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メルボルンでの出会い。新しい友だち、TOMBO

娘の高校留学を機にメルボルンに移住して459日となりました。先週、思わぬ素敵な出会いがありまして、ウキウキの日々を過ごしております。


古着が似合う女性に声をかけられ、意気投合→友だちになる


それは、先週の土曜日のこと。ボランティア活動しているOP SHOPでのできごとです。

私は移住して半年が過ぎた頃、地元の方とのコミュニケーションの一環としてOP SHOPというセカンドハンドのお店でボランティアで働いています。ドネーションで集められた服や食器、雑貨やおもちゃなどありとあらゆるものを販売していて、売上は社会的弱者の方のサポートに活用されている、循環社会型の組織です。

そこで店員として、週2回ほど活動しています。スタッフは6~7名ほどいまして、日本人は私ひとりだけ。英語もそこそこなんですが、とにかくお客さんもスタッフもみんなフレンドリーなので、私はちょいちょい声をかけられます。

いつものように、Manchesterコーナー(枕やシーツ、タオル、クッションなどが置いてある棚)で整理をしていると、ひとりの小柄な女性に声をかけられました。

「あなたの整理の仕方、素晴らしい。見ていて、気持ちがいいわ」
60代ぐらいでしょうか、古着を上手に着こなしているお洒落な女性です。

「ありがとうございます。私、片付けるのが上手なんですよ、えへへ。あなたの服のコーディネイトも素敵ですよ。胸についたトンボのブローチ、似合っていますね」

「私、Dragonflyが大好きなの。ブローチ、たくさん持ってるのよ。お名前はなんて言うの?」

「MADOKAです。昨年、日本からメルボルンに引っ越してきたんですよ。あなたのお名前は?」

「私の名前は、◇〇×△◇〇〇×。よろしくね」
名前って、なかなか聞き取れないんですよね、じつは……。彼女の名前はとくに難しくて、まったくわかりませんでした。

「ごめんなさい、名前が聞き取れないです。もう1回言ってもらえますか?」

「そうよね、私の名前は難しいの。じゃあ、いいわ、日本語の名前にしましょう。MADOKAの好きな名前をつけてくれる?」

“えっ、そんなんでいいのかい?!” 内心思いましたが、彼女がそうしたいっていうなら名前をつけてあげましょう。

「うーん、じゃあMIKIにしましょうか」

「MIKI…。あっ、ちょっと待って。私の好きなDragonflyは日本語で何て言うの?」

「トンボです、TOMBO」

「いいわね、TOMBO。じゃあ、私の名前はTOMBOにするわ」
にっこり笑って、TOMBO、TOMBOと暗記していました。ホントにチャーミングな女性です。それからもしばらく私たちはおしゃべりを楽しんでいました。

「MADOKAと私はすごく気が合いそう。あなたの内面的な感情に魅力をとても感じるの」(←うまい意訳が見つからないのですが、こんな風に言っていました)

「ありがとうございます。じゃあ、今度お茶でもしましょうか」

「ぜひぜひ。明日の予定は?」

「あいにく朝からOPでボランティアがあって、午後は予定があるんです」

「そうなの、じゃあ、また明日も来るわ」
そう言って、私たちは別れました。

TOMBOがプレゼントを持ってOPにやって来た!


次の日。

私がいつものようにOPの店内をうろちょろしていると、「MADOKA、おはよう~」と言って、TOMBOがやってきました。

「おはようございます、TOMBO。今日も来てくれたんですね、嬉しいですよ」

「今日はね、MADOKAにプレゼントを持ってきたの。はい、コレ」
小さな紙袋の中にいろいろ入っていました。

「わあ、嬉しい!ありがとうございます」
袋を受け取り、奥のスタッフルームに持っていこうとすると、「今開けてごらんなさいよ!」と笑顔でにっこり。日本人だからでしょうか、プレゼントをその場で開封するのに慣れていなかったんです……。袋の中には、小さな包み紙ひとつ、中ぐらいの包み紙ひとつ、チョコレート、ハンドクリーム、そしてメッセージカードが入っていました。

中くらいの包み紙には、ブラウンのタイツが入っていました。このタイツ、昨日TOMBOが履いていたものとお揃い。私が“可愛い、可愛い”と絶賛したので、プレゼントしてくれたんです。小さな包み紙には、トンボのブローチが入っていました。
「きゃっ、トンボのブローチ! 集めているのに、私がもらっていいんですか?」

ちなみに、メッセージカードはスヌーピーでした。可愛い…

「いいのよ、だって私たち友だちじゃない。受け取って」

メッセージカードには、こう書いてありました。

“Hi, I would like to be a friend.
Dragonfly“


私たちは電話番号を交換して、来週、TOMBOの家でお茶する約束をしました。

あさってのお茶会。さてさて、何を話そうかしら?


昨日の午後、私からTOMBOに電話をかけてみました。移住して1年3ヶ月になりますが、電話ってなかなか慣れなくて今も苦手です。でも、何となくTOMBOならうまく話せそうな気がしました。

「あ、もしもし、TOMBO? 今、話しても大丈夫?」

「MADOKA、電話ありがとう。今週、いつがいいのかしら?」

「金曜日はどうですか? 午前中は予定があるので、午後からお茶しましょう」

「私も金曜日は大丈夫。MADOKAはどんなお茶がいいのかしら?」
“ん?! どんなお茶?” お茶の種類を聞かれて、とっさに答えることができませんでした。

「ブラックティーでいいかしら?」
なるほど、なるほど。TOMBOは紅茶の種類を聞いていたんですね。

「もちろん、いいですよ。ブラックティーも好きですし、アールグレイ、ダージリンもよくいただきます」
少々テンぱってきてしまい、知っている紅茶の名前をつらつら言ってしまいました。

「では、お茶のお菓子は私が用意しますね。お楽しみに!」

「ありがとうMADOKA。そんなにたくさんはいらないわよ。少しで、少しでいいから」

「はい、わかりました。では、金曜日の午後に」

出会ってまもない私たちですが、早くもお茶会を開催。さて、どんな話をしましょうか?

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