えた。

一つ奥の頭だけ出している山はアバン山

マカッサルの空港は大きかった。
グラブで運転手を呼ぼうとしたら、たった2キロの距離で135,000ルピアと出てくる。バイクでなく車だとしても高い。
群がってくる運転手もグラブの表示価格が高いと知っていて、「グラブで価格を見てみよう」と調子に乗っており腹立たしい。
「俺は車ではなくバイクを探しているのだ。」というと、この空港にはバイクのオジェックはいない、入れないからだと言ってくる。
わたしは「もしそうだとすれば2キロ歩くだけだ」と言い捨て空港の出口に向かった。するとバイクのオジェックがやりとりを聞いていたのか近づいてきたので交渉して60,000ルピアで手を打った。
バンドンなら13,000ルピアで、高くてもも20,000ルピアの距離だ。この町に何が起きたのか気になる。

ホテルは空港近くの安めのホテルにした。アゴダで160,000ルピアになっていたので、直接交渉で150,000だなと勝手なことを考えていたら、フロントは350,000ルピアの定価から下げられないという。
仕方ないのでフロントのまえのソファーに座りながらアゴダで取り直した。

久しぶりにホテルらしいホテルでなぜか安心する。

明日は14時のフライトでテルナテ島へ行く予定だ。




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