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物欲の泡がブツブツと。

少しまえまでは「いざ! 断捨離!」という気持ちがすごくあった。それなのに。なんだか、いろいろほしいものが出てきて、自分のことながら戸惑いを隠せない。

分別してゴミを出さなくちゃいけないので、まとめたゴミ袋をクローゼットの中に入れておいて、捨てたとたんスッキリして気持ちがよかった。捨てるのが忍びないものはメルカリに出品もした。一冊ごとにメルカリに出すと、手数料やら何やら手間がかかりそうな本は、まとめて持っていってくれるサービスを利用した。

もともと購入しただけで満足してしまってしまい込んでいたり。買ったのはいいけれど、使うのがもったいないように感じてしまって、眺めているだけだったり。使っていくうちにすり減ってしまったり、壊してしまうかもしれないと思うと、使うに使えない、というのもあった。

この性質は私だけじゃなくて、夫も同じだった。「これは、保存用にしておこうかな。飾ってしまうと、日に焼けて変色するのもいやだし」などといってしまい込んでしまう。時々取り出して、眺めながらニヤニヤしている夫の姿をこれまでに何度も目撃している。

しかし、一年前くらいから「いや、そうは言っても。同じようなものはたくさん持ってるし、いい加減処分しよう。使ってないものが多すぎるし」そう思うようにもなった。食器やら、文房具類やら、一度も袖を通していない洋服やら。メルカリに「コレクション整理のためお譲りします」と、低下よりも安く出品すると、わりとすぐに買い手があらわれた。

結婚前にいろいろと買いそろえたアクセサリーも手放していった。結婚後、体質が少し変わったのか、アレルギーも出やすくなってしまいネックレスやピアスをつけられなくなった。持っていても使えないのだから。そう思うと難なく手放すことができた。ただ、金属アレルギーではないのか、指輪だけはつけていられるので、指輪はいくつか残していた。

しかし、だ。モノを減らそう、断捨離をしようと思っても、いろいろとほしいものが目の前に表れる。おもしろそうな本や、使い勝手が良さそうで、デザインも良い洋服。綺麗な石のついた指輪など、「うわ! ほしい」と心が大きくぐらりと揺らぐものが次々と現れる。「ほしいものが、ほしいわ。」という糸井重里さんの名コピーが頭の中をぐるぐる走り回る。

どうやら私には「モノを減らしたい」と思う時期と、「とにかく買いたい」と思う時期が交互にやってくるらしい。

指輪なんて、手の指の数は限られているのだから、家にあるひとつで充分じゃないか。しかし、会社からの帰る電車の中で、ついついインスタグラムを覗いては「あーこれ、かわいいなあ」など自身の購買意欲を高めたりする。もちろん、何でも買える訳じゃないので、結局は「貯金していつでもつかえるようにしておこう」となるのだけれど。

ほしいものはたくさんある。いま一番悩んでいるのは「名刺」。ペンネームの名刺を作ろうかと思っているけれど、配る需要はいまのところ限られている。ただ、作るなら好きなフォントで作りたいという謎のこだわりがあって、フォント買うかも迷っている。

フォントワークスさんがつくっている筑紫Q明朝という書体。かっこいくて、大好きなのだ。

小さな物欲のかたまりが、泡のようにブツブツと沸き上がってきてくる。ぱちんとはじけて消えてしまうものもあれば、大きく膨らんでいく一方で「ほしい」という気持ちが高りつづけていくものもある。

頑張って、働いて、稼ぐぞー! という気持ちにもなっているから、悪いことではないと思いたい。






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