【ArenaCS2参加レポート】完成化ケシスができるまで
3/18、Arena Championship2に参加してきた。
年に3回、それぞれ32人しか出場できないMTG Arenaでは最大のイベント。"アリーナの王"である茂里も参加してきました。
AkioProsから4人出場。男3人と美少女で夜な夜な調整、何も起きないはずがなく…
使ったデッキは今までのチームデッキの中でも自信作で回していて最高に楽しい。読み終わる頃にはあなたもケシスに夢中になっているはず。
激動の大会参加レポート、お楽しみください!
(レポート自体は全文無料、有料部分にはチーム内で共有したまとめを一部加筆してデッキガイドとして読めるようにしたものがあります。)
魅力的で最強のメンバー紹介
5色神話レア、Akio (Twitter, note)
アキオにデッキを作らせることは、1-1で5色の親和レアをピックするようなものだ。大勝ちと大負けしかしないことに定評のあるAkioProsのAkio。
デッキが当たったときの上振れの可能性でチームの期待値を上げつつ、なんでいけると思ったのか全くわからないクソデッキで雰囲気を和ませてくれる癒し系の人材。
代表作(神):
M21スタン白単オーラ、ArenaOpen二日目7勝
ZNRスタン 緑単フード、ArenaOpen二日目7勝
NEOスタン ゴルガリシゲキ、セカコロ優勝
代表作(ゴミ):
KHMヒストリック 黒単コントロール、KHM CS 共有した仲間と合計1-7
SNCスタン グルールランデス、SNC CS 0-3
銀髪天才美少女、yami (Twitter, Twitch, note)
美少女スマイルと老獪なプレイに定評のあるバーチャル美少女が参戦。セカコロ優勝の実績や次ArenaCSの権利も既に獲得している強豪。プレイがとにかく丁寧でうまく、今まで一緒に調整してきたメンバーの中でも飛び抜けて安心感がある。
どちらかというとチューナータイプで、黒系のミッドレンジを好む印象。アイデア勝負のフィールドで趣向の異なる強豪の存在はありがたい。ドラフトと違って色は足し得。
ジェイスアイコンの俺が主人公、むらっちょ (Twitter)
真面目そうな人かと思いきや #むらちゃん語録 は来るべくして我々の元に来たと思わせるユーモアの塊。コントロールを好みながら速いデッキも調整できるオールラウンダー。
ビルダーとしての腕も確かで、なんでも独楽奇跡の産みの親だとか・・・(よく知らないデッキだが当時やってなかった筆者でも名前を知っているぐらいだから多分すごいのだろう)。
メンバーの中ではプレイ歴が長く、《虚空の杯》などの下環境で強いカードへの知見もくれた。
Arenaの王、茂里憲之(筆者)
競技レベルでオリジナルデッキを作ることが得意。青系のデッキが好きではあるが、強ければ割と何でも使う。
デッキが決まった後はヘルプを呼び6人体制に。いつも一緒にやっているさねとみさんと、世界選手権の調整を手伝わせてもらった縁で吉越さんにレビューしてもらう。
ヒストリックをハックしろ!
メンバーを集めて特設Discord鯖を立てたのが2/17、デッキリスト提出(3/13)まで28日。
ベンチマークは3キル
直前に観戦ガイドを書いたように、ヒストリックは安定4キル、上振れ3キルが可能な環境だ。
その中でキルターンや妨害性能を評価することになる。
初めに話題に上がったのは
・ジャンドミッドレンジ
・オーラ
・フェニックス
・緑単信心
だった。
メンバーの第一印象としてはこんな感じ。
yami:ジャンド推し
むらっちょ:オーラ推し
Akio&茂里:最強デッキ作るぜ!環境は読むものではなく壊すものだ!
自然とよくやる、デッキを作って上振れを狙う遊撃隊と王道を調整して最低値を保証する底上げ部隊に分かれる形に。
他の話題に挙がったデッキに関しては、緑単信心はヒストリックではパワー不足で使うべきデッキではないと判断。フェニックスは他にやる人がいなさそうだったので茂里がアイデアが出なかった日にちまちま回すことに。
ジャンドミッドレンジ始め、アルケミーカード(通称オリカ)はナーフの影響を受ける可能性があるので、しばらくは候補を絞らずに広く掘っていく方針。
5日やったら結構進んだ!
