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海とふしぎの理想郷

海、見たいだろ、いつでも。
千葉県は鵜原(うばら)に行ってきた。

この日に海へ行くことを前々から決めていて、もう本当に楽しみで仕方なかった。たまに、自分より遥かにデカくて到底敵いっこない何かを見たくなる。
今日は日記です。

ザブザブの海


 当初は、鵜原と湯河原の2択で迷っていた。鵜原はリアス式海岸(中学生ぶりに見た字面)だそうで、火サスみたいなザブザブの波を見たい気分だったから、今回は鵜原を採用。
 湯河原の海は、温泉の後に散歩する和やかな海、みたいなイメージ。そうなると泊まりで行きたい。湯河原はまた今度。行き先が出来て嬉しい。


車窓から


 鈍行は長らく森の中を通り、鵜原に着く手前でやっと海が見えた。車窓から水平線が見えた時は流石に興奮した。天気予報は曇りだったけど、着く頃には運良く日が差してきて、水面がきらきら光って眩しかった。

鵜原駅 歓迎されている
これ何?


 あまり調べずに向かったのだが、どうやら「鵜原理想郷」というのがあるらしい。ユートピアって存在しないのが前提な感じがするから、矢印とか書かれるとちょっと面白い。千葉にあるんだ、ユートピア。随分近いな。

潮の香り!近い!

海だ!


 海だ〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!

良い光!
今回1番よく撮れた写真


 海は爆シケだったが、むしろそれが見たかったのでよかった。ザブザブだ…!めちゃくちゃいい!
 観光客っぽいのは私しか居なかった。地元の人とも2.3人とすれ違うくらいで、でっかい海と人間の対比が想像以上だった。最高!それを求めてた!

 嬉しくって延々と海岸を練り歩いたり波の近くに行ったりしていたら、工事現場のおじさんがやたらこちらを見ていた。なんか危うい女だと思われているな…と思い、理性ありますよ!という顔だけしておいた。


鵜原理想郷

この鉄錆!

 あまりにも推されているので理想郷に行ってみることにした。箇所箇所にハイキングコースを示したマップが設置されており、山の上まで登ると海を見渡せる場所や、写真スポットがあるようだった。

 入り口に向かっているとき、民家の縁側でおじいさん3人が楽しげに話していた。随分日焼けしていたから、漁師さんかな?訝しげに見られながら(そりゃそう)、入り口へ特攻。


初手が怖すぎる

 トンネル、真っっ暗。写真以上に真っ暗。
 いたずらに山に入ろうとするものを振り落としにかけている感じがする。落石注意よりもっと何か…何か書くことがある気がする。中もかなり長かった。
 
 トンネルを出てからはものすごい急勾配の獣道で、普通に崖があるし、滑落したら何日後に発見とかそういうアレだなと思った。アクティビティは2人以上で、という原則の重要性を理解した。

よう行ったな〜

 

結果から言うと、理想郷には行けなかった。
というか、多分行かせてもらえなかった。
 


 なんたって行く先を示す看板の矢印があっちこっちに向いていて、とても正しい順路とは思えなかった。後から、私が入ったトンネルは入り口ではなく出口だったことに気づいたが、それを踏まえても明らかにおかしかった。だったら、矢印は私が来た方向に向いているべきだ。


 全然知らない土地に行って突然山に乱入して道案内がそれだったので、「あんまり歓迎されてないな」となんとなく感じた。
 流石にちょっと怖かったので、うっすら海が見える方向の道(道か?というくらいのヤバ道)を足早に降りたら、鳥居と祠が建てられている所に出て、ン〜〜〜〜〜と思った。これは…やってしまったかもしれない。近畿地方の例のやつを思い出してしまった。

 失礼しました、という気持ちをこめて、鳥居を出て深々とお辞儀した。来た道をすごすご戻っていたら、縁側のおじいさんたちは1人も居なくなってて、家もピッチリ閉じ切られて何の音もしなかった。
 …やめてよぉ……。


日の暮れ、旅の終わり


 海岸に戻ってからは、30分くらいひたすら海を見ていた。トンビだかタカだか分からない大きい鳥が、空の高い場所を悠々と飛んでいた。あの子たちって海風に乗るから、全然羽ばたかないんだね。
 そういえば海沿い出身の先輩の苗字にトキの字が付いている。鵜原の鵜もそうだ。土地に由来した苗字ってかっこいいな。羨ましい。

 

 鵜原駅に戻って、1時間に一本しかない電車に乗り、旅を終えた。翌日は不思議とめちゃくちゃ元気だった。アクティブレストってこういうこと?


 ひとり、最高だな。私は割と1人でどこでも行けるタイプで、行けと言われたらソロディズニーも全く苦ではない。全然楽しめると思う。ただ頻繁に行ける所じゃないから、せっかくなら友達とわいわいしたい。夢の国だし。

 鵜原にも絶対また来たいし皆におすすめしたいけど、理想郷に向かうなら、必ず誰かと、正しい順路を行ってくださいね。矢印が正しい方向を向いてますように。






 

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