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なにげない普段の暮らしのありがたさよ

ここ最近、暮らしのリズムが崩れていてなかなか疲れている。

全国的に報道されていたと思うけれど、少し前に目を疑いたくなるほどの大きな電車の事故が起きた。

わたしは毎日その電車を利用しているので、普段何気なく乗っている電車の痛ましい事故に胸が苦しかった。あの横転した電車にわたしが乗っていてもおかしくなかった。

振り替え輸送での帰宅を余儀なくされ、いつもとちがう電車に揺られた。降りる駅を間違えないように、駅に停車するたびに必死にアナウンスを聞く。駅員さんたちはひっきりなしに頭を下げていて、そんなに謝らなくても、と思いながら家路についた。

翌朝には、私が利用する区間は問題なく走っていたのだけれど、どこか神経質になっていたので朝の通勤だけでぐったりと疲れてしまった。

週末には電車は復旧し、利用する立場としては「ああ、よかった」と胸をなでおろした。事故自体はすごく痛ましいもので、電車とトラックがぐちゃぐちゃになってしまっている映像を思い出すたびに胸が痛くなるけれど。


月曜日の朝は何事もなく出社できるかなと思っていたら、甘かった。

今度は台風が直撃していて、また電車は運転見合わせとなっていた。電車だけではなく、わたしの住まいは停電になっていた。夜中の2時くらいから10時まで停電が起こってしまい「冷蔵庫の中身はどうなってしまうだろう?」と、銀色の大きな箱の前でぼんやりと考えていた。

冷蔵庫をそっとあけてみると、電気がともっておらず薄暗い。牛乳とヨーグルトをさっと取り出して、また閉じた。あまり開閉しなければ、冷気は少しは保たれるはずだ。

ガスは普通に使えたのだけれど、先日テレビで見た「崖の上のポニョ」の「電気はつくかな~?」とか「ガスはつくかな~?」というリサと宗介のやり取りを思い出す。うちはプロパンガスじゃないけど、ガスはついた。けど電気は付かない。夫の釣り道具であるランタンを活用する。

外に出てみると、お隣のお家の木の塀が壊れていた。全部吹き飛んでいたら、うちの窓ガラスが割れてしまっていたかもしれない。けれど、吹き飛ぶほどには壊れていなくて、ぶらんとぶら下がっていた。お隣のおばさんも「この程度の被害で良かった」とほっと胸をなでおろしていた。

毎日なにげなく会社に行って、当たり前のように仕事しているけれど、それは全然当たり前じゃあない。昼前に会社にたどり着くと、カフェスペースに水が侵入していて、床に水が溜まっていた。

小一時間くらい水を外に掻き出す作業に明け暮れて、「今日は掃除しに来たんだっけ?」とぼんやり考えてしまった。

毎日毎日、おんなじことの繰り返しで嫌になっちゃうよ、と思える日は、本当はとってもありがたいことだと、床を拭きながら考えていた。




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