5日ほど各々の好きなものを回し、3/22、デッキ提出まで23日。
まずはオーラ。
オーラは安定していて使ってもいいと思える良いデッキであった。
《思考囲い》と《致命的な一押し》を使うデッキに弱く、ラクドス系のシェアが高いのが懸念点ではあった。
しかし、ほとんどプレイされていないフォーマットであるヒストリックにおいて本番で未知の新デッキに当たることもありうる。なのでキルターンの速い押し付けデッキには魅力があった。
また、この段階では緑単信心は弱いという見解が一致しておらず、緑単信心を圧倒できることも使用理由として上がった。
次はジャンド。正統派リストから調整開始。
このデッキの争点は2マナ域をどうするかだった。
他フォーマットの定番カードの《税血の収穫者》であるが、ヒストリックではパワー不足に感じた。重要な3マナ域のカードのタフネスは大抵3。2マナのクリーチャーもオーラやイゼットウィザードのインスタントタイミングで処理しなければ手遅れになるものばかり。
2マナ域は除去で埋めて3のバリューを最大化するということができればよかった。だが、ベンチマークになるような大規模イベントが暫くなかったヒストリック。どのような妨害が強いか評価するのが難しく、相手を選ぶカードの採用自体がリスクである。
相手がわからないので、軽いクリーチャーもある程度採用してキルターンは短くしたい。
ジャンドの中で感触が良かったものはいっそ1マナ域を濃くしようというアイデア。
ナーフされているとはいえ、攻撃性能はそのままのレガシー級カード《ドラゴンの怒りの媒介者》を使うことができる。2Tのアクションは2マナのクリーチャーでなくても、《ドラゴンの怒りの媒介者》+ハンデスというのも強力。
最後はフェニックス。
アルケミー専用カード(通称オリカ)の《危険な反復》のために緑にタッチした型を調整した。3マナ以上が《弧光のフェニックス》のみなので確定サーチ。ラダーでの手ごたえはよく、仮想敵としてチーム内の練習でも悪くないベンチマークになったと思う。
アイデアとしてはチャリスコントロールも。
下環境で使われてきた実績のある《虚空の杯》を使えて、1マナの濃いデッキも多いため検討。しかし1T《思考囲い》のプラン崩壊や、固まっていない環境でコントロールを使いたくはないことを理由に没。
2/22は6日後の28日に追加されるアルケミーカードの発表があり、使用できるプールが出そろった日でもある。晴れて調整本格開始!
そして調整を続ける中、出会う、ケシスと・・・
だがちょっと待って欲しい。供養させてくれ、クソデッキを。
俺のうんちを見てくれ!
みんな、なぜうんちをする?そうだね。代謝だね。
クソデッキを作るのはビルダーの代謝だ。GAFAの役員やハリウッドスターもご飯を食べて、うんちをして素晴らしいパフォーマンスをしているように、デッキビルダーはクソデッキを作ることでパフォーマンスを維持している。
神デッキの芽が出るのはクソデッキが肥やしになっているおかげである。そんなわけで、失敗した仮説検証も紹介したい。
ティムール創造の歌
フェニックスでも試した《危険な反復》は3マナ以上のカードを一種類のみにすれば確定サーチできる。3マナ以上で出せば勝つカードといえば?
《創造の歌》だね。
《創造の歌》を置いて0マナや実質0マナ以下のスペルでデッキを掘りきって勝ち!!
しかし、期待値でデッキを掘りきるために0マナの単体ではゴミのカードをデッキに30枚ほど入れなければならないという制約があるためBO3では到底使い物にならないということで没。
BO1では強いらしいので一応インポートリストを置いておく。
アーティファクトリアニ
クソデッキビルダーはこういう何でも選んで落とせるカードが大好きだ。
釣り竿もある。これはやるしかない!
