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月より団子

今年もまた、コンビニやスーパーでお月見団子を見かける季節が巡ってきた。

今年は9月13日が十五夜だ。「花より団子」ならぬ「月より団子」とまでは行かないだろうけれど、空を見上げて月を見る余裕は欲しい。

わたしは以前、お月見団子を作るアルバイトをしたことがある。その様子を昨年noteに書いていた。

正直に言うと、お月見の日だからって、「お団子を食べよう!」という習慣になっていない気がする。「お月見」という言葉自体はすごく浸透している。けれど、「じゃあ何かしてる?」といわれると特に何もしていない。

七夕なら、短冊に願い事をかいてぶらさげることもあるだろう。お花見ならば、それこそブルーシートを敷いての宴会が各地で繰り広げられている。

そこに来てこの「お月見」だ。お月見的なイメージはある。お団子をピラミッド型に積み上げているのと、すすきの穂をかざっているもの。秋の恵みに感謝し、奉納するという意味合いが強いのだろう。さといもを食べる風習もあるという。

けれど、イメージ通りのお月見はそれほど楽しそうな行事ではない。風情がある、といえばいいのだろうか。

多くの人に浸透しているのに、それほど盛り上がるイベントがあるわけでもない「お月見」。これはすこし寂しい気がする。すでに、ハロウィンの勢力が強い。スーパーなんかだと、もうハロウィンをイメージしたかぼちゃのイラストが店頭を飾っている。

十五夜になる日は、毎年違っているからあまり盛り上がらないのかな、とも考えてみる。けれど、土用の丑の日だって、毎年同じ日にちじゃない。それでも「ウナギ・うなぎ・鰻」と猛アピール。いや、確かに美味しいからその日くらいは食べたいなあと思うけれど、そもそも土用の丑の日にうなぎを食べなきゃいけない、というわけでもない。うなぎの旬は冬だし、もう食べつくされてしまう勢いだ。

わたしの実家だと、夏至から十一日目に訪れる「半夏生(はんげしょう)」という日にタコを食べる習慣があった。関西では一般的な行事なのかは、わからない。毎年その日はタコときゅうりの酢の物を夕食の一品だった。

関東ではほとんど見かけない習慣だなと思っていたけれど、今年大型スーパーにいくと「半夏生タコ」とか「半夏生サバ」と鮮魚コーナーにポップが並んでいた。ただ、それでも習慣化されていないためか、それほど売れているという気配でもなかった。

なんだかずいぶん話がそれてしまったけれど、「お月見」という意識が日本には広がっているのだから、その日になにかこぞってこれを食べましょう! といった「月より団子精神」でのビジネスチャンスがあるように思う。和菓子業界とか、あとは肉団子とか? 月を見ながら何かのイベントとか。えーっと、かぐや姫を呼ぶとか……。かぐや姫コンテストとか? 

まあ、パッと思いつかないから、思いのほか難しい。夜空を見上げて、月を眺めるくらいが、ちょうどいいのかもしれない。


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