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個展のまえに


書店「nowhere」さんにすてきな企画を用意していただき、絵の個展を行えることになりました。個展は2回目です。1回目はこのまえの年末年始におしごとのおやすみにあわせて自分のアトリエで行いました。場所は非公開、完全予約制で行いましたが20人の方が来てくださりました。外で個展するのははじめてで、しかも東京なのでどんなふうになるのかどきどきします。

個展「いつも誰でもいうことを特別にした」

11月21(月)-27日(日)
12:00〜19:00(最終日は18:00まで)
下北沢・バロンデッセアートギャラリー3階
(bookshoptravellerさん併設のギャラリースペースです・下北沢駅東口より徒歩3分)
東京都世田谷区北沢2丁目30-11  3階
入場無料

2022年4月1日に詩と文の本「いつも誰でもいうことを特別にした」をつくりました。nowhereさんで本をお取り扱いいただいたご縁で、絵の展示ができるはこびとなりました。nowhereさんや、わたしのオンラインショップから本を手に取っていただいた方、ありがとうございます。

わたしは2019年にすてきな演劇のちらしを担当させていただいたことがきっかけで、以前考えたオリジナルキャラクタ「目がサカナの女のこ」という目が魚になっている女の子の絵をボールペンと慶弔ペンでたくさん描き始めました。そのころはむしょくだったので、夜ねむるまえに目がサカナの女のこをかくことだけが唯一継続してできていることという状態でした。それを1年つづけました。


目がサカナの女のこ


遠いところに引っ越して、あたらしいおしごとをしはじめましたがうまく働けず(すぐに疲れてしまいます)眠れなくなりおしごとも行けず、どうしようもなくなってしまったときずっと布団のなかにいましたが、あるとき起きてなにか気が紛れることをしたいというきもちからプレゼントでもらって使っていなかった立派なノートに、水彩絵の具で絵を描いてみました。ふしぎと気持ちがかるくなる感覚がありました。

白だけはアクリルガッシュを使っていました

そのノートはハードカバーのページ数が多いものでした。1冊すべて描き終わるころにはきもちもずいぶん落ち着いてあたらしいおしごともはじめることができました。
ノートが終わるころ、もうすこし色をふやしたいと思いこんどは画用紙に絵を描いてみたり、ちいさなキャンバスを買ってきてアクリルガッシュで描いてみたりしました。

画用紙に水彩絵の具で描いています
この絵たちは手放したので、もう手元にありません

そのあと、引っ越してしばらくたつのにあたらしいところになじめずなんだか暗いきもちがつづいたせいか、色の少ない絵にもどりました。

こころのなかの女のこ

色の少ない絵をたくさん描きました。たくさん描いている期間、病状が悪化して入院したりもしました。

入院中、作業療法のじかんに描いた絵です

退院して、あるときからまた色のある絵を描くようになりました。サイクルがあるのかもしれません。

はじめてキャンバスに色が多めの大きな絵をかいたものです


あれこれしているうちに絵がたくさんたまったので、個展をしよう! と思い立ちました。何もわからないままアトリエがあるおうちをまるまる展示会場にして個展をしました。2021年の年末〜2022年の年始でした。

2019年から描きはじめた目がサカナの女のこもあわせて2年分の絵、約600点を置きました。ぜんぶは並べられなかったのでスライドショなどにしてプロジェクタでうつしたりしました。
予想よりたくさんの方が見に来てくださったのでとてもうれしかったです。すてきな場所でできてよかったです。あたらしいともだちもできました。

2022年になってからも絵を描いています。途中からアクリル絵の具で描くようになりました。いまは時間をかけて描く練習をしているので、描ける量が減りました。おしごとも忙しくなったり引っ越してひとり暮らしになったり、なにかと疲れてしまうのですがそれでも自分のバランスを崩さないために絵を描いています。
さいきん大きく変わったことは、外の世界を見られるようになった気がすることです。厳密には他の人にくらべたらそれほど見ることができていないのかもしれないです。それでも「外の世界がある」ということを認識できるようになってきたと自分ではおもいます。いままではこころのなかのことだけを描いていたものが、すこしだけ外の世界も描けるようになりました。あたらしいひとたちと関わったからかもしれません。さいきんは光をよく見るようになりました。夜の光がすきで、月が光っていたら橋は何色になるのか、街灯のそばではものがどんな色にみえるのか、川に流されずにきらきら光っているひかりの動き方などをみるのがたのしいです。

時間をかけて絵をかくようになりました

今回の展示では絵の変化もたのしんでいただけたらいいなとおもいます。前回の展示を見ていただいた方はもちろん、見ていない方もInstagramに過去の絵をすべて載せているのでご覧いただけたらうれしいです(今回は、前回の展示で飾った絵はもっていきません)。


展示では絵といっしょに本も販売します。絵はいろんな方のアドバイスで自分にとっては高いねだんに設定しているので(以前は千円で絵を販売したりしていました)、お手に取っていただくことはかんたんではないかもしれないですが、本は7年間書きためた詩と文の本で、230ページB6サイズで千円です。増刷したので、たぶん20冊くらいあるとおもいます。

紙の絵はお求めやすくしようとおもいます


本「いつも誰でもいうことを特別にした」


販売の話をしましたがもちろん何も買わなくても、お金を出さなくても見ていただけます。立ち寄っていただくだけで大丈夫です。ほんとうに実際に見ていただけること自体がとてもうれしいので、ぜひご都合があえばおきがるに覗きにきていただきたいです。会場は下北沢にあるちいさなお部屋になる予定です。
わたしが上に書いた経緯で生きるために描いてきたものなので、世界にとってはとるにたらないものかもしれないですが、実際に見た方が、もしなにか感じていただけるなら不思議なことだしうれしいなとおもいます。
わたしも期間中は東京にいきます。ひさしぶりの東京とてもたのしみです。むかし住んでいたので、まだいったことがないところに行きたいなとおもいます。

それでは、11月たのしみにお待ちしています。

✴︎2022/09/28

(Lemon-2℃)


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