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岩木山麓の手づくりメープルシロップと不思議な店主

「弘前市で、メープルシロップを手作りで作っている人がいる。」

ある日、そんな興奮するような情報が飛び込んできました。どうやら岩木山麓の百沢というエリアにある「メープルハウス山村」というところで、そのメープルシロップを作っているらしいのです。

国産のメープルシロップ。今まで食べたことがない。一体どうやって作っているんだろう。気になることがいっぱい。さっそく行ってきました。

この看板も手作りしてそうな雰囲気。

現地に到着すると大きな看板がありました。うん、これは分かりやすい。

「なるこ」はじめて聞いた。

お店に行くと誰もいない。戸のところに「裏山にいます なるこ たたいてください」の文字が。「なるこ」は写真左に見える木のやつです。これを思い切り叩くと良い音が山中に響き渡る。叩いたあと少し待っていると店主が「いらっしゃい」と、どこからともなく現れました。なんだこの世界観・・・!

もしこの量を買ったらいくらするんだろう。

さっそく手作りメープルシロップを見せてもらいました。大きなボトルに入ったメープルシロップ。煮詰めた後だから色もメープルしている。ちなみにこれは売り物ではないそうです。

芽吹樹の雫。

こっちが一般の人が買える、かわいい瓶に入ったメープルシロップです。商品名は「芽吹樹の雫」です。

全体が鉄製のアイロン。

お店には物販もありました。山で採れたアケビの蔓などを使った民芸品や木で作られた日用品や雑貨が並びます。どれも店主の手づくり。そこにあった昔のアイロン。昔は中に炭を入れていたんですね。これは値札がついていないから売り物ではなさそう。

裏山に移動中。

メープルシロップの原料なるイタヤカエデの樹液を採っている最中だと聞き、お店の裏山にあるイタヤカエデがある林に連れていってもらいました。

川をきれいに。守りたい、カッパの笑顔。

移動中、「ここ、カッパでるから気をつけてね」と店主。辺りをよく見ると注意看板が。驚く私。店主にんまり。なんて世界観だ・・・!

樹液採取中。

こちらが樹液採取中の様子。手づくりの味わいがにじみ出ている装置。木に直径1センチくらいの穴をあけ、パイプを差し込んで樹液を採取しています。樹液は1, 2月ごろから採りはじめるそうです。

こうやって採取した樹液を、約6時間くらい煮詰めて、糖度65度くらいになったらメープルシロップの完成だそうです。煮詰め始める時間は、深夜1時くらいからで、その間はずっと火の番をしながら過ごすんだとか。かなり大変な作業だ。でもその大変な作業のおかげで、美味しいメープルシロップが食べることができていると思うと、とてもありがたい限りです。

この日は3瓶買いました。
さらっとした感じ。

味が濃く風味も強い、それでいてシロップ自体がさらっとしているので後味がさっぱりしています。こんなに美味しいメープルシロップを食べたのは生まれて初めてです。もう市販のメープルシロップには戻れなくなりそう。また買いに行ってきます。美味しいメープルシロップと不思議な世界観の店主に会いに。


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