《ゴブリンの技師》で《彩色の星》を出し入れすると毎ターンカードが増えたり、《命取りの論争》のようなマッチするカードもあったりと、面白いデッキではあった。
だが、せっかく《ファイレクシアへの門》を置いても《耐え抜くもの、母聖樹》でカジュアルに割られすぎるし、返しに速攻持ちに殴られて負ける速度環境であったりと没。
一応ラダーミシック帯でギリギリ頑張れば勝ちこせるレベルではあるので魅力を感じた人向けにインポートリストも。
グリクシスパラドックス
オリカで《湖に潜む者、エムリー》に速攻つけたら強くない?というアイデアをさっきのファクトリアニパッケージと合わせた。
《湖に潜む者、エムリー》+《パラドックス装置》+《モックス・アンバー》×2で無限マナ
《湖に潜む者、エムリー》+《パラドックス装置》+マナファクト+《彩色の星》で無限ドロー
「さっき《耐え抜くもの、母聖樹》でカジュアルにファクト割られるって言ってなかった?」という正論パンチはやめておくれ。効くから・・・。いや、出したターンに勝てるならありかと思ったんです。
ちなみにこのデッキの無限に入った後の勝ち筋は《ボーラスの城塞》だが、操作中に時間が無くなる。
《湖に潜む者、エムリー》でアーティファクトを10個並べて《ボーラスの城塞》でサクるのを2回やるためにはデッキの大部分を引く必要があり、コンボに入っても時間が足りない。アリーナはクソコンボ好きに厳しい。
イゼットパラドックス
(ファクトはカジュアルに割られるということをこいつは学ばないのか?)
ループに入ったら《金線の酒杯》に油カウンターを10個のせてサクって10点、戻してもう一回で勝ち!必要な操作は23ループで1ループ4クリックなので90クリック程度、恐ろしくつまらない単純作業だが時間は足りる。すごい!
だがデッキは弱かった。
根本原理/ドラゴンストーム
《ミジックスの熟達》で《出現の根本原理》を釣って勝つデッキ。
クソデッキ使いはデッキから好きにカードを選べるカードが好きすぎて擦ってしまう。
楽に手札を捨てられるオリカのおかげで大幅強化!のはずであったが、ケシスに比べていいところが少なすぎたため没。
諜報ブリーチ
《諜報強化》+《死の国からの脱出》+《ドラゴンの怒りの媒介者》+《トーモッドの墓所》で無限。
面白い動きをするデッキではあるが、墓地利用と対策の多いヒストリック、《耐え抜くもの、母聖樹》を使えない色の墓地利用デッキはアンプレイアブル。
《死の国からの脱出》は《隠された手、ケシス》と違って序盤に引いたりかぶったりすると完全にゴミなので、枚数を減らして序盤は除去コンをするらしい。筆者はAkioが何を言っているのかわからなかった。
《高まる復讐心》は《死の国からの脱出》で唱えても「墓地から唱えて」いるので、《プリズマリの命令》でデッキを引き切れるという発見は面白いのだが・・・。
我々の愛したクソデッキを愛してくれる読者がおらんことを・・・。
完成化ケシスとの出会い
完成化ケシスと出会ったのはある日クソデッキを回していたときのこと。
ビリっときたね。あの日見た夕焼けの美しさを僕はずっと忘れないよ。
あの日とかではなくuntapped.ggを見れば具体的な日付が残っているんですが…2/20、デッキ提出まで21日。
従来のケシスコンボは重要パーツが多く、また伝説カードの枚数の確保が必要で、そこまで自由度の高いカードではなかった。
しかし《完成化した精神、ジェイス》は《隠された手、ケシス》でマナ軽減された状態での切削効率が3マナで15枚。15枚のうち6枚が伝説ならループの最低条件を満たし、《モックス・アンバー》の3枚目が落ちたところでマナが増えるようになる。このために必要な伝説カウントは期待値基準で24枚。参考程度にスタンダードリーガルだったころのケシスの伝説カウントは32枚程度であった。
《隠された手、ケシス》と《完成化した精神、ジェイス》がダブル主人公で、もう一人の影の主役がNEOの魂力土地だ。土地の枠で必須の墓地対策の置物破壊と伝説カウントを兼ねる。9枚の土地兼伝説カードを採用。これらのおかげで非土地カードの自由枠が15枚程度確保できる。
プッシュされるだけのコンボ始動まで何もしない2マナの固定枠はもういらない。
非土地カードの半分近くが自由!
