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鈴たち(冬眠の短歌)

改札のないまちで待ち合わせするとき 一個だけ鈴を持つこと

でたらめに雪をすくって投げつける ボンボボンボン ラブレタがきた

くまのマグカップ倒してお茶を飲む 夜中いっぱい まっ白の床

わたしたち死んでもふたたび蘇る 小指の皮をむしりにだけ来る

ほんとうは便りがなくて何もない 夜ふかしばかりで奥歯がずれる

鈴の音が聴こえたらすぐダンクする 無音のバスケで年が暮れたよ


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