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完走した感想 2022 Ⅱ

※感想のためちょっとネタバレが入ります。

企画概要


ということで企画でゲーム「マーブリングクリア」と「一極累坐」の2本を作りました。

なんでこの企画をしたのか

合同本「骨肉」(https://note.com/maduzu/n/n1f8987428580)でしこたま小説と絵を制作した二人は、温まった肩でもっと修行がしたいと思っていた。
そんなときにでた話題が、「キャラクターの人間味」についての話だった。人間味のあるキャラクターというのは、「良い」だけじゃなく、「難」な部分もあるよね。しかしその「難」から生まれる葛藤は読み手も感じたことのあるような割り切れないものだから魅力だよね。そんな会話をした記憶がある。

そこで出てきたのが、「最悪」(良い意味)という言葉だった。読み手が「最悪~~!!」と思える状況は葛藤の極北にあるのではないか。

ということで、キャラクター力とでも言うのだろうか、感情表現の修行のために「最悪」を作ることになった。(ディスコに企画用チャンネルを作った時のツイート)

修行目的なので普段は書きなれていないキャラクターを動かしてみたい。せっかくなので自分の好きな設定とキャラクターを交換したらヤバい興奮するのではないか、ということでこういう形態にすることになった。

コンビの設定作るのってムズ~~~~イ!!

考えてるときのメモ

前回(トロイメライの墓・ゴーストシックス)との大きな違いは、二人組の設定を考えること。この設定をベースにして話を作る/作ってもらうため、話の作りやすい発展性のある設定を考える必要があるなと思った。
そして、今回は「最悪」である必要があるため、どうあがいても発展しようがない設定というか、もう「スタート時点から詰み」みたいな設定にしたかった。

巧の名前が最初は満だったっぽい。「満」という名前のキャラはいるのでボツ。

そこで「最悪」な状況を作るために私が出した結論が、お互いの持っている部分がお互いにほしいものである関係性だった。

その結果作ったのがこれ。

設定の壁(やや本編のネタバレ気味!)

(初さんが作ったモメン・ワタの設定はこっち) 


普段は構成を作ってからキャラクターの設定を詰めるので、手順がいつもの逆だったせいか、白紙の地図をフリーハンドで書き始めるような不安があった。その他のたとえをすると、器具と具材はあるのにその手順をまったく知らないで作らなきゃいけない料理というか。料理って完成したものを想像しながら具材を買う。でもこれは具材だけこっちで用意して調理のターンは誰かに任せるようなことをしていて、ちゃんと満足いく素材を料理人に提供できたかしら……具材が足りなかったらどうしよう……みたいな不安があった。
なので、とにかく使いやすい食材を用意できるよう頑張った。


ムズ~~~~イ!!

ゲームのシナリオを書いて思った事。
普段、キャラクターを作る時にブレーキをかけていることに気づいた。これ以上「難」な部分を描くとプレイヤーに嫌われてしまうかもしれない、ドン引きされてしまうかもしれない、という線引きがあって、それをこえないように無意識にマイルドなキャラ付けの調整をしている。
マーブリングクリアはキャラクターの「難」ではなく実在感で人間味を出そうと試みて、一極累坐では普段かけているブレーキをちょっと超えて「難」を表現してみようとした。

暴れ馬

木綿・綿は私がまず描かないキャラクターで動かしていて新鮮だった。特に木綿は暴れ馬のような感覚で、キャラクターを制御するのが難しかった。木綿のしゃべり方を習得するために、ゲームとは別にセリフを書いてシュミレーションして準備の上挑んだが、それでも手綱を握るのに苦労した。また、ストーリーに丸得基地でブレーキがかかる展開(※嵐の日)があり、その部分はとても悩んだ。そういう意味ではマブクリは存分に「難」に挑戦できた気がする。

巧が本音と建て前で話すのでセリフの管理が大変だった

一極累坐はブレーキを我慢することに挑戦したが、中でも夏目 巧は挑戦的なキャラクターで、「嫌われてしまうかも……」と思いつつ思い切って負の感情を溢れさせてみた。今の所、プレイヤーの方々に巧は可愛がられているように感じていて、キャラクターを受け止めるプレイヤーの懐の深さを感じた。

今後はもうちょっと我が子が嫌われてしまうかもしれない不安を恐れずに、ストーリー・キャラクター共にブレーキを遅めにかけれるようにしたい。

もっとギリギリに挑戦した~~~~い!!


話作るのって面白~~~~~~~~い!!

面白かったのが、二人が別々に作ったゲーム(「マーブリングクリア」「星食に私を」)で、同じお話の問題「木綿/モメンは吸血鬼になるのか?ならないのか?」にぶち当たったことだった。お互いのお話がどんな内容なのか知らずに作ったのにも関わらず。面白い!!
お互いに真剣に設定を読み取って話作りに挑んだからこそ、同じお話の問題にたどり着いたんだろうと思う。しかし、2つの話は同じ問題へ向かっていくが、そこに行きつくまでの過程や盛り上げ方、キャラ付けの仕方などが異なっているいるため、全然違うキャラクター・話になっている。大枠こそ同じだが、そこにたどり着くための方法の違いこそが「作家性」なのだと思った。
また、一極累坐/楽土よ檻へは、設定上関係性を発展させるにはキャラが傷の共有をするだろうなと予測はしていたものの、最終的な関係性は作家の好みが存分に絡んでいて面白い!!
作家の考え・経験・生き方などはキャラに大きく関係するんだと感じた。ワンパターンにならないために、もっと色々経験したり感じたりしなければならないと思う。また、主役の設定が決まっていればおのずと物語の進みたい方向が決まってしまうとも思えたので、「ストーリーに最適な設定」はこれからも話を作る前にじっくり吟味しなくてはいけないと感じた。

面白れぇな~創作!!
難しいな~創作!!

まとめ

同じキャラクターの関係性から話を作ることで、より「作家性」が浮き彫りになった。自分がどういう話を好むのか、どう盛り上げるのかを客観視できるいい機会でした。いろんな作家にこういう企画をやってみてほしい。私もいつか完全なプレイヤーとして作家性の違いを味わってみたい。
また、性癖設定の作品を相手に作ってもらえるっていう最高の体験ができたので最高でした。設定を考えたのは自分だけど、そのキャラクター達が自分ではやらない・ブレーキがかかるタイプのシュチュエ―ションで出てくるので興奮します。逆に、相手にとっても同じことが言えるため、自然に作った話で相手を瀕死に出来るのが楽しいです。(勿論楽しいと言えども)ネックはゲームを2本作る必要がある事です。

お墓にいれよ。

作ったゲーム


学世 初(@nemuritaa) キャラデザ・設定



丸得基地(旨味 まづ)(@marutoku_ktgi) キャラデザ・設定



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