自由度の高いコンボデッキ、調整するのが楽しすぎる!
これには流石の茂里も、感激してラップを歌ってしまった。
yo yo yeah
お前俺のデッキをミル(切削)
俺もジェイス使ってみる
好きになってくみるみる
ケシス3.0
原案。《離反ダニ、スクレルヴ》で重要クリーチャーを守りながらコンボに入る型。
そして3日かけて調整した2/23日。デッキ提出まで18日。
これがケシス2.0だ!いや、ケシスはM20で生まれてELDの《湖に潜む者、エムリー》でまた進化したデッキなのでケシス3.0と呼ぶのがふさわしい。
オリカの力を手に入れてさらなる進化を遂げた。《骨を積む者、リーザグ》は《隠された手、ケシス》、《離反ダニ、スクレルヴ》、《湖に潜む者、エムリー》、《眷者の神童、キナン》、《精励する発掘者》やリーザグ自身のようなシステムクリーチャーをアーティファクトにしてクリーチャー除去が当たらない状態で場に置いておける。
残れば勝つカードである。クリーチャー枠の残れば勝つカードの割合が増え、《歓喜する喧嘩屋、タイヴァー》で突然の大量リソース回復もできるようになった。
《神秘を操る者、ジェイス》を抜いても《完成化した精神、ジェイス》で相手のライブラリを掘りきれば勝てるというのはAkioの発見。結局《神秘を操る者、ジェイス》はあったほうが強いということでデッキに戻るが、デッキから抜いたりサイドアウトすることもオプション。画像のリストでは取り忘れているが、《湧き出る源、ジェガンサ》も相棒にできる。
ケシス4.0
ケシス3.0の問題点は二つあった。
①最速で勝ちに行くコンボデッキなのでキルターンが同じぐらいのウィザードやオーラには何をやっても勝たない。クリーチャーを除去することもできるウィザードは絶望的。
②墓地対策は絶対どけなければならない。《耐え抜くもの、母聖樹》で置物対策をしやすいとはいえ、もし墓地対策が5枚以上あると勝ち目がない。(《魂標ランタン》は採用しやすいし、ヒストリックは墓地利用デッキが多いので5枚はありえなくない数。3や4でもとても苦しい。)
従来のケシスが有利だった相手を安定してオーバーキルするものの、勝てなかった相手に勝てるようになるタイプのアップデートではなかった。
余談だが、本番でOndrej Straskyが使用したものに似ている《伝説の秘宝》採用型のケシスの案も出ていた。
3キル率が高く、コンボの入り口も多い良いデッキではあるが、その分自由枠が狭くなる。加えて、墓地対策の濃い相手に勝てない問題が顕著になるという判断から見送った。
ケシスはいいデッキな気がするが、問題が解決できないと最後の一押しが弱い。
4キルできて、妨害性能が高くて、トップが強いなんていう都合がいいデッキ、ないかなあ…
そうだ、全部入れてみるか
伝説じゃん、君。《英雄の公有地》で赤マナ出るじゃないか。
4キルできて《思考囲い》、《致命的な一押し》の使いまわしで妨害性能も高いデッキ、これはできたか…
使ってみると、強い!4キルできる最強の鉾と、プッシュ使いまわしの最強の盾が合わさり、もうこれは最強のペンだ!《彩色の星》や《忌まわしい回収》との相性も最高。
ペンは剣よりも強し。
ケシスがペンを持っているのはオリカを入れて最強のペンになれという4年越しのメッセージだったわけなんですねえ。
《暗黒時代の後継、ジャーシル》の打点3は実は結構高い。墓地対策の問題はサイド後伝説ミッドレンジでビートしてしまえ!
