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FOOTWORK vol.1連載05『ウクレレと火』

ウクレレと火 

朝起きると、当番の子が白飯を炊くことになっている。古民家には炊飯器がない。僕も持ってきていない。毎朝、囲炉裏の隣の土窯で炊かなければならない。
当番の子が土窯の支度をしていると、別の子が昨晩残していた火種を起こして囲炉裏の火を大きくする。
囲炉裏の火は、勉強する子どもたちの傍で燃え続ける。火が弱くなると、気づいた子が囲炉裏のそばに近寄って、火を大きくする。大きくなった火を皆が眺める。そしてまた机に戻る。
囲炉裏があると、火を中心にして皆が動き回り、適度な「息抜き」を行いながら、自学自習に取り組むことができた。

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