トロッコ問題について、現役ホストくんの見解

ちょっと有名過ぎて逆に世間の人たちが飽き飽きしているのではないかとすら感じられる、超有名な哲学問題。トロッコ問題について現役ホスト（笑）の私なりの見解を述べていきたい。異論はいくらでも認める。でも本音で言えば少しやめておいて欲しい。普通にあまりにも異論がくると辛いので。

一応トロッコ問題を知らない人のために、分かりやすくトロッコ問題とは何なのかを伝えておきたい。

あなたの目の前に制御が効かない暴走トロッコが走っています。そのトロッコの進む先には、5人の作業員がいます。このまま行けば5人の作業員は轢き殺されてしまうでしょう。しかしながらそのトロッコの路線は2つに分かれていました。もう一方の路線には作業員が1人しかいません。そして本当に何故だか分からないことに、そのトロッコがどちらの路線を進むのかを操れるレバーの前にあなたはいます。レバーを引けば線路が切り替わり5人を救えますが、今度は切り替えた先にいる1人の作業員が犠牲になってしまいます。もしここにあなたがいなかったなら、轢き殺されているのは5人の作業員です。しかしながら、あなたが自らの手でレバーを引けば、1人の作業員しか轢き殺されずに済みます。元々轢き殺されていたはずの5人を見殺しにするのか、本来死ぬはずではなかった1人を、あなたの判断で、あなたの手元のレバーで轢き殺すのか、あなたはどちらを選びますか？

というような問いがトロッコ問題である。人数だけで考えたら、犠牲者は少ない方がいいけれども、明らかに自分の判断のせいで死んでしまう1人の人間がいることをどう捉えるかという問題なわけだ。
繰り返すが、もしあなたがそこにいなければ、犠牲になっていたのは5人の作業員だ。死ぬ運命だった5人。そして死なない運命だった1人。あなたは人数の問題だけで、死なない運命だった1人を犠牲にすることは出来るか？？？
という問題。

この問題に対する私の見解だが、私はズバリ思い切り自信満々にレバーを引く。仕方がないもの。この問題のミソは、たまたまそこにいたあなた、そしてたまたまそこにあったレバーという部分だと考える。そこにあなたがいなかったら、そこにレバーがなかったら、犠牲になっていたのは5人の作業員であり、1人の作業員は助かっていたという未来があまりにも見えてしまっているのは事実だ。本当は犠牲にならなかったはずの人間を、直接的に自分の手で犠牲にすることに対する後ろめたさは理解に難くない。しかしながらこの問題において、残念ながらあなたはそこにいるし、レバーも手元にある。もはや私がいない、レバーがないという仮定は意味をなさない。その仮定と今目の前で怒っている事実はもう切り離して別の問題として捉えるべきなのである。そうなった時に、このトロッコ問題は『あなたの手に持っている左のボタンを押せば5人死にます。右に持っているボタンを押せば1人しか死にません。どちらかは必ず押さないといけません。どちらを押しますか？』という問題に変換することができるのではないだろうか。あなたの手に、選択に、5人の命と1人の命が委ねられているという点では相違ないだろう。本当は別にどちらも押したくはないが、絶対に押さなくてはならないとなったら、あなたは1人が犠牲になるボタンを押すのではないだろうか。もう残念ながらあなたの前にレバーがある時点で、あなたは部外者でいられない。当事者だ。「もともとは5人の作業員が犠牲になる運命だったから……」なんて言い訳は通用しない。そこに『もともと』なんて概念は存在しないのだ。あるのはただ、あなたの選択のみなのである。

上記の理由で、私は1人を犠牲にする。ごめんね1人。恨むならトロッコ暴走させたやつを恨んでくれ。救われた側の5人。ほんまに金ないから流石に飯くらいは奢ってくれ。

あとがき
トロッコ問題、なんか調べてみたけど、世界的に見たら8割くらいの人は1人を犠牲にして5人を助けるらしいでな。まぁそれはそうか。普通に死ぬ人の量5倍やもんな。でも日本人は他の国の人に比べてレバー引かないで5人を見殺しにする人間の割合が高いらしい。見て見ぬ振りは国民性やなぁ〜。まぁでも、めんどうごとに巻き込まれるのはごめんって気持ちも分かる。バリ余談やけど、日本人って「誰か助けて〜！」って叫んでも誰もあんまり助けてくれへんけど、「そこの青いシャツのお兄さん助けて！」みたいな感じで指定して叫んだら割と助けてくれるらしいで。名指しされた瞬間に生じる義務感には弱いけど、自主性には乏しい的な。

あとなんか、トロッコ問題の派生問題で興味深いやつ見つけた。さっきとは違って分かれ道がない一本道を暴走してるトロッコが向かう先に5人の作業員が。このままだと5人の作業員が轢き殺されてしまう。そんなタイミングであなたの前に、ビックリするくらいのおデブちゃんが！このおデブちゃんを突き飛ばして線路に送り込めば、おデブちゃんは仏になっちまうけどトロッコは止められそう！君はおデブちゃんを突き飛ばせる？？っていうエグい問題。ぶっちゃけレバーは俺のせいやってバレへん気もするし、バレてもそんなに責められなさそうやから全然いじくれるけど、突き飛ばして殺したら流石にちょっとヤバいでな。それは流石にあかんやろってなりそう。本質的には同じはずなんやけどな。突き飛ばしたとなると流石に「俺が殺した」感が強すぎるんやろうな。いったんおデブちゃんに「いい体してるっすね。お兄さん体張ったらワンチャン止めれられそうっすけどね、止めたらヒーローっすよ」って煽ってはみるけど、強制は出来んよなぁ。

まぁそんな感じで、いろいろ考えさせられるし、正解がなさそうな問題ではある。完璧なタイミングでレバー引いてトロッコ脱線させるとかいうチートみたいな回答がTwitterでバズってんの見たけど、それはちょっとお前ズレ過ぎやろ。そういう話はしてないねん誰も。「ムカつく会社の先輩とどう付き合っていくか」って相談されてる時に『しがらみから解放されるために出家しよう』って答えるくらいズレてる。発明家以外でそのセンス発揮されるとこないから、Twitterの彼が発明家であることを祈ります。

今日も読んでくれてありがとう。ちょっと渋めの話題でごめん！トロッコメーカーに勤めてる君はトロッコが暴走しないようにしっかりと安全に配慮して仕事してくれ！！またね！！😳