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小説

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#末期癌

白い肌

お題 興奮した俺

腹水がたまるようになったらもう、死期はすぐそこだときいた。
電車を乗り継いで、走って病院に行った。医療麻薬のパッチが貼られた胸元が白く露出していたのを見て、胸に悔しさと恨みが沸き起こり煮立つのを感じた。何に対してか。母さんの細胞のミスコピーの癌なのかそれとも、健康な人々か。どうにもならないとやけに落ち着き払った医師か。すべてなのか。
母さんの肌はこんなに白かっただろうか。そして

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