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飲食業はこれからが真の逆境だ

まあ、割とタイトルの通りなんですが、一事業者の率直な現状共有です。

形としては緊急事態宣言や東京アラートも終わり、都道府県をまたいだ往来も解禁され、以前の日常が戻ってきました。形としては。
飲食店もだんだんとお客さんが戻ってきているなど報じられています。うちの店および周りの店の状況を聞くに、売上は例年比で30~40%減といった感じじゃないでしょうか。
これ、非常にまずい状況です。

『一時期は80%減とかだったんでしょ?それに比べたら持ち直してきてるじゃん』と思われる方も多いと思います。
確かにそのとおり。しかし、そもそも80%減なんていうのが現実からかけ離れた即死レベルの数字なので、それと比べて回復したところで、大した慰めにはなりません。

飲食店経営はだいたい売上のうち10%を利益として残せれば『神経営』なんて言われるほど薄利が染み付いている業態です。つまり、粗く言えば売上が10%下がると神経営であろうと利益はほぼ無くなります。30%も減れば大赤字です。神といえど軽くパニクります。

下手すればこの30~40%減がしばらく続く可能性があります。というかたぶん続きます。その間は大赤字で運転資金を削られ続けます。秋冬に第2波が来るなんて話もありますが、春の第1波で大打撃をうけ、夏の間も体力を整えるどころか削られ続け、第2波を食らったら閉店する店の数は春の比ではないでしょう。これがまずいポイントその1。

その2は、これ以上行政の支援は期待できないこと。春は打撃を受けながらもなんとかなったのは、それなりに支援が手厚かったからです。少なくとも僕のような個人事業規模にとっては。そして、支援してくれたのは緊急事態宣言という国がある種の営業妨害をしたことによる補償だからです。ここら辺の言い回しは色々考え方ありますが、要は『飲食業が困っているから支援した』のではなく『国の判断により商売に悪影響を与えたから支援した』ということです。

夏の30~40%減に対しては、支援を期待するのは無理でしょう。何故なら現状、国は自粛要請のような商売に影響を与える指令を出していませんから。夏の赤字に対してはあくまで事業主の責任なので、自分でなんとかしなければならないでしょう。なんとかってどうすりゃいいのw。これがまずいポイントその2。

さらに、春の打撃に対しては多くの店が常連さん方に救われました。クラファンだったり前売り券だったり、テイクアウト利用だったり。しかし、いつまでもこういったご厚意を期待し続けるのは難しいです。そろそろこういった動きも潮時でしょう。まずいポイントその3。

というわけで実はこれからのほうが飲食店にとって本当の地獄となる気がしています。誤解のないように書いておきますが、僕は行政がもっと支援するべきだ!とかお客さんはもっと飲食店を助けてくれ!と言うつもりはありません。そもそも、商売は自己責任なので、変化に対応できない時は残念ながらそれまでです。

率直に、飲食以外の方に現状を知って頂ければ幸いです。

いやー、お金を頂ける文章とは思いませんが、頂けるというのなら受け取らせて頂くこともやぶさかではございません。