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自由という名の不自由にならないためのルールづくりと脳の使い方

2000年代、とりわけ2008年のリーマンショックや2011年の東日本大震災を経て、僕たちが暮らすこの日本では働き方や生き方を提唱する人が多くなったように思う。そしてその提唱によって、働き方や生き方をそれまでとガラリ一変させた人もまた多いはず。

かくいう僕も2011年に働き方も生き方も変えた一人だ。

僕が新卒で入社した会社は、歴史の教科書で学んだ高度経済成長期を支えたような企業の文化そのものだった。要するに、今で言うと古い体質ということ。

作業効率やサービスの向上よりも労務管理による減点方式の出世レースだったので、一度でもミスをすると上司にこぞって囲まれることが多かった。中には疲弊してうつ病などの精神疾患を抱えて出世レースから脱落する人も少なくなかった。

ただ、そうは言っても、給与水準は学歴カーストの下の方でも日本人の平均年収をはるかに超えていた。福利厚生も充実しており、こうしたインセンティブと引き換えに、職場環境の悪さに我慢している人も多かった。

さて、そんな中、僕がこの会社を飛び出した理由は自由になりたかったからの他ならない。

入社した頃は、会社の方針に従っていれば一生安泰だと思っていた。でも違った。ひとたび自分の意見を上申しようものなら圧力で跳ね返され、人のミスを自分の責任にされるなど、正直息苦しさは拭えなかった。

上司も先輩も後輩も、辞めたいと言えば誰もがお金を理由に反対する。

そんなとき、僕はある通信制のビジネススクールに通ったことで価値観の転換が起こった。ビジネススクールに通ったのはお金の稼ぎ方を知りたかったからだが、そこで知ったのは何よりも「#私らしいはたらき方」とは何か?ということだった。

人生は誰もが知っている通り、たった一度しかない。輪廻転生を信じている人にとっては何度もあるかもしれないが、それでも過去世の記憶は引き継がれないはず。

だが、目の前で起こることに追われ、親や学校の先生、会社の上司に敷かれたレールの上だけを歩く人生に異を唱える人は白い目で見られる。そのため、一度しかない人生をもっと楽しもうと、働き方や生き方を変える人は多くない。

それでも、自分の思っていることを口に出し、理想を語り、人生のゴールを想像したとき、僕は「#私らしいはたらき方」で暮らしたい!と思った。

僕の「#私らしいはたらき方」は、何よりも自由であるということだ。すべてを自分で決めることができる環境で働くことである。

とはいえ、この自由を目指して不自由になってしまう人もいる。だから、僕はそうならないようなシステムやルールづくりが必要だと思っていた。

よく起業して会社を作ることやフリーランスになること=自由と捉える人がいるが、それは違う。株式会社の社長でも雇われ社長だと取締役会での自由がきかない。フリーランスでも仕事がなくて生活のためにやりたくない仕事を請け負っていたら、自由どころか不自由そのものだ。

じゃあどうすれば自由な働き方ができるのか?

それは自分なりのルールとシステムをつくることだ。そして僕がつくったルールとシステムとは次の通りだ。

ルール:やりたくない仕事をやらない

システム:BtoC事業に関しては前金制にする

僕は起業して以来、このルールをずっと守り続けている。なぜか?それは僕たち人間の脳機能と密接に関係があるからだ。

僕たち人間の脳はやりたくないことを避けようとする(クリエイティブアボイダンス)ので、やりたくない仕事をしているときは自然とそのパフォーマンスが下がる。たとえば、何度も同じミスをしたり、遅刻をしたりするのは、脳がやりたくないと判断しているからその指令の一種と言える。

そんな状態が続けば、ネガティブな感情を引き寄せ、脳は前頭前野が働かなくなる。エフィカシー(自己能力の自己評価)も下がり、やりたい仕事へのチャレンジ精神も消える。

こうなると、せっかく会社組織から抜け出し自由な環境を手に入れても、再び不自由な環境に陥ってしまう。しかも、今度は高い給与や福利厚生が望めないから、会社員に戻ることも簡単じゃない。

だから、僕はこの自分で決めたルールを守ることで、常に自由な環境を維持できるのだ。

ちなみに、システムについては後付けである。実をいうと、僕は今年で起業から10年経つのだけど、これまでお客様の中には残念ながらお客様と呼べない人もいた。

サービスを受けてお金を払わない人だ。理由はどうであれ、契約上、僕に責めがないのにお金を払わないのは食い逃げと変わらない。しかし、たとえ裁判を起こして勝訴しても、被告に財産がなければお金は返ってこない。

そのため、BtoC事業に関しては、すべてのサービスを前金制とした。事業を続けていく以上、お金は大切であり、お金がなくなればやはり不自由になってしまう。

ただ、お金だけを追い求めると、友だちをなくしたり、社員がいなくなったりと弊害が出てくる。そうなると、人の自由(お気に入りの人とだけお付き合いする)や時間の自由(社員に任せていたことを自分でやらなければいけない)がなくなり、結局は不自由な状態になる。

だから、お金も時間も人間関係も健康も地域環境も、生きていく上で関わるすべてのバランスを保つことが必要不可欠。

そして、そのバランスを保つためには人生のゴールを見つけて、それに、向かって生きていくこと。それこそが、「#私らしいはたらき方」ができる一番の近道だと僕は信じている。

最後に、僕の人生のゴールをお伝えしたいところだが、それはまた別の機会に譲るとしよう。

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