見出し画像

[ビジネス小説]未来へのプレゼン 第24話 研ぎ澄ませ!絞り込め!

前回のお話

「ただいま戻りました!!」

橘がドアを開けて颯爽と入る。

慎吾と橘は551の肉まんを抱えてオフィスに戻ってきた。

「あんたたち。わかってるじゃない。よくやった!」

佐々木は間違いなく慎吾と橘ではなく肉まんそのものを見つめながら話しかけてきた。

大阪に流れていた2025年への空気感はしっかりと慎吾の脳裏に焼き付いていた。


肌感覚。


心地よいくらいにアイデアが溢れ出そうな予感が伴っている。

東京に戻る新幹線の中で考えていたのは、1970年からの50年とこれからの50年。

そしてそこにたゆたう日本というキーワード。

慎吾はとりあえず今回の旅程で見たもの、感じたものを書き出していく。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
太陽 未来 過去 千里 夢 ±50年 昭和 令和
子供 大人 海 山 空 歴史 淀川 食 ワクワク
明 光 きらきら 関西 大阪 都 都市 変化
原始 時間 テクノロジー もっと 音 リズム 息吹 顔
表情 生物 命 継続 グッと 体感 バトン 世界 目 焼 
焦がれる 手 伸ばす 届く 投げる 走る 勇気
希望 大地 土 古・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ひたすら挙げていく。

気がつくとワードとしてはその数は1000を超えた。

慎吾が思考する時にはここからさらに変化をさせていく。

まずは言語を英語にしてみる

他言語にすることで音の響きやそこから受け取るメッセージ性が変化する。

この時は絞り込まずに音の響きだけを楽しむ感覚だ。 

そして、カテゴリーに分けていく。

品詞ごとに分類する。

名詞・動詞・形容詞・副詞。

ここで組み合わせを行う。

例えば

空+泳ぐ+ゆっくり
sky+swim+slowly

といった感じでつなげてそれを精製する。​

ゆるりと空泳ぎ

slow skyming

のような造語になって行ったりする。

さらにこれらをオズボーンチェックリストで深めていく。

UOCリモートワーク会議術day1.001

9つのボックスに入れてみて色々と楽しんでいく。

例えば「ゆるりと空泳ぎ」を例にとると

①他に転用
 ゆるりと山泳ぎ
 激しく空泳ぎ
②手本にできるものを探す
 泳げスカイダイビング
 気球で空泳ぎ


といった感じで変化をさせてみる。

その時のアプローチクエスチョンがこちら。

UOCリモートワーク会議術day1.003

そうすると複数のものができてくる。

こうして思考を深めることで様々な言葉が降りてくる

ここからは絞り込むフェーズへと入っていく。 

ここからが楽しくもしんどい。

慎吾は目を閉じて心が楽しもうとしているのをグッと抑えた。


『この瞬間を大切にしよう。。。』


インスピレーションは不意に訪れる。

それを逃さないのが慎吾の信条だった。


絞り込みを行うための基準はケースバイケースだ。

作用ポイントは

1.クライアントの意向
2.トレンドタイミング
3.自分軸

の3つだ。

クライアントが望んでいることを見極め、そこに寄せることは最低限満たす必要がある。

その上で、トレンドタイミングを見る。

海外トレンド
国内トレンド
来年、再来年のトレンド予測

そして、最後は

自分軸

何が自分の判断基準なのかを知っておくことが重要だ。

「好き」なのか「嫌い」なのか

「すべき」なのか「したい」のか

こうして絞ったものを社内で上層部において承認を得て

外部へ、世の中へと産み出していく。

ーーーーーーーーーーー

慎吾はじっくりと時間をかけてこの思考を楽しんだ。

和の文化をテーマにしたこのアクションは心の底からやりたかったことだけあり、

途中で思考をやめてしまうのが寂しく感じられた。


『ずっと考えていたい。。。』


しかし、締め切りはある。


『ボチボチかな。。。』


それは一人思考のこだわりから第三者のアドバイスを得ることで更に良いものとなっていくことを慎吾は身に沁みて理解しているからに他ならない。


「内藤部長。よろしいでしょうか。」


慎吾は絞り込んだものを手にして内藤の部屋をノックした。

サポート大歓迎です。!!明日、明後日と 未来へ紡ぎます。