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いつだって変わらないキミが好き
ここのところ、決まって早朝にたたき起こされる。
比喩でもなんでもない。ネコにたたき起こされるのだ。
初めのうちは枕元をうろうろしているのだけれど、次第にぺしっぺしっと前足でおでこを叩き始める。
にゃーにゃーと騒ぐよりも、叩いた方が人間は起きる、と覚えてしまったらしい。わたしは髪の毛を引っ張られる。でもこれはまだ良い方。夫を起こす方法はもっと過激。窓の出っ張りに登り、そこから体の上に飛び降りてくる、ジャンピングアタックとでも言えそうな攻撃を仕掛けられている。
夫かわたしのどちらかが起きるまで、ネコは絶対に諦めない。
睡眠時間を削られると、疲れが取れないし、今は免疫力を高めたい。となれば、もう一早く起きるしかない。ネコさまが何を要求しているかを見定め、ミッションをこなしたのち、また布団に潜って眠るようにするより他にない。
スクワットをするときには足の間をすり抜けて、プランクをするとき、プッシュアップをするときには、体と床の間をすり抜けようとする。とにかく邪魔をしてくる、というか遊んでいるつもりだろうか。
ただ、いつだって変わらなくって、マイペースな彼がいることが本当にありがたい。
ワイドショー的なテレビはほとんど見ていないし、自宅で過ごす時間が多いこともそれほど苦ではない。
社長が英断してくれて、とりあえずカフェは一時休業。いろいろ調べたものの、保証の対象外なので、現時点では厚生労働省の支援は受けられそうにない。下手したら閉店になる可能性もある。デザイン業もわたしの仕事だけを見るならば今は端境期。できることは自宅での作業になる。電車通勤が怖かったので、ありがたい。
ただ、実家には当分帰れないことや、夫の両親が心配なこと、離れて暮らす友人が心配なことなど、とにかく心配が押し寄せてくることには変わりない。
それでも人間たちが大変なことなんて、なーんにも気にしないで暮らしている猫がいることが、本当にありがたい。
部屋に侵入したガガンボを発見し、夢中な様子。とにかくひたすら見つめている。うっすら見える黒い影がガガンボ。
ウロウロして、手を伸ばせば届くかどうか、思案中。
うーむ、ここからは届かないか……?
間合いを詰めて……攻撃!
ガガンボは攻撃をくらい、へろへろに弱っていた。その後姿を見ないので、死んでしまったのかもしれない……。弱肉強食の世界よ。
トラックのエンジンや、インターフォンにビクビクして、お留守番を不満げに感じていた彼にとって、わたしが家にいることは意外と安心なのかもしれない。もっともわたしにとっても、ネコが家にいることがこれほど心強いとは。ありがたい存在だ。
いつ収束を迎えるかわからないけれど、ネコがいつも通りに過ごしてくれるおかげて、我が家はちょっと安らげる。
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