見出し画像

ひとりで着物を着られるようになりたいので、自主練をはじめます。

もう何年も「やりたいな」と思って、でも思っているだけで行動に移せずにいたことがある。

それは「ひとりで着物を着られるようになる」ことだ。

最後に着物を着たのは、四年前くらい。職場の上司の結婚式に、着物を着ていったことは覚えている。その日は、ひどい雨風だったことと、草履が壊れてしまったことを覚えている。

草履は、もう何度も履いていたし、おそらく経年劣化によるものだったので、しかたない。

わたしは、割と幼いころから着物を着る機会があった。母が若いころに和裁を習っていたし、着付けもできた。また、姉も大学を卒業してから着付け教室に通っていたので、姉に着付けてもらうことも多かった。

小学生くらいのころは、母が仕立ててくれた、「ウールのアンサンブル」とよんでいた着物(いまひとつ、どういった種類なのかは、母に聞かないとわからないのだけれど)をお正月になると着てすごしていた。着物を着て、近所の神社に初詣に行っている写真も残されている。

成人式の際には、姉とわたしのそれぞれで、母が懇意にしていたきもの屋さんで振袖を仕立ててもらった。姉は紺色の、わたしは赤から黒にグラデーションの振袖だった。

成人式で作ってもらった着物は、それなりに重宝していて、大学の卒業式や、友人の結婚式の際に何度も着ている。わたしが結婚して、振袖を着られなくなっても、母は「振袖の袖を切れば、訪問着とかになるし。そのぐらいはやったるで」と和裁の腕を発揮して、振袖も作り変えてくれた。

友人の結婚式のときも、「着物が家にあるんだから、わざわざワンピース買わなくっていいか」と思い、何度か着物を着ていったことがある。はじめのほうに書いた、上司の結婚式も同じ理由だ。

もう何年も前から、自分で着物を着て、気軽にお出かけできればいいのにと思うことが増えた。

着物は苦しいというイメージが多いようだけれど、わたしはいままで苦しいと思ったことはない。おそらく、着付け次第だろう。長じゅばんやら帯やらと、なんども紐をぎゅっと結ばなくちゃいけない。その結び目が胃のあたりにあると苦しく感じるのだと、姉が着付けをしてくれたときにそう言っていたのを覚えている。

着物なんて、お金持ちの着るものでしょう? と思われるかもしれない。確かに、いろいろとハードルが高い。毎日の暮らしに着物を、というのはおそらくいまのわたしの仕事を思えば不可能に近い。そう思って「あー、いつかはひとりで着物が着られるようになりたいなあ」と、なんだかものすごく憧れの物事のように考えていた。

しかし、少し前に、着物のお店のかたとすこしお話しする機会があった。その方もお若くて「着物へのハードルって、ついつい高くし過ぎて、わたしもはじめは着られませんでした」とおっしゃっていた。

しかし、「年に一回、この時は着物を着ようとか、そのくらいの感じで初めてもいいんだと思います。洋装のお洋服だって、年に一度か二度しか着ないものだってありますし。着物を着るのが一大事ではなく、慣れていくしかないんですよねえ」と、笑いながら言ってくださった。

着物イコール難しい、という方程式がわたしの中で成り立っていたけれど、ふいに「あ、そんなに難しく考えることないかも」と思えるようになった。

着付けてもらうことが多かったけれど、自分でささっと帯さえできるようになれば、多分なんとかなる。ちなみに、帯が崩れても、着物のすべてがはだけてしまうわけではない。はじめのうちは着物が崩れることは覚悟のうえで、とにかく着て、慣れてみようと思う。いまのところは、イメージトレーニングしかしていなかったけれど、「いつか着られるようになりたいなぁ」なんて夢見がちなことを言っていたら、いつまでたっても着られはずはない。

着物は高価だと思うけれど、メルカリなんかでしらべると、帯も着物もピンキリだ。まずは練習用の帯を1200円で買ってみた。これはいま、発送を待っているところ。あと、もろもろの小物(帯枕とか、腰ひもとか)もセットで三千円くらいで購入済。実家にあるものも活用していけばいいかもしれないが、練習中はネコがじゃれつくのは覚悟の上なので、すこし上達したらいろいろ相談しよう。

着物にはいろんなルールがあって、そこはちょっとむずかしい。けれど、「あなた、この着物はおかしいわよ」などと、町中で指摘してくださる、いわゆる「着物警察」とよばれているような、おば様に出会えれば、こちらとしてはしめたものだ。
「あー、独学で、勉強不足でした。全然知りませんので、教えてください!」と、むしろ教わりたい。

夏には「夏の着物を着用する」というルールがあるので、夏以降に向けて、まずは帯を結ぶ自主練習をひたすら繰り返そう。秋ごろに「着物を着てお出かけしました」という報告noteを書けるようにがんばります。



最後まで読んでいただきまして、ありがとうござます。 スキやフォローしてくださると、とてもうれしいです。