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絆創膏のチカラ

1番来室が多い学年は1年生

どこの小学校でも1年生の来室が最も多い。
これは明確な理由がある。
まず給食や移動教室の負担軽減等の理由から、1年生の教室は1階が多いこと。
そして保健室も運動場に近いことが多く、必然的に1年生と同じ階になりやすいためだ。
1年生に限らず、保健室に近い学年ほど来室が多くなる傾向にある。

加えて体のバランスがまだとりにくく、ケガが多い。
ケガといっても「擦り傷」をはじめ「ささくれ」「まめ」といった軽傷が多いことも特徴だ。


絆創膏を貰いにくる理由

子どもたちは絆創膏が好きだ。
包まれている感覚が安心感を与えるのだろうか。
出血を見ないことで、傷が治った感覚を得るのだろうか。

はじめはそんなことを考えながら手当てをしていた。
しかしマラソン大会があった日、そればかりではないかもしれないと思った。

練習ではいつも足が早い子が、僅かな傷を気にして絆創膏を欲しがる。
それは、当日負けるかもしれない不安をケガのせいにしたいのかもしれない。

本番当日に転んで、それでも最後まで走り切った子。終わったあとに絆創膏を貰いに来たのは、頑張って走った勲章にしたかったのかもしれない。

たった一枚の絆創膏。
だけど、その子にとっては優しくしてほしいサインだったり、大事にされた証なのかもしれないなぁと思うようになった。


甘えていると言う大人

今ではだいぶ少なくなったが、保健室に行くことを甘えだと受け取る先生もいる。
小さなケガによる来室を「申し訳ない」と謝る先生もいる。

養護教諭によっても考え方が違うし、程度もあるが、私は甘えていいと思う。
絆創膏を使ったアピールは良い方法ではないけれど、保健室に行けない子や甘えることができない子も中にはいるからだ。

子どものうちに甘え方や甘えたときの心地良さを知っておくことは大事だ。

そんな気持ちで、今日も絆創膏を貼っています。

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