打点が高く、除去耐性がジャンド系相手に偉い。
専門化は手札を捨てて捨てたカードに色に応じて変身するギミックでこれがまたデッキに合っている。
雑に置いてから、黒専門化でケシスを実質1マナで出してコンボに入ることができる。赤専門化はアルケミーで使われているは見たことがないが、このデッキでは《湧き出る源、ジェガンサ》を捨てて変身できるので結構使う。強いオプションではないが、4マナで打点が4増えるのでマナコスト相応で、チャンプブロッカーやエディクト避けにもなる。
これがケシス4.0だ!
画像は3/7(デッキ提出まで6日)にチーム内の指名対戦で使用したもの。
メインはコンボデッキ、サイド後は上記のオリカや《領事の旗艦、スカイソブリン》などミッドレンジ対決で強いカードを増やしフェアなゲームもできるようにする構成。
ケシスと生きる決意、そして紳士協定
2/23~2/26(サブミットまであと15日)にかけて「お、このデッキはすごそうだ」と一人また一人とケシスに靡いていく。
他の候補について:
フェニックスは唯一触っていた茂里がケシスに夢中になって帰ってこなくなったので消滅。
ジャンドはメインで触っていたyami含め、ミラーマッチでの有効な戦略が見つけられず不毛なトップゲーにしかならないと判断したこと、トレードオフの幅が大きく未知のフィールドに持ち込みたくないことを理由に没。
むらっちょがメインで触っていたオーラはダイレクトマッチでラクドス系とやったところ思っていた以上にボコボコにやられたため没。
ケシスが最有力候補になり、紳士協定が結ばれる。
今回の調整で重要な役割を持った制約である。ケシスはデッキの性質上、採用カード1枚で大きくミラーに有利になるカードが存在する。
例えば《掘り返し》。これがデッキに一枚入っているとライブラリアウトで負けないどころか、アップキープで欲しいカード、つまり《隠された手、ケシス》3枚をライブラリに戻せる。つまりライブラリアウトを仕掛けられた返しで勝つことができる。
《神秘を操る者、ジェイス》についても同様。相手に《神秘を操る者、ジェイス》を出されると相手はライブラリアウトで負けなくなるので、自分も《神秘を操る者、ジェイス》を出して自分のライブラリアウトで勝つしかなくなる。
このように、ミラーの対策をしようと思えばいくらでもクリティカルなカードがある。そして、我々は4人で身内当たりする可能性がそこそこあるので、誰かがミラーの対策をすれば他のメンバーもせざるを得ない。
今までの調整経験で、わかっている相手にガードを上げようとした結果デッキを弱くして失敗した経験は何度もあり、それは避けたかった。そのための紳士協定。
この協定のおかげで、お互いの意見に意見を返すインセンティブが強くなった。いいことも悪いこともはっきり言う空気ができて、活発な意見交換をしながら調整できたように感じる。
最終調整!
デッキの方向性が決まってからの調整大きなトピックは二つ。
①《神秘を操る者、ジェイス》はメインか?
②《湧き出る源、ジェガンサ》は必要か?
