最初の一杯 バー周遊記 2023年1月 その3
去年の冬から
いくら着込んでいても、酔いが少なければ、どうしてもバーまで移動している間に夜風で身体を冷やしてしまうのが冬。バーのドアを開けて、いくら暖かい空気が出迎えてくれても、座って熱いくらいのおしぼりをもらっても、すぐに椅子と身体はなじまない。
いつだったのかはわからない、どなたかが頼まれていたのを覚えていた。ずっと前にも飲んだことがあったような。一杯めとして意識して頼んだのは、おそらく去年の冬だったと思う。
やさしく包まれる
今日もお願いすることにした。トワイスアップ程度に水を加えた、サントリーローヤルを錫の器に移して湯煎(と思われる)。器の中に温度計が入っているので、適温に到達するまで続けられる。温められたサントリーローヤルを注ぐグラスも既に温められており、注がれたグラスが目の前に現れた。
グラスを持つ掌が心地よい。香りも味わいも、身体の中から暖めてくれる。内が甦ってくると店内の暖かさをより感じるようになった。
この一杯は冬だからこそできる経験だと、寒さを楽しめるひとつになればとついつい頼んでしまう。また次も頼もう。
![](https://assets.st-note.com/img/1674663345166-B1UNbBRp33.jpg)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?