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自分のために、文章を書き続けてもいいんだよね。(cakesnotefesレポート)

6月29日・30日の二日間に渡って開催された「cakes note fes」。私は29日にの一日だけですが、行ってきました。

わたしが気になっていたトークイベント「悩みに寄り添い、書き続けること」登壇者はサクちゃんさん(クッキー屋経営)・スイスイさん(エッセイスト)・Dr.ゆうすけさん(内科医)(以下、敬称略)

このタイトル、ずばりそのものが、わたしの悩みでもあったんです。それというのも、わたしがnoteに書いていることって、あんまり人のためになるような内容じゃないんです。自分の中で「こういうことがあったな」と、すこしは消化できたものごとだとか、日記的なものばかりです。「#コンテンツ会議」への投稿は、結局自分が読んだ本や、体験したものごとでも、言語化できるものばかりを扱っています。自分の中で、まだ落としどころが見つかっていないものごとに対しては書けずにいて、もやもやした気持ちが渦巻いたままです。

結局、自己満足でしかない文章を書いて、こうしてnoteに載せていていいのだろうか? 誰かのためになるような、それこそ誰かの悩みに寄り添えるようなものがかけるようにならないと……。そんな悩みも少しありました。もちろん、文章を書く技術が追いつかない、という決定的な事実もあるのですが……。

しかし、このトークイベントが始まってすぐに「え? そうなの?」と思う発言が。

サクちゃん「今回、お題をいただいてテーマに沿って話すことになったんですけど。そもそも、寄り添って書いてないよね? という話になったんですよね」

Dr.ゆうすけ「寄り添ってないよね」

スイスイ「あ、でも、ごめん。わたしは寄り添ってるかも笑」というところからトークイベントがスタート。

(メモをしていなかったので、「こんな感じのニュアンス」なのですが)

スイスイのすごいところは、「わたしに対して送られてくる悩み相談は、わたしも悩んだことがあるから」と言い切ったところ。もちろん、いろんな悩みを人は抱えていますし、環境こそ違えども本質的には似たり寄ったり、というのはあるだろうなと思います。でも、「送られてくる悩みのすべてを一度悩んだことがある」とは、なかなか言えないと思います。でも、「一回悩んだことがある=あなたの悩み、分かります」というわけではなく、わたしはどうだったか、とか自分の体験に置き換えたりしないとお悩み相談にはならないし、と。そういう意味での「寄り添っている」ということだという。

サクちゃんとDr.ゆうすけの立ち位置はまたかなり違っていました。Dr.ゆうすけは「内科医」である、ということも含め「寄り添うにはよっぽどの覚悟がないとできない。それこそ、家族になる、というくらいの」という寄り添うという言葉に対するスタンスそのものが違っています。内科医ではあるけれど、メンタルヘルスに興味がある、ともお話しされていました。お医者さまの立場や経験から「寄り添う」という言葉には重みがあって、簡単には使えない、ということなのでしょう。

サクちゃんは「わたしは、わたしのことしかかけなくて」とお話しされていたのもちょっと驚きました。誰が読んでも心に刺さるような文章を書いていらっしゃるのに「誰かに向けて、とか誰かのためにというかんじでは書いていません」と。

サクちゃんも、スイスイも「書き続けていくうちに、自分のなかにわだかまりがあって、同じモチーフなのにいつもひっかかることがある」と言ってらっしゃって、そのひっかかることや、もやもやした思いを自分自身のために言語化すればいい、とお話しされていました。どんどん書けばいいんじゃない? と。


自分自身のもやもやした気持ちや、憂さばらしに近いようなこと、スイスイの言葉を借りるなら「ダサい自分に対するわるぐちみたいなもの」を書いていってもいいんだなと、すっと気持ちが楽になりました。なんというか「よく見られたい」とか、「いいこと言ってるな」と思われたい気持ちがわたし自身の中にもやっぱりあるんです。でも、そのために取り繕った言葉を書き綴っているだけじゃ、誰かの気持ちに寄り添うどころか、自分の気持ちの整理にもなり得ないんですよね。ただ、今日も書けたな、っていうノルマの達成にはなると思うし、もちろんそういう日もあるとは思うんですけれど。

たくさん書いてみても、そんなに人は見ていないから、どんどんnoteを書け、というサクちゃんの締めくくりの言葉でトークイベントは終了しました。


ダサい自分をさらけ出せるかとか、いや、でも恥ずかしいよねという気持ちはやっぱり、あります。でも、結局自分のこころにあるわだかまりを、取り出せないままずっと放置しているから、ぐずぐずに腐ってしまって余計に触りたくなくなっていることも確かなんですよね。

誰かのために役に立つ内容じゃないと、とか、体裁は整えておかなくちゃ、みたいなことは、あんまり考えなくてもいい。自分のなかにあるぐちゃぐちゃとしたことを小ギレイにまとめる必要はなくて、とにかく言語化すればいい。サクちゃん、スイスイ、Dr.ゆうすけの三人にぽんっと背中を押してもらえたトークイベントでした。




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