わが家を動き回る点P
今日もわが家の天井には、点Pがいる。
いや、いるというより、私がそう呼んでいるだけだ。縦横無尽に動く点P。
点Pと聞いただけでピンとくる人もいるだろうけれど、そうでない人のためにちょっとだけ補足説明する。
点Pとは、主に数学の問題で現れる、めちゃくちゃ動き回るナニか、である。
センター試験の時期になると、Twitter上で点Pの活動報告が見られることがある。
ある放物線上に動点Pが一定の速度で動いている場合に……などの問題が頻発する。
例 AB=4cm, BC=6cmの長方形ABCDがあり、点PはAを出発して毎秒2cmでA→B→C→Dと進む。 出発からx秒後の△APDの面積をycm2とする。 参考サイト:中学校数学学習サイト 一次関数の利用(動点)
例題はまだ中学レベルだし、わかりやすい。ただ、点Pは徐々にレベルアップし、複雑な動きを見せるようになる。
わたしはもう高校数学からは遠く離れている。問題を読んでも「なんでそんなにあちこち動き回る? じっとしといてほしい。そもそも点Pってどういう物体?」としか思えないのだけれど。とにかく点Pは動き回る。動き続けて学生たちを困惑させている。
わが家にいる点Pも、動き続けている。しかし、ひとつじゃない。たくさんいる。数学の問題なら点Pと点Qと、点R……みたいな感じだろうか。
ただ、個体識別できないので総称として点Pと呼ぶことにきめたのだ。
もっとも、その個体をもっと尊重するならば、おそらく点Pではなくて点Sとするべきなのだ。勘のいい方はお気付きも知れないけれど、SとはspiderのSである。でも、点Sっていうのも耳慣れない。
普通にクモって呼べばいいのかもしれないけれど、なんとなく天井に着いてるクモは黒い点にしか見えない。そして、何かの拍子で別の場所に移動している。もう、点Pとしか思えない。
わが家の点Pは、ネコに襲われることがあり、しばしば消滅する。動き回る点Pと消滅する点P。消滅したら数学的にはどういう問題になるんだろうか? と思いながら、ネコに見つからないようにと、そっと逃がしてやる。
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