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【セルフインタビューVol.22】ピンチをチャンスに変える勇気、ふたたび。

娘の高校留学をきっかけに、2023年2月からnoteをはじめました。50歳からの初海外移住(メルボルン)のあれこれを毎週金曜日に更新しています。2023年8月より自分自身を俯瞰で見るために、“セルフインタビュー”として、不定期にスピンオフ記事をお届けします。


🔷自分の弱さも、強さも知る、セルフインタビューの役割

ーーお久しぶりです、夏目さん。こうしてお話を聞くのは、3週間ぶりです。当初の予定では毎週月曜日と伺っていたので、何か心境の変化でもありましたか?

夏目 この取材の趣旨をいま一度、考えていました。”自分自身を俯瞰でみるために取材を受ける”、これがセルフインタビューです。私、回を重ねていくにつれ“自分自身に問いかけること”って、なかなか難しいと感じることもあり、週に1回って決めるのってどうなんだろうって思うようになって。自分の内面と向き合うのって、苦しい作業でもあるんですよね。

―― なるほど。今後は、私に話したいテーマがある時に限って、インタビューをするということですね?

夏目 はい。これからは私から取材のアポイントを入れさせていただきます。誤解しないように言っておきますが、このセルフインタビューは今の私にとって、“救い”でもある大切な時間です。考えや悩みを自身に打ち明けることは、“自分の弱さ”を知る一方で、”自分の強さ”にも気づけますから。

―― では、今日は私に、何かお話したいテーマがあると?

夏目 私、先月の2月23日のnoteで、『日本でいちばん詳しいA-beautyの美容ライターになる』という記事を書いたんですが、ご覧になりましたか?


―― もちろん。夏目さんの記事はnoteだけでなく、すべてチェックしています。A-beauty=Australian Beauty、オーストラリアの美容について、リサーチされているそうですね。ホームページのブログで、試した化粧品のレビュー記事も読んでいます。

夏目 ありがとうございます。それなら話は早いです。まさに今、いろんな角度からA-beautyについて掘り下げています。化粧品を試すことからはじまり、お客さんが何を購入しているのか現場の声が知りたくて、南半球最大のビューティストア『MECCA』に足しげく通っていますよ。私も店員さんにタッチアップをしてもらって、人気のコスメやリアルな美容事情を聞いてみたり。MECCAって、店舗ごとに客層や雰囲気も違うので、他店も探偵のように調べています。それから、気になるネイルサロンやスパ、エステなども行きますし、サプリメントやドリンクといったインナービューティ、健康志向のカフェやレストランなども調べたい! これはかなり大きなプロジェクトになっています。


―― それをおひとりでやるんですか? 日本でいちばん詳しくなるには、なかなか道のりですね。


夏目 美容って、間口がかなり広いんですよね。化粧品にしたって、メイクアップ、スキンケア、ボディ、フレグランスとカテゴリーが複数ありますから。その中で、何を選んで、試していくかが私の腕の見せどころ。しかも、このプロジェクトは“made in Australia”に限っていますから。

―― ブログを読んで、知らないブランドばかりでした。

夏目 ですよね、私も。出会うたびに、「はじめまして。よろしくお願いします」っていう感じです。改めてオーストラリアの美容って日本で紹介されていないことがじつに多いことがわかりました。何となく先入観で、ナチュラル、オーガニック、ヴィーガンコスメ大国って思っていましたが、それだけではなくて、ドクターズコスメやビューティギア、フェムテックも結構な数があります。それと、日本では肌への摩擦や刺激などを考えて、ダブルクレンジングを避ける傾向にありますが、オーストラリアは、ダブルクレンジングが主流だったり、韓国コスメは日本と比べると、まったく流行っていません。

🔷選んで、試して、人と話して…。その繰り返しをひたすら続ける

―― 日本では、ジュリークやイソップが有名ですね。

夏目 もちろん素晴らしいブランドですし、私も大好きです。でもそれだけではつまらないし、何よりもったいない! 現地で暮らしているからこそわかる、旬でリアルな情報を日本に向けて発信することで、新たなオーストラリアの魅力を伝えたい。メルボルンって、カフェ文化が盛んな都市ですが、じつはヴィーガンやベジタリアンのカフェ、ギルティフリーのスウィーツ、スモールビジネスで生まれたキャンドルやアロマ、スキンケアなどのニッチでユニークなブランドもたくさんあります。たとえばひとつあげると、男性二人が立ち上げた『Melbourne Candle Co』というキャンドルブランド。たまたま出かけた展示会で見つけたんですけどね、製品だけではなく、ブランドのストーリーに共感しました。ご本人たちもフレンドリーで、私、工房まで見学に行っちゃいましたから。

Melboune Candle Co.の『Sun Kissed Linen』ディフューザー。夏のあたたかい日差しをたっぷり浴びた、洗い立てのリネンの香りをイメージ。

🔷想定外の経費、どうやって乗り切るか?


