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それではまた、七年後に。

仕事で気がかりになっていたことが、ひとつ終わってホッとしている。それは保健所の衛生検査。

飲食店ではお店を続けていくにあたり、営業許可が必要となっている。私が務めているカフェは2011年12月にオープンして、それからほそぼそとお店を続けている。はっきりいってあまり繁盛してはいないのだけれど。

ほそぼそとはいえ、「営業を続けるのであれば、営業許可書の更新が必要です」といった通知のハガキが10月の初めに送られてきていた。営業許可書の更新にはいくつかの書類の書き換えや食品衛生責任者証の書き換えなど、いくつかの条件がある。

そしてその条件の中に「保健所職員による実店舗の立会検査」というものが含まれていた。飲食店をオープンするにあたり、お店には兼ね備えていなくちゃいけない設備がいくつかある。給湯器だったり、食器洗い用と食品洗浄用、それぞれのシンク。手洗いようの洗面台など。これらはきちんと決められているのだ。ちなみに開店前にも保健所の職員さんによって点検を受けなくちゃいけない。合格したならば晴れて営業を開始することができる。

カフェのオープン前に、確かに保健所の方による立会検査が行われたのは覚えている。けれど、その際にどんな点検項目があったかはあまり記憶にはなかった。許可の更新時にはどういったところをチェックされるのだろう? シンクなどの設備面の検査だけではなく、普段の食事の提供についてなども、きっと厳しくチェックされるに違いない。

色々と心配になり、ググってみると「まな板の細菌検査をされます」とか、食品の購入点検表などを提出しました、などと書いてあるブログなどもある。

食べ物や飲み物を提供しているのだし、「おいしいね」といってもらいたいし、良い加減な調理は行なっていない。けれど、厳密なるチェック体制かと言われると、「はい」と返事をできそうもない……。

社長もあれこれ心配し、「こういうことを言われたら、次の検査までに是正すれば良いのかな? もしかして営業停止とかもあるの?」などと質問してくる。いや、私だって知りませんよ、といった会話を頻繁に行なっていて、私も社長もかなり心理的な負担になっていた。

そうして、先週末に保健所の職員さんによる立会検査が行われた。開業時出していた届け(店舗内の設計や客席の配置など)に基づきながら、ひとつづつ確認される。途中で「なま肉の調理はありますか?」「どういった食事を提供されますか?」などいくつかの質問が飛んでくるが、うろたえるような質問は何もされな買った。

そうしてあっけなく立会い検査は終了した。期日までにいくつかの変更箇所に対する書類など揃えて、役所に提出すれば問題ないということだった。なんというか、本当にあっけなく「ではまた七年間の営業許可となりますので」と言われ、保健所の職員さんは帰って行かれた。

立会い検査を無事に通過し、社長と私はどっと疲れが出て「なんか心配しすぎだったかもね」と言い合った。今後は食品の管理に対してHACCPという管理体制を行なっていく必要も出てくるという。

HACCPの衛生管理体制は、難しいものでもない。食品の工場なんかではすでに始まっているものだ。けれど、個人の飲食店で徹底しておこなうには意識を少し変えなくちゃいけない。もしも七年後、カフェの経営がまだ続いていたとして。私も運営に関わっていたら、その時は今回以上に胃の痛い思いをしそうだ。





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