ニュートラルな現実に反応している私がいるだけ。

許せない自分は、
被害者ポジションでいたい自分。

嫌な事をされた。
私は悪くないのに…
理不尽だ。辻褄が合わない。

なのに、怒りの行き場がない。

あ。そっか。
私が被害者になれば、
相手を加害者にする事ができるじゃん。

怒りを吐き出す場所ができた。
あー、よかった。

例え無意識だとしても、そんな腹黒い事を
考えているなんて思いたくはないけれど、
やはり傷ついた私と言うのは、嘘だったように思う。

体感としては、あり得ないくらいリアルだけれど。
今思い出しても、胸がキューっとなるけれど。

傷ついたのは、プライド。
守りたいのは、悪くない私。
愛されるべき私、かな。

たぶん、相手のせいにして、
手軽に片付けたかっただけ。

嫌な気分から、最短で抜け出したい。
ただの欲望。

そんなご都合主義で生きているから、
自分を許せなくなってしまったんだ。
同じルールが適用されるから。

私には、誰かを裁く権利も義務もない。
裁いたところで、互いに不快になるだけ。

そんな息苦しい世界を、私以外の誰が望むの?

嫌だと思ったら、嫌だと言えばいい。
言えない相手なら、近づかないようにすればいい。
言っても伝わらない相手なら、避ければいい。

それだけのことなのだ。

許されない事だとか、私が決めなくていい。
世界の理を決めるのは、私じゃない。

自分を縛るリスクを負ってまで、
相手に執着することもない。

もしかしたら、許さないことで、
相手に関心を持ってもらいたかったのかもしれない。

だとしたら、ごめんなさい。
本当にごめんなさい。


嫌なことを、傷ついた事にしないこと。

私の中には、無自覚に嘘を構築するシステムがある。

関係者を被害者や加害者のポジションに立たせて、
現実を解釈しようとする。

たぶん、私は現実を知らない。
現実を題材にして作り上げた仮想現実を生きている。

それは、自分のプライドを守るための世界だ。
なら、私はプライドのために生きているの?

傷つきやすくて、真面目な私と、理不尽な現実。
もう十分堪能しましたよ。もういい。お腹いっぱい。
仕切り直そう。

今日からは、ニュートラルな現実にしよう。

設定したところで、理不尽に思うことはあるだろう。
被害者ポジションに逃げ込むことは簡単だから。

でも、そこにいる限り、理不尽は続く。
可哀想な私がいる限り、ヒロインのための悲劇は続く。
許せない相手がいる限り、許されない自分は増えてゆく。

何があっても、ニュートラルな現実に
反応している私がいるだけ。

24時間、そう思っていられたらいいのに。
そのポジションでいるためには、どうしたらいいんだろうね。


現実に反応して、
泣いて、笑って、怒って、楽しんでいる私がいる。
感情を味わうために、そのポジションに立っている。

神様じゃないから、ど真ん中には立てないとは言え、
敢えて、離れた場所を選んでいる。
ニュートラルな現実から感情を生み出すために。

辻褄の合わない現実に襲われるように。
思いがけない幸運に出会えるように。

望んでいるのは、幸せ。
理不尽な現実は、そのおまけ。

落差を生み出し、よりよい幸福感を味わうためのもの。

そんな波瀾万丈な日常が今のポジションなら、
もう少しだけ真ん中に寄ってみませんか?

ニュートラルな現実に大袈裟に反応している私を
見守ってくれませんか?

目の離せない子供のように。
安心して反応していられるように。

何かあったら、声をかけてあげられるように。

「もう大丈夫。全部、嘘だよ。作り話だよ。
映画と同じ。怖がるほどの事じゃないんだよ」

そう言ってあげられるように。

そうしたら、きっと、嫌な現実にも向き合える。
向き合えば、逃げるほどの事じゃないってわかる。

私でもなんとかなる事だろうし、
万が一、どうにもならない事でも、やるしかなくなる。

逃げなければいいだけなんだろうな。きっと。

現実を知った上で、逃げられそうなら、
逃げてもいいのかもしれないけれど…

どうなんだろうね。

fumori

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