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佐伯祐三展 作家の気迫が迫ってくる @東京ステーションギャラリー

2月11日 東京ステーションギャラリーで開催されている佐伯祐三の展覧会に行きました。いつものように朝一番。
佐伯が描くパリの風景画には以前から惹かれていました。ただ、単作を画廊や美術館で見たことがあったものの、今回はまとまったコレクションを時系列的に見ることができる素晴らしい展覧会です。

佐伯祐三は30年の生涯の最後をパリで過ごし、文字通りとおり精力的に描き抜きました。今回の展覧会では、風景画だけでなく人物画や、東京の拠点だった下落合の風景画もあります。

館内は撮影禁止でしたので、美術館の外にあるポスターをカメラに収めました。

「街に生き、街に死す」という上手いキャッチコピーです

佐伯祐三が描くパリの色彩は独自色があります。他の作家さんが描く緑豊かなパリの風景画をよく見かけますが、私がイメージするパリは佐伯が描くパリです。彼が描いた作品の中で明るい色彩の作品を見たことがありませんが、暗い絵という感じではなく、渾身を込めて描き込んでいる印象です。
短命だった佐伯の絵に対する気迫のようなものが作品から伝わってきます。モチーフはどこにでもあるパリの街角ですが、佐伯が描くとその街角の生活感だけでなく歴史が見えてくるような気がします。

回廊式になっている美術館の外廊下

美術館から出ると東京駅の吹き抜けを回廊式に回ることができます。

美術館の2Fから見た東京駅

佐伯祐三のアトリエがあった下落合には記念館があることを知りました。入場は無料です。ぜひ、行ってみようと思います。


佐伯祐三アトリエ記念館とは
佐伯祐三は大正10年に、豊多摩郡落合村下落合661番地(現・中落合2丁目4番)にアトリエ付き住宅を新築しました。この地で佐伯が生活し、創作活動をしたのは、米子夫人と長女彌智子と共に、フランスに向かう大正12年までと、大正15年に帰国し、再びフランスに渡る昭和2年までの合わせて4年余りにすぎません。
しかし、この地は、佐伯がアトリエを構え、創作活動拠点とした日本で唯一の場所であり、現在も、当時のままの敷地に、大正期のアトリエ建築を今に伝える建物が残されている貴重な場所です。
このアトリエを、新宿に残る大切な「土地の記憶」、「まちの記憶」として保存・継承し、広く発信していくために、新宿区立佐伯祐三アトリエ記念館として整備・公開しています。

記念館のHPから

ミュージアムショップには図録があり、購入しようかどうか迷っていると、ガレットを見つけ、こちらの方を買ってしまいました。どこでも売っていますから、わざわざ美術館で買うこともないのですが、山積みされており、ついつい手が伸びました。
駐在中によく食べた懐かしいお菓子です。コーヒーと一緒に食べることにしました。


サンミッシェル グランドガレット

美術館はそれほど混んでいませんでした。これだけ多くの作品を正面からゆっくり鑑賞できる満足度の高い展覧会でした。

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