《神秘を操る者、ジェイス》は勝つときにしか使わない弱いカードとして一回メインデッキからは抜いていた。しかし、むらっちょからメインに戻そうという提案があり再検討。
ダイレクトマッチで検証を重ねる中、ドローエンジンとして優秀でメインに入れて十分活躍するカードあると判断。また《神秘を操る者、ジェイス》を抜いた段階のリストより伝説カードが減っているため、《完成化した精神、ジェイス》で相手のライブラリを切削しきれなくなることが増えた。メインに戻すことに。実際茂里は本番で《神秘を操る者、ジェイス》に何度か助けられて勝利した。
《神秘を操る者、ジェイス》を入れると《湧き出る源、ジェガンサ》が使えなくなる。
《湧き出る源、ジェガンサ》なんか滅多に使わなくないか?と思われそうだが、ラクドス系には強い。
5/5は処理され辛いし、生きてターンが返ってくると《湧き出る源、ジェガンサ》から出た5マナは《隠された手、ケシス》に3マナ、残りの青や赤も《湖に潜む者、エムリー》や《暗黒時代の後継、ジャーシル》に使うことができる。ミッドレンジをするのであれば《隠された手、ケシス》が出てすぐに処理されても、盤面をバチバチに仕上げることができる。《ギスヤンキの戦士、ラエゼル》の専門化コストにも優秀。十分に1枚の働きをする。ハンデスで手札を空にされても3Tジェガンサから4Tラエゼル、モックスからジェガンサを捨てて変身してリカバリーという動きも綺麗。
サイド後相棒にするだけの価値はある。最終的にAkio、むらっちょ、茂里が非相棒でサイドに取ることに。
その他の細部での判断は有料部分に認識合わせのために書いた文章を公開するので興味がある方はよろしくお願い致します。
祝福されし完成ケシスを見よ
実際に提出したリストがこちら。メンバー内でも少しずつ異なる。
むらっちょ、茂里は75枚同じ。サイドに《ワームとぐろエンジン》を取り、ミッドレンジプランを強化しながら絆魂で苦手なウィザードのような速くて本体火力のあるデッキにワンチャン作る形。
Akioは《ワームとぐろエンジン》の枠に《真髄の針》を採用。ミッドレンジプランよりも、複数枚の《未認可霊柩車》や《魂標ランタン》を《真髄の針》で無力化しコンボに突入するバリューを取る。
yamiは土地を一枚削りメインに《眷者の神童、キナン》を一枚採用。コンボ前に墓地を追放されていても、《眷者の神童、キナン》でマナを足らせてコンボに入れる確率を上げる選択。サイドには《湧き出る源、ジェガンサ》の不採用で空いた枠に《選別の儀式》を採用。
結果
自信満々で挑んだ本イベント!肝心の結果はというと・・・スイスラウンドで全滅!
なぜこんなことに・・・
各成績
【Akio】
ドラフト2-1、構築3-3
【yami】
ドラフト1-2、構築3-3
【むらっちょ】
ドラフト1-2、構築4-2
【茂里】
ドラフト1-2、構築4-2
結果の詳細はmeleeをどうぞ。
合計6-3でシングルエリミネーション進出であったが、ドラフトラウンドでの悪成績のせいでむらっちょと茂里、Akioは1勝、yamiは2勝足らずと悔しい結果に。
リミテッドラウンドがボロボロ。
Akioは強アーキのグルールに入り2-1したが、yamiとむらっちょは隣同士で弱アーキタイプの青黒で食い合い。茂里は緑黒という弱アーキながらそれなりにデッキを仕上げたつもりであったが、9ゲームで10回マリガンと運に見放され・・・。
構築のデッキに自信があっただけにこの結果は残念!
つらいピックやマリガンがたくさんあったが・・・
でも楽しかったよ
みんながいたからこの調整は楽しかった
今回の調整はデッキの気に入り具合もあり、過去の調整で一番楽しかった。デッキに無数のシナジーや小テクがあり対戦の度に発見がある。特にミラーマッチは最高に面白いゲーム!
相手と自分の墓地、ライフ、ライブラリ枚数全てを気にするハイレベルな対戦になる。何時間ミラーマッチをやっても飽きないデッキだ。もしケシスに興味を持ってもらえた読者がいればぜひ友達とケシスミラーマッチで遊んでみてほしい!
結果は残念だったものの、大いにArena CS2を楽しんだので是非とも次の出場を目指したい。またyamiはなんと3への出場がもう決まっているので応援よろしく!
それではまたどこかで。
以下の有料部分はレビューを頼んだ際に書いたカードの解説のための非公開記事のリンクです。採用カード、採用を検討してもいいカードや抜けたカードについてチーム内で共有したものを加筆し、デッキガイドとして読めるようにしました。他デッキの検討内容や、没アイデア、加筆したイベント中の小噺を含めて8,700字の大ボリュームのおまけです。
内容に興味がある方や面白かったからまた書いてくれ!という方は何卒宜しくお願い致します。
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おもろいこと書くやんけ、ちょっと金投げたるわというあなたの気持ちが最大の報酬 今日という日に彩りをくれてありがとう