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デザインのヒアリングで気をつけていること

デザイン制作はヒアリングから始まります。

まずはクライアントの話をよく聴くことが大切ですが、この「聴く」という行為は案外と難しいものです。

なぜならクライアントとデザイナーの間には共通言語がありません。

例えば納品方法1つとっても、「png形式で納品します」という言葉が通じるクライアントと、通じないクライアントがいます。

基本的には通じないというスタンスで、かみ砕いてお伝えすることが必要ですし、こちら側が使う言葉にも最新の注意が必要です。

その場で「png形式っていうのはですね」などと説明することもできませんから、そもそもクライアントは何を望んでいるのかを聞いて、「それだったら〇〇ですね」といった具合にご提案しなければなりません。


デザインなんだから〇〇で納品するのが当たり前という、デザイン業界のあるあるを最初からクライアントに突きつけないことが大切です。

そしてクライアントの口から出てくる言葉が全てだと思わないこと。


なにせ共通言語がありませんから、クライアントのイメージしていることが正しく言語化されているとは限りません。

「かわいい」という形容詞ひとつをとっても、可愛さというのはいろいろな種類がありますよね。


クライアントの指す「かわいい」はどういったものを指しているのかを紐解いていく必要があります。

ただ私たちは超能力者ではありませんから、頭の中を透視することはできません。

私が必ずヒアリング前に行うのは、クライアントの発信しているものに目を通すことです。


昨今はたいていインスタグラムかアメブロか、何かしらの発信ツールを1つくらいは使っているものです。

記事や投稿、文章の言い回し、好みなどを事前に把握しておきます。

私が特に注目して見ているのは、プライベートに関する部分です。


どんな場所へ足を運び、どのような交友関係があり、お仕事以外ではどのような言葉を使い、どのような笑顔をされているのか、何が好きで何が嫌いで、ご家族はどんな感じなのか、ペットは飼っているのか、何色が好きなのか・・・・

とにかく見える範囲で、あらゆる情報をキャッチするようにしています。

もちろんそれを全てデザインに反映するわけではありません。

プライベートとビジネスでは、場が違うからです。

ただデザイナーとして、クライアントの人となりを深く知ることは、一つのクリエイティブを一緒にカタチにする上でとても大切だと思っています。


あとはヒアリング当日に、ご本人の雰囲気を見たり、服装、髪形、メイク、話し方(言葉づかい)などをよく観察して、その方の言う「かわいい」がどんな雰囲気を指しているのか見当をつけます。


見当をつけても一発OKにならないことは多々ありますし、これは数稽古で訓練するしかない部分でもありますが、引き受けるマナーとしてクライアント情報に目を通しておくことは大切です。


原稿をもらって形にするだけのデザイナーは生き残りが難しいです。

デザインスキルを上げたり、ツールをあれこれ使えるようになるよりも、クライアントワークをしっかりとできるようになることが長く活躍する秘訣。

聴く姿勢は常に意識していきたいところですね。


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