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【読書感想文】具体と抽象

「もっと具体的に言って」とよく言われたし、言ったことがあります。
「具体=わかりやすい」「抽象=わかりにくい」という考えが根底にあったからだと思います。
わかりやすくするために具体的にする、提案書も具体的に書く。
しかし、具体だけだと「結局何したいの?」ということがわからないということもありました。

「具体だけではわかりにくいので、抽象的に説明して」ということもあるのかもしれません。
数学は抽象概念が強い学問です。
例えば偶数同士の和が偶数になることを具体だけで説明しようとすると無限にパターンをやらなくてはいけなくなります。しかし、文字という抽象概念を使えば「2m+2n=2(m+n)で偶数になるといえる」とすぐに説明できてしまいます。

「具体と抽象」の本には何度も「具体と抽象のピラミッド」が登場します。
問題解決や伝わりやすい例を考えるときは具体→抽象→具体の過程を経ることがいいと本書ではいっていました。
確かに「コーチング」でも現実→理想の状態→行動計画を考えます。最近やっている書く瞑想も同じようなことをしています。手法は違えど、やり方の方針を見るとこの形になるのではないかと感じています。(この考え方も抽象化)

あとは話がかみ合わないのは、抽象や具体でのレベルがあっていないからという指摘は面白かったです。部下が具体レベルのことをいい、上司が抽象レベルのことをいう。これは自分の職場でもあるなと思いました。管理職が抽象レベルのことをいい、教員が具体レベルのことをいう。この考えを知っておけば、「あ、今かみ合っていない」とか「これは管理職の方針をくみ取ればこんな風にしてもいいだろう」とか考えるようになりました。

「具体と抽象」という本を読んで、「この行動が具体的に変わりました」とは言えませんが考える方針や「具体と抽象」のことを当てはまることはするようになりました。
ちょっと難しい本ですが、「具体と抽象」の方はとっつきやすく、もっと詳しく知りたい場合は「具体抽象トレーニング」がおすすめです。


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