―― 今年の元旦にセルフインタビューをしましたが、あの時、二つ目に叶えたいこと“本を出版したい”とおっしゃっていましたよね? もしかして、それはA-beautyについてですか。

夏目 はい。メルボルンで暮らす日本人の美容ライターが、オーストラリアの美容について掘り下げた本です。ですが、かなりの費用がかかることがわかり、焦っています。

―― メルボルンの物価は高いですからね。

夏目 今は、リサーチするための経費を生活費から工面しているので、みるみる目減りしている状況です。移住前に生活費の貯金はしていましたが、自分の新たな目標のための経費は考えていませんでした。

サウスヤラにあるMECCA。ちなみにこちらは1号店。オーストラリア、ニュージーランドで100店舗以上展開する、ビューティショップ。

🔷そうだ、人生初のクラウドファンディングにチャレンジしよう!

ーー化粧品って、なかなかのお値段ですからね。

夏目 資金がないからといって、“ひとつ10ドル(約1000円)以下“など設定するのは、違うと思うんです。もちろん、300ドル(約30000円)の美容液を100個試したいとは思っていませんが、金額に縛られず、美容ライターとして、素晴らしいと思う化粧品や美容を日本に向けて発信したいんです。

―― 気持ちはわかりますが、生活費を経費にあてるのはよくないですよ。そんなに遠くない未来に、立ち行かなくなります。夏目さん、ご主人に頼ってみては?

夏目 いえいえ、夫に頼るのは話が違います。移住の際、すでに金銭面について話し合っていまして、夫は娘の学費の全額、私は生活費を全額払うことになっています。それを途中から、“私、本を書きたいから、経費が予想以上にかかるんだ。生活費を負担してくれる?” なんて、言えませんよ。というか、それは違う。お互い長く自営業をしていまして、金銭面に関しては対等でありたいと思っています。私は、日本で暮らす夫には、彼の大切な店(イタリア料理店)を全力で守ってほしいですからね。

―― これは困りましたね……。

夏目 でも、何か自分にできること、方法はないかと考えたんです。そうしたら、あったんですよ!

―― 何が見つかりましたか?

夏目 クラウドファンディングです。自分の目標や目的を正直にお話して、本の出版にかかる費用を募ることにチャレンジしようかと。今までやったことないですし、これから調べるところです。さっそく先日、オリエンタルラジオの中田敦彦さんのYouTubeのクラウドファンディングの動画をみました。そしたら、中田さんが画面越しで私の背中を押してくれました。

🔷自分にしかできない、支援者の方へのリターンって何だろう


―― 私の知り合いにも、クラウドファンディングに挑戦した方が何人かいますが、何でしたっけ、支援した方にお礼するシステム……。

夏目 リターンのことですね、中田さんも動画でおっしゃっていました。ひとつではなく、いくつかリターンの種類を設けることが大切だとか、金額の設定など、細かくあるみたい。本をプレゼントするだけはちょっと、アレ…、ですよね。

―― サインを書くとか?

夏目 別に、そんなの需要ないです。

―― お礼の手紙を書くとか?

夏目 それも、違うと思うなー。

―― いいこと思いつきました、支援してくださる方に、夏目さんがインタビューするのはいかがですか? テーマは個々の支援者の方と相談すればいい。それを原稿にして、その方に差し上げる。夏目さんはこうしてプロで活躍されている方ですから、特別だと思いますよ。

夏目 それはいいかも知れませんね。私自身が、セルフインタビューによって、時に励まされ、こうして問題解決に向けて前を向いているわけですから。私ならではのリターンですね。

―― もうすでに、生活費を使っていますから、クラウンドファンディングも準備しないと。ますます忙しくなりそうです。

夏目 ですね、明日も早起きして、パソコンに向かいます。今日は長いインタビューになってしまい、申し訳ありません。おかげさまで、方向性が見えてきました。後は、目標に向かって行動するだけです。

―― 夏目さん、私はいつも応援していますからね。

夏目 ありがとうございます。私、がんばります。

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